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【専門家監修】申請書見本つき! 出産育児一時金は、出産したママみんながもらえるお金 対象と手続き先や申請方法を紹介

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病院で彼女の生まれたばかりの赤ちゃんを持つお母さん
●写真はイメージです
kieferpix/gettyimages

出産育児一時金は、専業主婦・働くママ・退職するママ、だれもがもらえるお金です。基本は子ども1人につき50万円。ママの健康保険によって申請先は異なりますが、健康保険から産院へ直接支払われる「直接支払制度」を利用する場合は、産院でもらう書類にサインするだけでOKです。制度の詳しい内容について、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生、社会保険労務士の守屋三枝先生に聞きました。

「子ども1人につ50万円」が基本

健康保険に加入している人(本人および扶養家族)なら、健康保険の種類に関係なく「出産1人につき50万円」の出産育児一時金が支給されます。双子など多胎の場合は、「50万円×人数分」が給付されます。申請には、医師や助産師による出産時の記録の他、双子の場合は「多胎」の証明が必要なので、産院で記入してもらいましょう。

50万円+αのお金がもらえる場合も

勤務先の健康保険組合や自治体(国民健康保険の場合)によっては、付加給付金が出る場合もあります。ケースとしては多くありませんが、勤務先や役所に確認してみましょう。

健康保険に加入している、妊娠4ヶ月以上が条件

出産育児一時金は、健康保険に加入している、または、その被扶養者になっていて、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産したママなら、だれでももらえます。ママ自身が会社員や公務員なら、加入している健康保険や共済組合から、自営業・自由業なら国民健康保険から支給されます。また、専業主婦・パート・アルバイトなどでパパの被扶養者の場合は、パパが加入している健康保険からもらえます。

妊娠・出産で退職するママの場合

妊娠・出産が理由で退職するママは、一般的にはパパの健康保険に「被扶養者」として加入しますが、パパとは別に国民健康保険に加入することもできます。また、在職中に健康保険に加入していた期間が継続して1年以上あり、辞めて6ヶ月以内の出産なら、退職前の健康保険から出産育児一時金を受け取ることもできます。パパの健康保険か退職前の健康保険か、どちらか選べる場合は、付加給付の有無や内容を調べてから決めるといいでしょう。

出産育児一時金 申請先と手続きの方法

出産育児一時金は加入している健康保険から給付されます。受け取り方法は、「直接支払制度」「受取代理制度」「産後申請方式」の3パターンがあり、申請・問い合わせ先は受け取り方法によって異なります。ただし、現在は「直接支払制度」が基本になっているので、大多数のママが、産院とのやり取りだけで済む「直接支払制度」を利用しています。

給付を受ける健康保険をチェックしよう

健康保険から産院へ直接支払われる「直接支払制度」を利用する場合は、申請先が産院になりますが、その他の場合は、自分が加入している健康保険になります。給付を受ける健康保険をチェックしておきましょう。なお、ママが退職してパパの健康保険の扶養に入り、パパの健康保険から受け取る場合は、パパの健康保険に申請する必要があります。

ママが加入している(する)健康保険が…
【ママが会社員・公務員の場合】
勤務先の健康保険

【ママが退職する場合】
退職前の健康保険(※)・パパの健康保険(被扶養者)・退職後に加入する国民健康保険のいずれか

【ママが専業主婦・パート・自営の場合】
パパの健康保険・国民健康保険のいずれか

※健康保険に継続して1年以上加入していたママが退職して6ヶ月以内に出産した場合。

基本は「直接支払制度」です

(1)被保険者の氏名は、ママが自分の健康保険に申請する場合はママの名前を、パパの健康保険に申請する場合はパパが署名します。

産院が、ママに代わって健康保険に出産育児一時金の申請を行い、直接産院にお金が支払われる制度です。

【手続きの流れ】
●分娩予約~退院までの間に
産院に「直接支払制度」を利用することを告げ、産院から提示される書類に必要事項を記入・捺印する。

●入院時
支給対象となる健康保険証を産院に提示する。

●退院時・出産後
分娩・入院費が50万円(産科医療補償制度に加入していない産院の場合は48万8000円)を超えた場合は、超過分を産院の窓口で支払う。入院・分娩費が50万円未満だった場合は、後日、健康保険に申請して差額を請求する。差額は約1ヶ月~2ヶ月半後に指定口座に振り込まれる。

一部の産院は「受取代理制度」

産院が直接支払制度を導入していない場合、ママが健康保険に申請して、産院に直接お金が支払われる制度です。

【手続きの流れ】
●分娩予約~退院までの間に
加入している健康保険で申請書をもらう。出産予定日2ヶ月以内になるころ、書類に必要事項を記入・捺印し、加入先の健康保険に提出する。

●入院時
支給対象となる健康保険証を産院に提示する。

●退院時・出産後
分娩・入院費が50万円(産科医療補償制度に加入していない産院の場合は48万8000円)を超えた場合は、超過分を産院の窓口で支払う。入院・分娩費が50万円未満だった場合は、後日、健康保険に申請して差額を請求する。差額は約1ヶ月~2ヶ月半後に指定口座に振り込まれる。

産後に申請する「産後申請方式」も

いったん自分で入院・分娩費を支払ったあと、健康保険に申請してお金をもらう方法です。

【手続きの流れ】
●分娩予約~退院までの間に
健康保険で健康保険出産育児一時金支給申請書をもらっておく。また、産院で提示される直接支払制度に関する文書の「利用しない」欄にチェックして、産院に提出する。

●入院中
産院で健康保険出産育児一時金支給申請書に記入してもらう。

●退院時
産院の窓口で、分娩・入院費の全額を支払う。

●出産後
必要事項を記入した産後申請用紙に、入院・分娩費の領収・明細書の写しを添えて、加入している健康保険に提出。申請してから2週間~2ヶ月ほどで、指定の口座にお金が振り込まれる。

出産育児一時金Q&A

Q. 緊急その他で産院が変わったら、どうなるの?

A. 転院先で新たに申請する必要があります
出産予定だった産院と直接支払いに関する文書を取り交わしたあとに、転院または緊急搬送などによって出産する産院が変更になった場合は、転院先で新たに文書を取り交わす必要があります。以前の産院と交わした文書は無効となりますが、取下書の提出が必要になるケースもあります。

Q. 流産や死産の場合はどうなるの?

A. 条件を満たしていれば、もらえます
給付金がもらえる条件は、「妊娠4ヶ月(85日)以上」であること。そして健康保険に加入していることです。請求書に医師の証明をもらい、該当する健康保険に申請しましょう。

Q. もらい忘れたあとから申請できるの?

A. 出産翌日から2年以内なら大丈夫
出産翌日から2年以内なら大丈夫ですが、2年を1日にでも過ぎると申請できません。妊娠4ヶ月(85日)以上の流産や死産だった場合も、やはり2年以内ならもらえます。

Q. 夫の籍に入らず、実父の扶養になっているけど、もらえる?

A. 父親の健康保険に入っていれば、もらえます
ママの実父が会社員や公務員などで健康保険に加入していれば、被扶養者のママも支給の対象となります。実父が国民健康保険の場合、ママ自身も国民健康保険の被保険者になっているはずなので、やはり支給対象となります。申請は世帯主(この場合は実父)の名前で行います。

Q. ママの健保からもらったら、子どもはママの健保の被扶養者になるの?

A. 必ずそうなるとは限りません
ママが自分の健康保険から支給を受けた場合でも、必ず赤ちゃんがママの健康保険の被扶養者になるとは限りません。夫婦が別々の健康保険に加入している場合は、原則、収入が多いほうの被扶養者になります。それぞれの健康保険や共済組合等に確認しましょう。

Q. パパ(ママ)が外国人の場合でももらえるの?

A. 会社員なら国籍を問わず、国保でも条件を満たせば、もらえます
会社員なら国籍を問わず強制的に健康保険に加入するので、健康保険に関連する給付金はもらえます。国民健康保険の場合は、在留している期間が1年以上か、1年未満でも市区町村が認めれば、支給されます。ママが外国人のケースでは、パパの籍に入っていて被扶養者になっていればOKです。

出産育児一時金は、まとまった金額になる入院・分娩費を助成してもらえるうれしい制度。申請書の提出など、お産入院までにしておきたい手続きがあるので、余裕をもって準備しましょう。
なお、この記事の内容は2022年10月現在の情報に基づいて記載しています。ご自分が当てはまるかどうかについては、必ずパパかママの勤務先の担当者もしくは居住地の役所などの担当窓口にお問い合わせください。

(文/たまひよONLINE編集部)

●記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

監修/畠中雅子先生

監修/守屋三枝先生

初回公開日 2019/08/09

●制度改正により、出産育児一時金の金額を修正しました(2023年4月)

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