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妊娠後期に出血が起きたらどうする?チェックポイントと気をつけたいこと

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妊娠後期におなかの痛みや張りを伴う出血が起きたときは、トラブルのサインかもしれません。とくに羊水(ようすい)が急激に増える妊娠32~34週はおなかが張りやすく、この時期は前置胎盤や常位胎盤早期剥離が起こりやすい時期でもあります。妊娠後期に出血が見られたら、どんな点に注意すべきか、東峯婦人クリニック院長の松峯寿美先生に聞きました。

関連:【妊娠8ヶ月】おなかが張りやすいこの時期の体調チェック&やっておきたいこと

妊娠後期の出血はトラブルの可能性が。臨月ならお産の兆候かも

おなかの張りや痛みを伴う出血は、出血量の多い・少ないにかかわらず、切迫早産(せっぱくそうざん)の兆候と考えられます。また、この時期に心配なトラブルは前置胎盤(ぜんちたいばん)と常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)。とくに常位胎児版早期剥離はママと赤ちゃんの命にかかわります。一方、臨月に少量の出血や、血の混じったおりものが見られたら、おしるしがきたのかもしれません。産院に連絡するとき、出血の状況をできるだけ詳しく伝えられるように、まずは色や量などをチェックしましょう。

出血が見られたら、色や量、回数、タイミングなどをチェック

●出血の量
出血の量は、医療スタッフが緊急性を判断するための重要な情報源。「下着に少し着く程度」「生理ナプキンをあてないと、下着やボトムスまでしみてしまう」など、具体的に伝えましょう。

●出血の色
出血したばかりの赤い鮮血、赤褐色・暗い赤色(赤に茶や黒が混ざったような色)、茶色、カフェオレのような薄茶色、ピンク色(おりものに血液が混ざったような色)など、ていねいに伝えるのがポイント。 

●出血の状態
サラサラしている、粘りけがある、かたまりが出る、止まったり出たりを繰り返している、どんどん量が増えていくなど、具体的に伝えましょう。医師が出血の原因を診断する際に役立ちます。

●出血の回数や頻度
「朝起き抜けと、昼に2回」とか「昼ごろトイレで気づき、その後も出血が続いている」など、回数と頻度も、高リスクな出血がどうかを医師が判断する際の目安の一つに。

●出血のタイミング
安静時なのか、家事をするなど動いているときなのか、トイレで排尿や排便したときなのか、それとも、なんの前触れもなく突然なのか、出血したときの状況を伝えましょう。医師が原因を特定するのに役立ちます。

●出血以外の症状
おなかの張りや痛みがある、おりものが急に増えた、発熱している、頭痛がするなど、出血以外の症状も大事な情報源になります。

30分から1時間ほど、様子を見てから産院に連絡を

出血したときはあわてずに、30分から1時間ほど安静にして様子を見ましょう。出血量がさほど多くない場合は、安静にして止まるかどうか、量が増えることがないかどうか、様子を見てから産院に連絡を。ただし、出血量が大量の場合や、おなかの張りが強い場合、激しい痛みを伴う場合は危険のシグナル。すぐに産院に連絡するほうがいいでしょう。

妊娠後期の出血 原因と対処法

妊娠後期の出血は、ママと赤ちゃんの命にかかわるトラブルの兆候として起こることがあります。とくに「前置胎盤」と診断を受けている人は注意が必要。子宮腟部(しきゅうちつぶ)のびらんからの出血のように、あまり心配のいらない場合もあるのですが、ママ本人はどこから出血しているのかわからないので、不安なときは産院に相談を。この時期に起こりやすい出血の特徴や、妊娠や出産への影響など、念ために知っておきましょう。

妊娠後期の高リスクな出血は…

●おなかの張りや痛みを伴う出血は切迫早産かも
下腹部の張りや痛みを伴う出血が見られたら、おそらく切迫早産でしょう。おなかが張りやすい人は注意が必要です。ただ、張りや痛みの感じ方には個人差もあり、「おなかが張っているかどうか、わからない」という人もいて、自覚がないまま出血し、切迫早産と診断を受けるケースもあります。出血量には個人差がありますが、どちらかといえば少なめな場合が多いようです。子宮頸管(しきゅうけいかん)が短くなっていたり、子宮口が開き始めている場合は、早産の兆候があると診断されます。

<対処法>
細菌感染や前置胎盤など、切迫早産の原因はさまざま。おなかの張り具合や出血量など、症状の程度によって、張り止めの薬が処方され、安静生活が治療の基本となります。医師から自宅安静、または入院安静を指示されるでしょう。

●前置胎盤は32週以降、大出血することが
通常、胎盤は子宮の上のほうの子宮底部にできるのですが、何らかの理由で子宮口付近につくられてしまうことがあります。胎盤が子宮口の一部、または全部をふさいでいる状態を「前置胎盤」、子宮口の近くにある状態を「低置胎盤(ていちたいばん)」といい、妊娠28週ごろに診断されます。
前置胎盤・低置胎盤は一般的には無症状ですが、おなかが張りやすくなる32週以降に突然出血を起こすことがあるのです。これは「警告出血」と呼ばれ、胎盤と密着した部分の血管が傷ついたのが原因で起こる出血です。子宮収縮が続くと子宮壁(しきゅうへき)と胎盤がずれて大出血を起こす可能性もあるため、前置胎盤と診断されている人は注意が必要。もしも出血が見られたら、すぐにかかりつけ医に連絡し、受診しましょう。

<対処法>
一度できた胎盤の位置を直すことはできません。生理的な子宮収縮が起きるだけでも胎盤と子宮壁にずれが生じて、大出血が起こる可能性があるため、おなかが張りやすい人は日常生活で安静を心がける必要があります。胎盤の位置や、おなかの張り具合によっては、医師から入院安静を指示されるケースも。

●母と子の命にかかわる常位胎盤早期剥離は32週がピーク
通常、胎盤がはがれるのは赤ちゃんが生まれたあとですが、その前にはがれてしまうのを「常位胎盤早期剥離」といいます。詳しい原因は解明されていませんが、妊娠高血圧症候群が原因の一つと考えられ、羊水量が急増する32~34週に起こりやすいとされています。発症率は全妊娠の1%ですが、そのうちの70%が早産による低体重児として生まれています。
症状は切迫早産と似ていますが、突然、激しい痛みに襲われ、おなかがカチカチにかたくなったり、持続的なおなかや腰の痛みが起こるのが特徴です。外に出てくる出血は少量の場合が多いのですが、胎盤がはがれてしまうため、ママの子宮内では大出血が起こり、赤ちゃんには酸素が届かなくなってしまいます。短時間で進行し、母子ともに危険な状態に陥るため、「もしや」と思ったら、直ちに産院に相談を。

<対処法>
胎盤がはがれ始めたら、もはや止める方法はありません。妊娠週数にかかわらず、緊急帝王切開でお産することになります。これといった予防法はないのですが、高血圧と喫煙がリスク因子とされているので、ママや家族が喫煙している場合は直ちに禁煙を。そして、食生活で減塩を心がけることが大切です。

妊娠後期の低~中リスクの出血は…

●子宮腟部びらん
子宮腟部(子宮の入り口)の粘膜がホルモンの影響で充血した状態になること。赤ちゃんが大きくなることで圧迫され、うっ血を起こして、にじむような出血が起きることがあります。出血の量は下着につく程度の少量です。びらんがあると、内診やセックスなどのわずかな刺激で出血することも。

<対処法>
びらんは生理的な現象。妊娠経過や赤ちゃんに影響することはないので、とくに治療は行いません。

●子宮頸管ポリーブ
胎盤組織がポリープ状に子宮口の外に飛び出したもの。びらんと同様に少量の出血が見られます。ポリープの大きさや位置にもよりますが、ポリープから頻繁に出血する場合は細菌感染を招いて、早産につながる心配があります。

<対処法>
医師の方針によって、経過観察にとどめる場合と、臨月を迎える前に切除する場合があります。

●内診やセックス後の出血
内診で医師が腟内に指や器具を入れたり、セックスの挿入時の刺激により、少量の出血が見られることがあります。子宮腟部のびらんや、子宮頸管ポリープがあると、出血しやすい傾向に。

<対処法>
出血が少量で、すぐに治まるようであれば問題はありません。内診時に緊張すると、接触や摩擦により出血しやすくなるので、深呼吸してリラックスを心がけて。また、セックスするときは細菌感染を予防するために、コンドームをつけるようにしましょう。

●おしるし
予定日間近に強めの子宮収縮が起こることで、赤ちゃんを包む卵膜(らんまく)と、子宮壁の間にずれが生じて出血が起こります。出血の色や状態は、少量の鮮血、ピンク色のおりもの、茶色いおりものなど、さまざまです。

<対処法>
おしるしがあったら、数日後から1週間以内にはお産になるので、心の準備をしましょう。ただし、出血量が多い、強い痛みを伴う、胎動が感じられないなどの場合は、おしるしではなくトラブルの可能性もあるため、直ちに産院に連絡を。

出血の程度に応じた医師の診断ポイントは?

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まずは内診と超音波検査を行い、子宮頸管が短くなっていたり、子宮口が開き始めている状態で出血が見られた場合は、医師から自宅安静、または入院安静を指示されるでしょう。臨月前に子宮口が開き始めてしまうと、お産が早まって早産になってしまうことがあるからです。赤ちゃんを予定日間近までママのおなかの中で育ててあげるためにも、安静生活がいちばんの治療となります。とくに妊娠32週は羊水量が急激に増えて、おなかが張りやすくなる時期。この時期に子宮頸管が短くなると、早産を招きやすいため、出血を伴うおなかの張りには注意が必要です。

トラブルと診断されたら、その後どうなるの?

切迫早産、前置胎盤・低置胎盤の場合は、早産を予防して、ママのおなかの中で赤ちゃんを育てるために、医師から安静生活を送るよう指導されます。出血が見られても赤ちゃんが元気であれば、赤ちゃんの発育に影響することはありません。自宅安静か、入院安静かは、症状の程度によって異なります。
一方、常位胎盤早期剥離は突然発症し、胎盤がはがれ始めたら、止めることができません。ママと赤ちゃんの命を守るために帝王切開でお産することになります。発症しやすいとされる時期は、羊水が急増する妊娠32~34週以降。万一のトラブルを早期発見できるよう、32週以降は赤ちゃんの胎動を10回数える10カウントを日課にしましょう。

妊娠後期の出血Q&A

妊娠後期の出血は、色や量とともに、おなかの張りや痛みがあるかどうかがチェックポイント。妊娠後期の出血を経験したママたちから寄せられた不安や疑問に、松峯先生が答えてくれました。

おなかの張りがないのに、生理2日目のような大量出血が…(29週)

大量に出血するときにおなかの張りがないのは、本来はあり得ないのですが、張りを感じにくいのかもしれません。自分では「おなかの張りがない」と自覚がなくても、NST(ノンストレステスト)でチェックすると張っているケースが結構あるのです。出血量が多いときは、直ちに産院に連絡して受診してください。

胎盤が下のほうにあるといわれていましたが、突然大量出血が起こってびっくり。(28週)

「胎盤の位置が下のほうにある」と医師から伝えられ、なんの前触れもなく、いきなり大量出血が見られたのであれば、前置胎盤または低置胎盤ではないでしょうか。これは「警告出血」と呼ばれる出血です。おなかの張りを繰り返すことで、再度出血しやすくなるため、家族にサポートしてもらうなどして、日常生活で無理をしないことです。医師の指導を守って、できるだけ安静に過ごしましょう。

生理1日目のような赤い少量出血がありました(33週)

おなかの張りや痛みがないまま、少量の赤い出血が見られたのなら、子宮腟部のびらんが原因かもしれません。大きな子宮を支えてうっ血を起こした子宮口から、血がにじむことがあるからです。「1時間ほど安静にしたら出血が止まった」という場合は心配いりませんが、安静にしても少量出血が続く場合は産院に連絡を。

便秘でいきんだあと、生理の終わりごろのような出血が。早産の兆候?(33週)

これも子宮腟部のびらんが原因だと思います。あるいは、肛門(こうもん)の粘膜が切れる切れ痔(じ)になって、「トイレットペーパーでおしりをふくときに血がついた」という可能性があります。大きな子宮を支えてるため、妊娠後期は肛門もうっ血しやすく、痔になりやすいのです。びらんや切れ痔からの出血であれば、どちらも早産につながる心配はありません。ただし、自分では出血の出元がわからないため、念のため産院に連絡を。

家事をしていたら、おなかがズキズキ痛み、おりものに混じった出血が(32週)

「ズキズキ痛む」というレベルだとしたら、おそらく切迫早産の兆候ですね。まずは1時間ほど安静にして、出血が治まるかどうか様子を見ましょう。そして、出血が続くようであれば産院に連絡を
一方、「出血量は少ないけれど、立っていることもできないような激しい痛みに襲われた」という場合は、常位胎盤早期剥離の恐れがあります。分娩前に胎盤がはがれてしまう常位胎盤早期剥離は、ママと赤ちゃんの命にかかわるトラブルなので、直ちに産院に連絡して受診しましょう。

レバーのようなかたまりも出て、生理ナプキンからしみ出るような出血が(34週)

おなかの張りとともに大量の出血が見られたときは、前置胎盤または低置胎盤の可能性があります。産院に連絡して、「レバーのようなかたまりが出た」と出血の状態を伝え、受診しましょう。おなかの張り具合や子宮口の状態によっては、入院安静を指示される可能性が高いでしょう。

内診のあと、出血しました。早産につながる心配はない?(35週)

妊娠中は子宮頸部や腟内の粘膜が充血しているため、内診が刺激となって出血することがあります。あわてて再度受診するよりも、まずは安静にして様子を見てください。出血が止まれば問題はありません。ただし、出血が止まらない場合は産院に連絡を。

予定日の3週間前にピンク色のおりものが。これって、お産の始まり?(37週)

臨月に入っているので、ほかに異常な症状もなく、前置胎盤などのトラブルがなければ、たぶんおしるしが来たのだと思います。まずは横になるか、いすに座るなどして、胎動をチェックしてみてください。胎動があればおしるしなので、「そろそろ近い」と考えて、お産の始まりを待ちましょう。

関連:妊娠中に出血!母子健康手帳にメモする5つのこと&産院に行くべき症状は?

妊娠後期は羊水量が急激に増加して、おなかが張りやすい時期。おなかの張りを伴う出血は、量が多い・少ないにかかわらず、高リスクなトラブルのサインとなることが少なくありません。大量に出血した場合や、激しい痛みや張りを伴う場合は、直ちに産院に連絡して受診するべきですが、それ以外の場合は、まずは30分から1時間ほど安静にして、出血が止まるかどうか様子を見てみましょう。そして、産院に連絡する際、出血の状態について詳しく伝えたうえで、すぐに受診するほうがいいかどうか、指示を仰ぎましょう。
(文/大石久恵、たまごクラブ編集部)

■監修/松峯寿美先生(東峯婦人クリニック院長)

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