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「まさか私が、20代でもう一生の持病を持つことになるなんて…」結婚直後にリウマチを発症した女性が、2児のママになるまで【インタビュー】

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「リウマチ」という病気を知っていますか?「なんとなく高齢女性に多い感じ」とか「手が痛くなる病気かな」というイメージを持っている人が多いのではないかと思います。2児の母であるリウマチmamaさんは、結婚したばかりの27歳でリウマチを発症。治療には妊娠や出産に弊害の多い薬を必要としますが、体の痛みと闘いながら治療を続け、念願だった母になり、現在も治療を続けながら育児に向き合っています。そんなリウマチmamaさんに、病気を発症したときのこと、治療を続けながらの妊活のことなどを聞きました。 全2回インタビューの1回目です。

ただのケガだと思っていたら、一生治らないリウマチだった

リウマチ発症は結婚直後。倦怠感がひどく、結婚式もハネムーンも強い薬を使い、体を休めながら楽しんだ

2児の母であるリウマチmamaさんは、現在37歳。パッと見は、とてもかわいらしく、元気そうに見える女性ですが、今も一生つき合っていかなければいけない病気を抱えています。それが関節リウマチ。

関節リウマチは、免疫の働きに異常が生じて、自分自身の体を攻撃することで炎症が起こり、軟骨や骨が破壊され、関節に腫(は)れと痛みが起こるものです。関節を動かさなくても激しい痛みがあるのが特徴で、発熱や食欲不振、倦怠(けんたい)感などの症状が起きたり、炎症が肺や血管にも広がったりすることがあります。また、リウマチは完治することがありません。そのため、早期の治療で、症状をコントロールすることが大切だと言われています。

関節リウマチは30~50代の女性に多いとされますが、リウマチmamaさんは今から10年前、27歳のときに発症しました。関節リウマチの早期の症状として主に現れるのは、関節の痛みや腫れ、朝起きてすぐの手足のこわばり、37度台の微熱、倦怠感、食欲不振などです。

「私が最初に感じたのは、ひじと足の指のつけ根の腫れでした。ただ、このころ結婚をして引っ越しをしたので、そのときの作業で、どこかにぶつけたりしたのかなと思っていたんです。あとは、朝起きると体がガチガチにこわばっていて、夜は痛みで目が覚めることもありました。

1〜2カ月くらい湿布を貼って様子を見ていたんですが、なかなかよくならず、そのうち、ひじや足の関節が曲がったまま伸ばすことができなくなってしまったんです。もう、フライパンを持つのだけでもつらくて。

そこで、整形外科に行ったところ、X線検査でもとくに異常は見られないし、安静にしていれば治るでしょうという診断で、医師もリウマチを疑っている様子はありませんでした。もしかしたら、私が、問診で『引っ越しでひじを痛めたかもしれない』と言ったのもよくなかったのかな。当時は若かったので高いヒール靴も履いていたことも、医師には『そういう靴を履くから、痛みが出るんでしょう』と言われてしまって。

このとき血液検査はしなかったのでわかりませんが、症状を振り返ると、すでにリウマチだったのかもしれないなと、今となっては思います。

私もずいぶん治りが悪いケガだな、なんでこんなに痛むんだろうとは思ってはいましたが、医師からもケガと診断されたし、ひどく痛めちゃったのかなと思い、まさか病気とは考えてもいませんでした」(リウマチmamaさん)

あくまでもケガ。そう思っていたリウマチmamaさんは、そのあと、整骨院に通い、電気・針などで痛みをまぎらわせながら、整骨院の指導に従って、痛い箇所を必死に伸ばしたり、痛みに耐えながら筋トレをしたりする日々を1年ほど送ります。

「このころしていたことをリウマチ科の先生に話すと、とんでもない!と怒られます。リウマチの体と関節を痛めつけてしまう行為だと。でも、そのときはこれが痛みから逃れるための方法なんだと信じて続けていました。

でも、いつからかひじは90度に曲がったままで動かなくなっちゃって、まっすぐ伸ばせなくなっていたんです。痛みも少し抑えられてはいるとはいえ、ゼロではない状態がずっと続いているし、朝と夜は痛みがひどい。こんな状態が1年も続くなんてやっぱりおかしいなと思って、もう1度病院に行くことにしたんです」(リウマチmamaさん)

そこで訪ねた整形外科で血液検査をし、リウマチの疑いありという診断を受けたリウマチmamaさん。すぐに大学病院を紹介されたそうです。

「血液検査の結果は、炎症の強さなどリウマチの診断でチェックされる項目がことごとく基準値を超えていました。それまで健康診断でひっかかったことなんてなかったので、数値を見るだけで、怖かったです。

医師に『治るんですか?』と聞いたら、『リウマチは基本的には一生治らないんです。でも、薬でコントロールして、寛解(かんかい)っていう症状が落ち着いた状態にもっていくことはできますよ』と言われて……。

寛解の状態に持っていける可能性はあるにしても、20代でもう一生の持病を持つんだと考えたら、かなりショックでした。本当にただのケガだと思っていたので、『まさか自分が?』という気持ちでした。

20代にしてリウマチと診断されたことはショックでしたが、原因がわかってよかったとも思いました。痛みをなくしたいのはもちろんでしたが、このころ、ひじは90度くらいで固まったまま、足の指は丸まったまま伸ばすことができない状態だったので、これらの関節を元に戻したかったんです。

それからは大学病院のリウマチ科に通院し、治療をスタート。“リウマトレックス”という薬を服用し、月1回の血液検査と診察、そして週2回リハビリに通うようになりました」(リウマチmamaさん)

思い通りにならない体に、心まで疲弊。そして妊活スタート

リウマチの治療では妊婦禁忌の薬を使用するため、妊活を始めるまでにも時間がかかった

結婚後約1年ほどで、リウマチと診断されたリウマチmamaさん。治療を始める中、いろいろな思いがありました。

「薬の副作用で、痛いくらいののどの渇きや微熱、倦怠感があって、調子が悪いとちょっと動いただけですぐに動悸(どうき)がして、息苦しくなってしまうんです。このころは、短時間の仕事と家事だけでもぐったりしてしまって、やりたいことがなかなか思うように進められなくて、自己嫌悪に陥ってばかりでした。

仕事は結婚を機に非正規で働いていたのですが、転職活動をして正社員の内定をいただいたあとに体調や体力に自信がなくなって辞退したということもありましたし、家事もちゃちゃっと終わらせればいいのに、体がだるくて後回しにしてしまい、あとで情けなくなって…。

心も体も思い通りにならないのと、『なんで私が』という思いや将来への不安で、悲しいし、くやしいし、本当に泣いてばかりでした。

また、免疫系や精神系の疾患の人はみなさん感じられるのかもしれませんが、見た目では病気とわかりづらいので、病気と理解されにくいことをつらく感じたことがありました。

たとえば、関節が痛いと話したり、遊ぶのを断ったり、遊びに行っても疲れてしまい数時間で帰宅したり、仕事を減らしたり辞めたり、重い物を持てなかったり…。そんな場面で、『大げさ』『病気アピール』『自分に甘い』『我慢がたりない』『また言ってる』という気持ちを、直接の言葉では言われなくても、態度や言葉の端々から感じてしまい、傷ついたこともありました。

あとは、もともと私は『早くママになりたい』って思っていたんです。だから結婚後2年くらいしたら、子どもがほしいねと夫と話していたんですが、リウマチの診断後、医師に相談したら『今はあまりにもリウマチの炎症の数値が高いので、まずはリウマチの症状を落ち着かせないと、妊娠は難しいです』と言われて。

当時、炎症の数値が高くて強い薬を使わなければならず、飲んでいた薬は妊婦禁忌の薬だったので、『この薬を使っている間は妊活ができません』と言われました。だから、ママになるにはちょっと時間かかりそうだな…と覚悟しつつも、将来に対して漠然と不安があったんです」(リウマチmamaさん)

でも、そんなリウマチmamaさんの心をやさしく救った医師の言葉がありました。

「リウマチ科の先生に『無理をしないで。“こうしなきゃ”じゃなくて、“これでいいんだ”って思うようにして』と言われて、病院で泣きそうになりました。

20代前半は睡眠時間が少ない中、寝不足と疲れを抱えながら仕事をしてストレスいっぱいだったし、結婚したてでリウマチ症状が出始めて、今なら『痛い!痛い!』と大騒ぎするくらいの痛みでも、疲れて帰ってきた夫は暖かく迎えてあげたいという気持ちから、痛みを我慢することも多かった。

人と比較せず、できなかった自分も認めて自分にやさしくしていいんだと考えたら、張り詰めてた神経がちょっとゆるんだような気がしましたね」(リウマチmamaさん)

こうして、服薬による治療を1年半ほど続けたリウマチmamaさん。症状が落ち着いてきて、妊活について、ようやく本気で考えられるようになったのです。

「リウマチの治療をしながらの妊活は、当時自分でもいろいろ調べていたんですが、若くしてリウマチになった方の情報がなかなかなくて。自分と同じような人の情報がないというのは、すごく不安でした。

ただ、薬による治療で、血液検査の結果もずいぶん落ち着いてきたので、服薬ではなく、 “エンブレル”という自己注射剤を週1回(症状が落ち着いていれば2週に1回)自己注射するという治療法に切り替えることになったんです。

“エンブレル”は妊娠中も使えるとされていますが、“リウマトレックス”の影響が体から抜けるまでに少し時間がかかるので、妊活スタートは3カ月後。それでも、この薬に切り替えることが決まったときは、まだ見ぬ赤ちゃんに会える日が近づいた気がして、めちゃくちゃわくわくしました!ようやくスタートラインに立てたって感じで、それだけでうれしかったですね。

心配だったことは、私はもともと子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)で、意識が遠のくほどの生理痛持ち。そのため、10代のころからピルを飲んでいて、生理痛の症状は改善されていましたが、リウマチの治療前にピルの服用を中止。リウマチの治療中は、徐々に子宮内膜症の症状が強くなってきていたので、正直、妊活をスタートしてもすぐに妊娠できないかもしれない、婦人科の治療も始めないといけないかもしれないということでした。

あとは治療費のことですね。当時、“エンブレル”の注射は、採血・診察なしでも1本1万円くらい。週1回となると、それだけで1カ月4~5万円かかります。赤ちゃんのため…と自分に言い聞かせましたが、一般家庭には重すぎる金額だなということです。

もうひとつは、薬のこと。通っている大学病院では、『“エンブレル”は胎盤を通らない薬だから妊娠中に使っても大丈夫』『“エンブレル”のような薬を使っての妊娠・出産は、大学病院ではよく行われているし、院内でも“エンブレル”を使って出産された方がたくさんいる』『そもそも妊婦に処方してよいとされる薬のハードルは高くて、安全じゃないものは処方しない』『リウマチの症状が強い状態よりも、薬でコントロールできている状態のほうが赤ちゃんにはよい』と説明されて安心してはいたのですが、心のどこかでどうしても心配で。

“エンブレル”の自己注射も、できるだけ回数を少なくできないかと医師に相談。血液検査の結果を見て、このとき2週に1回だった自己注射を3週に1回に減らしてもらい、妊活を続けました」(リウマチmamaさん)

こうして妊活を続けること10カ月。ついに、リウマチmamaさんの念願がかない、妊娠が判明!ママになる夢に一歩近づいたのです。しかし、出産までの道のりには、まだまだいくつかのハードルがありました。

お話・写真提供/リウマチmamaさん 取材・文/藤本有美、たまひよONLINE編集部

▼続きを読む<関連記事>後編

20代という若さでリウマチになり、関節の痛みや体のこわばり、ずっと続く倦怠感など、見た目にはわかりづらい症状を抱えながら、妊活も頑張ってきたリウマチmamaさん。同じ年代で同じ病気の人の情報も、また、その症状に心から共感してくれる人も少なく、どんなにか不安だっただろうと思います。自分だけじゃなく、赤ちゃんにも影響してくると考えるとなおさらですよね。後編では、妊娠中のリウマチ症状の変化や、リウマチ治療をしながらの育児のことについて聞きます。

リウマチmamaさん(リウマチママ)

PROFILE
2015年、27歳でリウマチを発症。リウマチと診断されるまでに約1年かかったあと、治療を開始。約2年の治療を経て、症状が安定したところで、妊活をスタート。2019年に第1子、2024年に第2子を出産。現在もリウマチの治療を続けながら、2児の育児に奮闘している。

リウマチmamaさんのAmeblo

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●掲載している情報は2025年9月現在のものです。

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