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「もしも」のため 知っておきたい陣痛・出産時の医療処置 

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エレガントな美しい妊娠中の女性の肖像画
Svittlana/gettyimages

お産のときに受ける医療処置には、お産をスムーズにするための処置と、何らかのトラブルに応じて受ける処置があります。納得してお産に臨めるように、予習しておきましょう。産婦さんの負担をできるだけ少なくするために、陣痛中の処置は行わない産院も増えてきました。今回は、産婦人科医の小川隆吉先生に陣痛中に受けるかもしれない医療処置について、伺いました。

分娩時の医療処置、どんなときにする?

トラブルが予測されるときや、お産をスムーズに進めるために医療処置が行われます。お産の進行状況によって、だれにでも行われる可能性があります。

説明はある?

医療処置が行われる場合は、医師や助産師さんなどから説明があります。緊急の場合もありますが、わからないことはその場でしっかり聞いておきましょう。

陣痛中に受けるかもしれない処置

以下の処置を行うかどうかは、産院の方針によって異なります。事前にママの意向を確認し、お産の進行を見ながら検討されるものも。

【導尿】自分でトイレに行けない場合に

膀胱(ぼうこう)に尿がたまっていると産道を圧迫し、赤ちゃんが下がりにくくなります。陣痛がつらくて自分でトイレに行けないときは、尿道にカテーテルを挿入して尿を出します。

【浣腸(かんちょう)】お産の進行を促し、感染予防も

直腸に便がたまっていると産道を圧迫します。お産の進行を促すために便を取り除く目的と、分娩時に便が出て会陰の傷や赤ちゃんに細菌感染を起こさないために行われることも。

【点滴】万が一に備えて、血管を確保

緊急時に薬を点滴したり輸血したりするとき、処置が迅速に行えるように、あらかじめ点滴の針を刺しておきます。トラブルがないときはブドウ糖や生理食塩水などを点滴します。

【剃毛(ていもう)】会陰縫合に備えて行います

最近はあまり行われなくなりましたが、会陰切開や裂傷の傷をスムーズに縫合できるように、会陰部の毛を短くカットする処置です。

子宮口が開かないときの処置

陣痛が始まっても子宮口がなかなか開かないときに、医療器具や薬が使われることがあります。子宮口が開くとお産が進みやすくなります。

【子宮頸管熟化剤(しきゅうけいかんじゅくかざい)】薬でやわらかくして開かせます

子宮頸管熟化剤という薬を使って、子宮口をやわらかくします。産院の方針やお産の状況によって錠剤、注射、点滴の薬を使います。出産予定日が近くなっても子宮口がかたいとき、予定日が過ぎてもお産の兆候がないときなどにも使われることがあります。

【メトロイリーゼ】水風船のようなもので広げます

 ある程度子宮口がやわらかくなってから受ける処置です。風船のようなものをしぼんだ状態で子宮口に挿入し、滅菌水を入れてふくらませることで、子宮口の内側から開かせていきます。メトロやバルーンとも呼ばれます。

【ラミナリア】吸水性のある器具で開かせます

 子宮口がかたくてまったく開かないときに使います。水を吸うと2〜3倍にふくらむ器具を子宮口に挿入し、徐々に子宮口を広げていくものです。材質やメーカーによってラミナリア、ラミセル、ダイラパンなどと名称が異なります。

陣痛が強くならないときの処置

陣痛が強くならないときや、弱くなってしまったとき、赤ちゃんの元気度やママの体力の消耗具合から進行を早めたいときの処置です。

【人工破膜】人工的に破水を起こす処置です

赤ちゃんを包んでいる卵膜を破って人工的に破水を起こす処置。通常は子宮口が全開大になったころに自然に起こりますが、お産の進行を早めたいときに行います。処置時の痛みは少ないですが、この後急速に陣痛が強まります。

【陣痛促進剤】陣痛を強める薬でお産をあと押し

有効な陣痛がなかなか起こらないときに、陣痛を強める薬を使うことも。妊娠中の体内から分泌されるホルモンと同じプロスタグランジンとオキシトシンからできており、分娩監視装置で母子の様子を観察しながら使われます。

陣痛促進剤を使うのはこんなとき

陣痛促進剤を使うのは、主に下記の6パターンです。
☑遷延分娩
初産で30時間以上、お産に時間がかかっているとき。
☑軟産道強靭
子宮頸管や腟、会陰などがかたくてお産が長引いたとき。
☑微弱陣痛
弱い陣痛が続き、お産がなかなか進まないとき。
☑過期妊娠
出産予定日を2週間過ぎても、お産が始まらないとき。
☑合併症がある
妊娠高血圧症候群や糖尿病などの合併症があり、お産が長引くと危険だと判断されたとき。
☑前期破水
破水後24時間過ぎても陣痛がなかなか始まらないとき。

分娩時の医療処置は、トラブルが予測されたり、お産がスムーズに進まなかったときに行われることがあります。また、処置の中には産院の方針で全員に必ず行うものもあるようです。医療処置を受ける場合は、スタッフから説明がありますが、痛みで説明が入ってこない…ということもあるので、どんな医療処置があるか予め予習しておきましょう。
(文/たまごクラブ編集部)

参考文献:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)

監修/小川隆吉先生

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