出産の「いきみ」って結局なに?分娩台での上手ないきみ方
陣痛が強くなってくると、体の中から赤ちゃんを押し出そうとする力がわいてきます。これがいきみ感。「いきむ」といえば、排便をイメージする人も多いでしょう。排便のときと似ていますが、違うのは産道の形を頭に入れて、その方向に力をかけること、そして、陣痛の波に合わせて力を加えることです。今回は、産婦人科医の小川隆吉先生に分娩台での上手ないきみ方について、教えてもらいました。
いきみって?
陣痛の波に合わせて腹圧をかけること。力をやみくもに使うのではなく、陣痛の波に合わせて、赤ちゃんが産道を下りてくるのをあと押ししてあげます。
いついきむ
分娩台に上がり、いきむことで赤ちゃんや子宮口に負担がかからない時期になったら、スタッフから許可が出ます。そこからいきみを開始。
どういきむ?
スタッフのリードに従っていきみます。以下の7つのコツを心がけて、腹圧をかけましょう。波がきている間に赤ちゃんをあと押しします。
目を開け、口は閉じる
目を閉じていると、痛みばかりを意識してしまい、パニックになりやすくなります。必ず目は開け口を閉じましょう。目線はおへそにするといい体勢でいきめます。
分娩台にしっかりおしりをつける
分娩台におしりをしっかりつけることで、赤ちゃんが出やすい産道の形がキープされます。
陣痛の合間に深呼吸
どんなに陣痛が強くなっても、陣痛の合間は必ずあります。陣痛の波が去ったら、深呼吸をして赤ちゃんにたっぷり酸素を送り届けてあげましょう。
かかとで踏ん張る
産道は下におりたあと、最後に少し上にカーブしています。体を丸めると赤ちゃんがより出てきやすい形に。産道の形をイメージしていきみます。
体を丸めて赤ちゃんが出てきやすい産道の形にする
分娩台の足乗せ台に足の裏をぴったりと乗せ、いきむときはかかとで踏ん張ります。つま先に力を入れると足がつりやすくなるので注意。
グリップを強く握り手前に引く
産院によって分娩台のグリップの形はいろいろですが、強く握り、自分のほうに引き寄せるようにすると体が自然に丸まり、いきみやすくなります。
助産師さんのリードに従う
助産師さんが陣痛の波の様子を見て、必ずリードしてくれます。ですからママはあわてずに落ち着いて、リードに合わせていきめば大丈夫。ストップもかけてくれます。
子宮口が全開大になったらいよいよ、いきみ始めます! 先生や助産師さんのリードに合わせれば、心配することはありません。パニックにならないよう落ち着いて、先生や助産師さんの声を聞き、赤ちゃんが産道を通り抜けるイメージを持ちながらいきみましょう。
(文/たまごクラブ編集部)
監修/小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
参考文献:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)