妊娠後期~臨月のセックスで気をつけるべきことは? いつまでしていいの?
なかなか人に聞きづらい「妊娠中のセックス」。中でも、おなかが大きくなった妊娠後期から臨月にかけてのセックスは、流産の恐れこそないものの、出産も間近に迫り、赤ちゃんへの影響やお産につながらないかなど、気になることもあるはず。「する派」「しない派」「したくない派」いろいろかもしれませんが、産後の夫婦生活にもつながる大切な問題です。気になるあれこれについて、ポートサイド女性総合クリニックビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。
セックスはいつまでしていいの?
妊娠中期以降で妊娠経過に問題がなければセックスをしても構いません。もちろん妊娠後期に入っておなかが大きくなっても、臨月に入っても、体調がよく、夫婦の気持ちが一致しているのならセックスをしても構いません。ただし、妊娠時期に限らず、妊娠中のセックスは、おなかの中に赤ちゃんがいるという点で、妊娠前のセックスとは明らかに違います。必ず守ってほしいこと、注意すべきことがあるので、しっかりと頭に入れておきましょう。
セックスをするときに気をつけるべきこと
妊娠後期に限らず、妊娠中はママの抵抗力が落ちているため、子宮内感染を起こすと破水などのトラブルにつながる可能性があります。コンドームは妊娠中はもちろん産後も、避妊のためではなく、感染防止のためにも使う習慣をつけましょう。また、妊娠後期になるとかなりおなかが大きくなっているので、体位には注意が必要です。おなかを圧迫するような体位やママがつらいと感じる体位は避けるようにしましょう。
あわせて妊娠中にセックスをする際には、以下を必ず守ることを条件にしてください。
妊娠中のセックスで気をつけるべきこと
・入浴後など体を清潔にし、手もきれいに洗ったあとに行う
・必ずコンドームをつける
・腟(ちつ)の奥まで指を挿入しない
・おなかを圧迫しない、妊婦さんが楽な姿勢でいられる体位で行う
・深く挿入せず、動きはゆっくりと
・おなかが張ったら、すぐに中止する
・挿入だけにこだわらず、セックス以外のスキンシップも
・胎動が激しくておなかが痛くなる場合は中止する
妊娠後期にセックスで気になることQ&A
Q赤ちゃんが下がってきているのにしてもいい?
A妊娠後期から臨月に入れば、当然赤ちゃんは下がってきています。それが正常の範囲で、なおかつ健診で妊娠経過が順調であれば、セックスすることはNGではありません。その際もコンドームをつけることが大切です。ただ、「赤ちゃんがかなり下がってきている」「子宮口が開いてきている」など医師からなんらかの注意があった場合や、37週未満でおなかが張りやすいなどの症状がある場合は、控えたほうがいいでしょう。
Qおしるしがあったらしてはダメ?
Aおしるしがあるということは、お産が近づいてきている証拠。セックスするのはNGではありませんが、いつ陣痛や破水が起こるかわかりません。必ずコンドームをつけるなどルールは守り、無理のない範囲で行いましょう。また体調に少しでも変化があれば、すぐに中止してください。
Q予定日を過ぎたら、セックスをしたほうがいいの?
A予定日を過ぎたからセックスをしたほうがいいのではなく、もういつ陣痛が来てもいい状態だという意味です。また、早くお産が来てほしいという理由でセックスをするのもやめましょう。もちろん、予定日を過ぎてもコンドームをつけること、ゆっくりと行い、おなかを圧迫しないことは必須です。
パパに知っておいてほしいこと
コンドームをつける、体を清潔にして行う、ママの体調と赤ちゃんの状態をいちばんに考え、無理をしないのは大原則です。その上で、体位に注意する、乳首を刺激しない(おなかの張りにつながりやすいため)、深く挿入しないなど、セックスを行う際にも慎重になる必要があります。また妊娠中全般に言えることですが、妊娠期間はママの気持ちの揺れが大きく、精神的にも不安定になりやすい時期。ママの体調がよくても気分が乗らないときはやめましょう。
妊娠中のセックスについては、消極的な人、積極的な人など考え方もそれぞれです。また、ママの体調やおなかの赤ちゃんの経過などによっても、できる人、できない人もいます。妊娠後期から臨月にかけては、ママの体もお産に向けてさらに大きく変化する時期。ママの体調とおなかの赤ちゃんの様子をいちばんに考え、パパもしっかり知識を身につけておきましょう。
(文/たまごクラブ編集部)