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はじめての妊娠&出産。人生観ひっくりかえることばかりの9ヶ月!

更新

Itakayuki/gettyimages

2歳違いの兄弟の母で、ママライターのてんてんです。長男の出産予定日は、私の30歳の誕生日。居心地が良かったのか予定日から5日遅れての出産になりましたが、最初に陣痛を感じた時から36時間の長い出産でした。そんな私の出産体験記です。

これがうわさの、ハネムーンベイビーか!

10月10日がまだ体育の日だった頃、結婚式をあげました。翌日からスペインへの新婚旅行で夢のような数日でした。新生活が始まり、慣れない土地で不出来な主婦を続けて数ヶ月。「あれ、そういえば例のものまだ一度も来てないなぁ」と思いながらも、「きっとストレスで不規則になっているだけだろうな」とのんきに構えていました。

数日後、微熱があり「風邪かな」と思い薬を手にしましたが、ふと“妊娠初期に微熱がでる”と耳にしたことを思い出し、市販の検査薬で妊娠を調べ陽性の反応がでました。

驚いてすぐに近くの病院に行き、妊娠2ヶ月と言われたとき、「あの時薬を飲まなくてよかった」と思いました。

里帰り出産の準備をしながら、のんびりと妊婦生活

まさかのハネムーンベイビー!! でも夫の両親は初孫の妊娠の知らせに大騒ぎ。性別もわからない頃から、可愛いベビー服やらぬいぐるみやら送ってくれました。

私たちも本を買ってきたり、あちこちの妊婦教室に行ったり。つわりがあまりなかったし、その頃、私は働いていなかったので、毎日のんびりと過ごしていました。

住んでいた社宅が田舎にあったので、近くの図書館でたくさん本を読んだ時期でもあります。実家のある神戸にどうしても行きたい病院があったので、妊娠中期に里帰り出産をお願いするために診察を受けに行きました。そこで中学・高校と同じ学校だった友だちに偶然再会し、毎月の診察後にお茶したり、買い物をしたり楽しい時間を過ごしました。

私の誕生日が予定日なのに、生まれる予感がしない

のんびりと過ごしていたのが子どもに伝わったのか、予定日を過ぎてもなかなか出産の兆候がなく、みるみる大きくなっていくおなかに不安を感じ始め、大きなおなかを抱えて近所を散歩したり階段を上り下りしたり、“掃除をするとかわいい子が生まれる”らしいと聞いて、雑巾がけをしたりして過ごしました。

予定日を4日過ぎて、やっと陣痛がきました。すぐに病院に行ったら少し陣痛が収まってしまいましたが、数時間後、想像を絶する痛みが5分ごとにやってきました。

甘っちょろい考えで出産にのぞんでいた私は、しょっぱなからノックアウト。完全にパニックになり陣痛に耐えた36時間の後半の数時間は、記憶がないほどです。やっと出産ができそうな時には、私の体力はほとんど残っていませんでした。

育ちに育って3600g越え!そりゃ出てこないよね

分娩室に入った私はすでにヨロヨロで、いきむ力も残っていませんでした。すると今まで見たことのない大柄で腕っぷしの強そうな看護師さんが二人やってきて、グーの手で私のおなかに全体重をかけ、ぐりぐり押し始めました。ますますその痛みで体力を奪われてひよひよになる私。

それでも出てこないとわかり今度は2ヶ所の会陰切開、挙句の果てに吸引する器具で赤ちゃんの頭を吸い出す作戦になり、やっとのことで産声が聞けました。病院の産着がピチピチで似合わない、でっかい赤ちゃん、3610g!新生児用のベッドに頭がぶつかるほど大きい!「こりゃでてこないわよね」と先生も看護師さんも苦笑するありさまでした。

痛いことの連鎖で毎日涙目…

陣痛であんなに痛い目にあったのに、その後は切開痕が痛くて、ドーナツクッションなしでは座れない状態でした。おまけにでっかい赤ちゃんは力も強く、授乳時に思いっきり吸うので、すぐに乳首は崩壊し、血だらけになりました。

出産した病院は、産後すぐに赤ちゃんを同室にするシステムだったので、自力で立てるようになると、すぐに赤ちゃんのお世話をしなければいけませんでした。慣れない姿勢でのおむつ交換、授乳、だっこ、そして3時間以上は眠らせてくれない毎日に、病院にいる頃からひとりでやっていけるのか不安でした。

「いつまでこんな生活が続くのだろう、ゆっくり眠れる日が一生ないのかも」などと、とても気持ちが滅入りました。

のんびりとした実家から、見知らぬ街へ引越し

出産の直前に夫の転勤が決まり、出産の時はちょうど夫が関東へ引越しした日と重なり、立ち会い出産ができませんでした。“退院してすぐ新幹線に乗るのは子どもに良くない”ということにして、実家で上げ膳据え膳のお世話をしてもらい、3ヶ月になるのを待って見知らぬ街へ引っ越すことになりました。

縁もゆかりもない関東の土地。初めての育児、慣れない街、忙しく帰宅の遅い夫、知り合いのいない孤独の日々。子どもの成長を見るのはとても幸せでしたが、長男の育児はつらいことも多かったです。

40週5日。3610g、51.8cmで長男が生まれました。初めてでさぐりさぐりの妊娠・出産で、今まで自分がいかにわがままに自由に自分の時間を使っていたかを思い知りました。こんな思いを母親にさせて、人はそれぞれ生まれてきたんだなと思うと、世の中のお母さんみんなを尊敬したくなりました。かなり痛い思いをした出産でしたが、ケロっと忘れて2年後に次男を出産しました。“母は強し!”ってことにしておきます。

[ てんてん * プロフィール]
神戸市出身で、現在千葉県在住。劇団員時代に知り合った帰国子女の夫と29歳で結婚。会社員になった夫の転勤で引越し、子どもの転校を数度経験。息子2人も手を離れ、今は夫と年間百本越えの映画を観るのが楽しみです。

■関連:【妊娠超初期】もしかして?と気づく体のサイン&気づいたらやることは?

※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。

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