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【専門家監修】出産育児一時金 妊娠・出産 お金の話

chrisbrignell/gettyimages

 出産育児一時金とは、加入している健康保険が子ども1人につき42万円をサポートしてくれる制度のこと。健康保険に加入している人(本人及び扶養家族)なら働き方や立場に関係なく、もらうことができます。加入している健康保険の種類に関わらず、金額は「出産1人につき42万円」が基本。産院や分娩時の入院日数などで異なりますが、平均的な出産費用の多くをカバーできる金額で、多胎の場合はその人数分が給付され、双子なら84万円になります。
 また、出産育児一時金の42万円には「産科医療補償制度」の掛け金3万円が含まれています。これは出産時の医療事故で赤ちゃんが脳性まひになった場合、合計で3000万円の保険金(一時金600万円+分割金2400万円)が支払われる制度です。受取方法は「直接支払制度」「受取代理制度」「産後申請方式」と3つありますが、現在約9割が「直接支払制度」となっています。

出産育児一時金☆ココがポイント☆

もらえる人

健康保険の加入者で妊娠4カ月(85日)以上で出産したママ。専業主婦でもパパの健康保険の扶養者ならOK。

もらえる金額

子ども1人につき基本42万円。双子の場合は84万円。

申請する時期

直接支払制度の産院では、出産予定日の前に産院と直接支払制度に関する「意思確認の書類」を取りかわす。受取代理制度の産院では、出産予定日の前の2カ月以内に受取代理申請書を健保に提出。上記のどちらも利用しない産後申請の場合は、出産後すぐ。

受け取り時期

直接支払制度の場合は退院するとき。分娩入院費が42万円以上だった場合は自己負担し、42万円未満の場合は健康保険へ申請するとお金が戻る。

申請・問い合わせ先

直接支払制度の人は産院。受取代理制度、産後申請方式の人は、自分が加入している健康保険の窓口、国保の場合は役所の担当窓口へ。

健保から産院に直接支払われる方式が原則に

妊娠・出産は病気ではないため、基本的に健康保険がききません。とはいえ、分娩入院費はかなりの高額となります。それを援助する目的で、加入している健康保険から出産育児一時金が支払われます。支給額は子ども1人につき42万円で、健康保険組合などで付加給付が加算されていることもあります。現在は利用者の便宜を考慮し、産院側に直接支給する「直接支払制度」が一般的。小規模の医療機関の場合は「受取代理制度」の場合も一部あります。その場合、ママは42万円を超えた金額だけ産院に支払えばよく、42万円よりも費用が少なければ、差額は後から受け取れます。まずは、出産予定の産院ではどちらの制度か確認してみましょう。

直接支払制度でも産後申請方式でも基本的に42万円

直接支払制度でも、産後申請方式でも、給付金額は同じ1人当たり42万円。双子の場合は84万円で子どもの人数分もらえます。全国的には分娩入院費用の平均額は約50万6000円※。地域や産院によって分娩入院費用に大きな差が。カバーできるかどうかは事前に確認を。

※参考:国民健康保険中央会「正常分娩分の平均的な出産費用について(平成28年度)1妊婦合計負担額の平均値、中央値(病院、診療所、助産所の合計)、妊婦合計負担額の平均値」。出産育児一次金を差し引く前の平均額。

退職ママは健康保険の変更手続きを

出産育児一時金は、健康保険または国民健康保険から支払われます。ママが退職しても、被扶養者としてパパの健康保険に加入したり、本人が国民健康保険に加入、またはママの退職前の健康保険を任意継続すれば受け取れます。健診時や治療を受けるときに必要になるので、退職するママはすみやかに健康保険の変更手続きを。

退職後6カ月以内の場合、退職前の健保に申請も可

ママが勤め先の健康保険に1年以上加入していて、退職後6カ月以内に出産する場合は、ママの退職前の健康保険に申請することも可能です。パパの勤め先の健康保険とどちらに申請するかは、健康保険(組合、共済)による付加給付の有無で決めるといいでしょう。退職前の健康保険を選んだ場合は、「出産育児一時金不支給証明書」などの書類を提出するように指示されることがあります。これは、パパの勤め先の健康保険からとママの退職前の健康保険からの二重申請を防ぐためのもの。書類については指示を受けたときに確認を。

Q.帝王切開、流産の場合は?

A.受け取ることができます。
帝王切開分娩やその他の異常分娩で健康保険が適用された場合でも、出産育児一時金は受け取れます。流産・死産の場合、妊娠4カ月(85日)以降が対象となり、受け取れます。この場合、医師の証明をもらい、加入している健康保険に申請します。流産・死産から2年以内なら請求することができます。

出産育児一時金☆Keyword☆

産科医療補償制度

2009年にスタートした新制度で、出産時の事故を直接の原因(先天性でない)として、重度の脳性まひになった子どもに補償するための制度。医師の過失の有無にかかわらず、3000万円の保険金(600万円の一時金と2400万円の分割金)が受け取れます。この制度を適用してもらうためには保険料が必要ですが、現在の出産育児一時金の中には、この額が含まれています。

直接支払制度・受取代理制度

かつては出産時にいったん窓口で支払うためにあらかじめまとまった現金を用意しなければなりませんでしたが、その経済的負担を軽減するために、直接支払制度が2009年10月よりスタートしました。しかし、小規模産院など直接支払制度を導入できない医療機関も多くあったため、これらの産院等のため2011年4月より受取代理制度をスタートさせました。これは直接支払制度と同様に出産育児一時金が直接産院に支払われる制度ですが、被保険者の事前の手続きに少し違いがあります。現在はほとんどが直接支払制度となっています。

産後申請方式

従来の受け取り方法。出産後に分娩入院費をママがいったん支払った後、自分の加入する健康保険に申請して、後日お金を振り込んでもらうもの。申請に必要な用紙を産前に入手し、お産入院中に産院にも記入してもらい、産後に自分で提出という手順が必要で、退院時には高額な分娩入院費を立て替える必要があります。

監修/畠中雅子先生

監修/守屋三枝先生

初回公開日 2017/08/01

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