出産時の会陰切開は約8割。陣痛の次に恐怖を感る妊婦多し! 会陰切開の正しい知識と不安の乗り越え方
たまごクラブが調査した結果、経膣分娩した人のうち、約8割※が会陰切開していました。必要のない切開はないと考えて、妊娠中から知識をつけ、少しでも不安を取り除いたほうが賢明かも! どんな方法が有効か、芥川バースクリニック・院長の芥川先生と助産師の鳥越さんに聞きました。
※たまひよインターネット調査(第1子が0カ月~1才11カ月の方対象、n=412/2017年7月実施)
切開時は麻酔をするので ほとんど痛みを感じない人が多いです
会陰切開は、お産中に会陰の伸びがたりないため赤ちゃんが出られず、①ママや赤ちゃんの体への負担が大きくなる、②会陰が深く裂けて傷が大きくなる、これらを防ぐための処置です。切開時は麻酔をして、陣痛が来たタイミングで切るので、切ったことがわからない人もいるほど。必要以上に不安を感じることはありません。
ただ、妊娠中に会陰マッサージやオイルパックなどで保湿をすると会陰が伸びやすくなり、切る必要がなくなったり、少しの切開で済むことも。たまにケアするのではなく、週2~3回を目安に継続的なケアをしたほうが保湿効果はアップします。
先輩ママに聞きました 会陰切開は痛かった?
実際に会陰切開を体験したママはどんな感想をもったのか、紹介します。
●会陰にオイルパックをしていたママ
妊娠36週からオイルパックを開始。結局、お産では切開することになりましたが、大きく切ったり、変な方向に裂けなかったのでよかったです。麻酔のおかげ&陣痛に気をとられていたので切る痛みはまったく感じませんでしたよ。
●妊娠中にとくに何もしなかったママ
パックやマッサージなどはせず、お産に突入。会陰切開のときは陣痛が痛すぎてまったく気づかず。立ち会った夫は切る音が聞こえたそうで、震え上がっていましたが(笑)。ただ、切開よりも縫合のほうが痛く、退院まで違和感がありました。
不安を少しでも解消したい! そんな妊婦さんは会陰マッサージやパックをしてみて
まずはオイルを用意。ホホバオイルやカレンデュラオイル、スウィートアーモンドオイルがおすすめ。ただし、ナッツアレルギーのある人は、アーモンドオイルは×。
たっぷりのオイルを含ませることがポイント
1
おふろ上がりなど、肌が清潔な状態のときに行います。コットンを数枚重ね、オイルをたっぷりしみこませます。コットンを軽くしぼります。
2
コットン1枚を中指に挟み、顔に化粧水をするような感覚でオイルを肌にしみこませながら、会陰をUの字を書くように、またはくるくると円を描くようにオイルを塗っていきます。頻度は、週2~3回ぐらいの無理のない範囲で行ってください。
※おなかの張りや切迫早産(せっぱくそうざん)の兆候がある人はやめましょう。また、おなかの張りを感じたらすぐに中止してください。
マッサージせずにパックするだけでもOK
おふろ上がりの清潔な状態で、コットンを生理用ナプキンなどにのせて会陰に当てます。長時間つけることは衛生的に良くないので、次にトイレに行ったらはずします。
※出血や細菌性膣炎(クラミジアやカンジダ)等の症状がある人はやめましょう。
会陰切開の痛みはほとんどないと聞いても、なんとなく恐怖を感じてしまう人は多いもの。そんなときはマッサージやパックなどをしてみるなど、実際に行動してみると、不安が解消できるかもしれません。(文・たまごクラブ
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■監修・医療法人社団 寿修会 芥川バースクリニック