新生児黄疸は危険?[1ヶ月健診]までに起こりやすい2大トラブルを医師が解説!
Aynur_sib/gettyimages
初めて出産した人は、産後すぐに赤ちゃんにトラブルが出ると、「ほうっておいていいかな?」「重大な病気だったらどうしよう…」と、心配になるもの。
多くの赤ちゃんが経験する「黄疸(おうだん)」と「乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)」について、「1ヶ月健診まで、待ってもいいか」「受診したほうがいいか」といったタイミングなどを、愛育レディースクリニック院長・水谷敏郎先生と看護師・関口瑠依子さんに詳しく伺いました。
関連:有料だからってケチっちゃだめ!新生児のための大切な検査とは!?
黄疸は入院中に治療する子も多い
肌や白目が黄色っぽくなる生理的な黄疸を「新生児黄疸」と言い、多くの赤ちゃんに見られます。通常は7~14日で消えますが、黄疸の数値が高い場合、産後すぐに治療を受けることがあります。また、中には重症化しやすい「病的黄疸」もあります。
赤血球の一種が体内にたまるため、黄色く見える
産後すぐの赤ちゃんは、赤血球が破壊された物質、“ビリルビン”を処理できず、一時的に体内でためることになります。これが生理的黄疸で、“ビリルビン”が黄色のために、皮膚や白目が黄色く見えます。
自宅でできること
お産入院中、黄疸の数値によっては、赤ちゃんに特殊な光をあてる光線治療を受けます。その後、自宅では、赤ちゃんの様子に変化がないかチェックして。日光にあてたほうがいいという意見もありますが、医学的根拠はありません。
1ヶ月健診を待たずに受診するのはこんなとき!
・2週間たっても黄疸が治まらない
・黄疸があり、うんちが白くなる(の疑い)
・黄疸があり、あまり泣かずに長時間寝ている
・黄疸があり、発熱してぐったりしている
・黄疸があり、母乳やミルクの飲みが悪い
顔まわりにブツブツが出る、乳児脂漏性湿疹
皮脂分泌がとくに多い生後1~2ヶ月ごろに出る湿疹を、「乳児脂漏性湿疹」と言います。頭、髪の生え際、頬、まゆ毛、耳の裏あたりに赤いブツブツができます。ベタベタした皮脂のかたまりや黄色いふけのようなかさぶたがつくことがあり、嫌なにおいがすることも。
赤ちゃんは皮脂分泌が多いためにできやすい
生後2ヶ月ごろまでの赤ちゃんは、ママの胎内でもらった男性ホルモンの影響で、皮脂分泌が盛んです。皮脂そのものの刺激や皮膚にいる細菌が刺激になり、湿疹ができやすく、よだれや汗、おっぱい・ミルクが肌について悪化します。
自宅でできること
・朝、頭を蒸しタオルでふく
・石けんを泡立たせて洗う
・保湿剤をしっかり塗る
・つめを短く切る
・頭のかさぶたは、ベビーオイルを浸したコットンでふやかして洗い落とす
湿疹を悪化させないためには、毎日よく泡立てた石けんで顔や頭を洗い、そのあと保湿をしてあげるのがいちばん。保湿は、塗り終わった肌にティッシュが1枚張りつくくらいのイメージで、しっかり塗ってください。
1ヶ月健診を待たずに受診するのはこんなとき!
・一時的に治っても、繰り返し症状が出るとき
・とてもかゆそう、症状が悪化した、症状がなかなか治まらないとき
・嫌なにおいがする、洗ってもかさぶたがなかなか落ちないとき
関連:[10年ぶりに妊娠しました#11]あっという間に過ぎてゆく新生児期
産後1ヶ月健診までの間に赤ちゃんの気がかりやトラブルがあると、「健診までの時間が長く感じられ、いてもたってもいられなかった!」という先輩ママの声もあるほど。妊娠中から情報を得ておくことで、産後すぐの大変な時期に、あわてずにすむといいですね。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:
愛育レディースクリニック 院長 水谷敏郎先生
看護師 関口瑠依子さん