【専門家監修】2人目は里帰り出産しないを選択! その理由は? 何をどう準備する?
第1子は里帰り出産をしたけれど、上の子の生活環境を変えたくないなどの理由で、第2子は里帰り出産を選択しない家庭もあるようです。小さな子どもを抱えての出産はどのように乗り切ったのでしょうか。口コミサイト「ウィメンズパークに」寄せられたママたちの体験談をご紹介します。ファザーリングジャパン理事の塚越学さんにもお話を聞きました。
里帰りしなくても大丈夫!私の2人目出産体験談
あえて里帰り出産を選ばなかったママたちの体験談をご紹介します。どのように乗り切ったのでしょうか。
ネットスーパー、コンビニが重宝
「1人目の里帰り滞在がしんどくて(自分のペースがつかめず)、2人目は実家に帰りませんでした。コンビニ・ネットスーパー、レトルト・冷凍食品を駆使しました。床上げまではネットスーパーは本当に重宝しました。辛かったのは、寝不足ぐらいかなぁ。自分のペースを守れたので、気持ちはラクでした」
ひとりで乗り切ったことが育児の自信に
「当時の夫は、仕事人間で家事も全くしない人だったので大変でした。都心だったので徒歩5分圏内にスーパーや飲食店がたくさんあったので、家事の手を抜く手段には困ることはありませんでした。たまにスーパーなどで会う知らないおばさんに『こんな小さい赤ちゃんを連れ出して!』と心ない言葉をかけられたこともありましたが…。逆に、『偉いね、頑張っているのね』と声をかけられることもあり、励みになりました。メリットとしては、自力で全部やったので、育児に対する自信がつきます」
入院前に準備しておくといいことは?退院後の家事・育児どうする?
便利でスマホさえあれば、概ねなんでもできる時代。里帰りしなくても、出産前にこれさえ準備しておけばOK!という、ママたちのアドバイスをご紹介します。
送迎のタクシーの手配
「出産は、計画通りにいくか分からないので不安はあります。とりあえず陣痛(妊娠)タクシーやファミサポなど頼れる所は登録しておいた方がいいと思います。あと上の子の園の送り迎えしてくれるタクシーサービスがあるので調べてみてください!近所の仲良しな方やママ友など頼れるならば、一応お願いしておく安心です」
マスキングテープで収納場所がわかるように準備
「1人目が年中の時に2人目を出産。それまでに夫にいろいろとできるようになってもらうように教えました。幼稚園グッズや子どもの着替えなど家中にラベリングしたマステを貼ってどこに何があるか分かるように準備。産後、母が手伝いに来た時もそれを見て物をだしたりしてもらえたので便利でした。園への持ち物も一覧をつくっておいて、子どもにも自分で準備と帰宅後の片付けはやってもらうようにしました」
産後サポートを依頼
「お金は多少かかりますが、行政の産後ヘルパーさんや、民間の家事代行サービスのベビープランなどあります。特に産褥ヘルパーさんは産後ケア専門の方々らしいので子育てのアドバイス補助も含めてケアしてくださいます。日本だとまだまだ家事代行サービスって『サボり、お金の無駄遣い』みたいな感じですが、最初の1カ月くらいはこういうプロのケアを受けてもいいと思います」
上の子のために万が一に備えて病児保育に登録
「産後は、退院翌日から、産後ヘルパーと宅食を手配しておいたので、実家・義実家の手伝いなしでやっていけました。万が一に備えて、病児保育や病児も利用できるベビーシッターも2社、登録しておきましたが、使わなくてすみました。ネットがあればたいていのことは何でもできる、便利な世の中になりました」
入院中・退院後は、宅配弁当で乗り切りました
「私は1人目を里帰りしたことで蕁麻疹が出て、1日でも早く自分の家に帰りたいと泣くことに。このため、2人目は里帰りせずに自分のペースで生活できました。ちなみに1人目の時も退院後から洗濯や赤ちゃんの世話は全て1人でやっていて、1週間だけ親に食事をつくってもらっていました。2人目はお手伝いに来てもらうこともなく、産後はコープの宅配弁当を利用して乗り切りました!」
里帰り出産しない時こそ、夫婦で一緒に育児をスタートできるチャンス!
ファザーリングジャパン理事の塚越学さんに、里帰り出産しない場合のメリットと、夫を新生児育児に巻き込む方法について伺いました。
「妻が専業主婦か共働きかに関わらず、夫が育休を取るのが理想だと私は考えています。育児のスタートラインは夫婦で一緒に切ることが、子育て脳をつくるうえで夫婦ともに大事だと思っているからです。特に初妊産婦の不安やストレスなど産後リスクは出産後2週間をピークとして、ゆるやかに3カ月まで続くことが分かっており、ここを夫婦で乗り切ることが大切だというのも理由のひとつです。
里帰り出産をして妻が実家に頼ってしまうと、夫が『経験』によって、子育て脳をつくる機会を失ってしまうこともあります。妻だけ脳が変化し、子どもとの愛着が形成され、育児スキルが向上すると、夫がそのあと追いつくことが難しくなるようです。
特に1人目の子どもは、どんなに事前に勉強しても、実践はママも素人、パパも素人です。素人同士で試行錯誤しながら、一緒に子育てをし、一緒に成長していくには、里帰りをしないほうがその機会が増えるのではないでしょうか。
たとえ里帰り出産したとしても、妻の実家に行く時は泊まり込み育児研修だと思って夜の育児も含め、夫婦で嵐のような新生児育児を経験することも大切です。
長男の育児休の経験があったからこそ、新生児育児の大変さを実感
塚越さんの育休歴
長男 産後の2週間の有給休暇
9カ月の時に1カ月間の育児休業
次男 産前1カ月間の有給休暇
満1歳前の2週間育児休業(保活と妻の就業をサポート)
三男 8カ月間の育児休業(妻の雇用形態が変わり育休が取得できないため)
私自身の長男の時に、出産後2週間の有給休暇をとりました。介護で妻の実家に頼れない状況だったのと、私の仕事が閑散期だったというのが理由です。
けれども1人目の経験から、新生児育児は仕事の大変さと質が違うと体感し、妻ひとりでは無理だと実感することができました。この2週間の体験がなかったら、私はそのあと1度も育休を取っていなかったかもしれません。それだけ新生児育児の初体験は、私にとって衝撃でした。
夫の巻き込み方としては、まず『子育ては母親』という呪いを妻自身も振り払うことが大切だと思います。そして『子育ては2人でスタートしたい』『不安なので夫にいてほしい』『あなたが必要』ということを産前から繰り返し主張することです。
北欧や欧州では、妊婦健診は夫婦で受けなければならない回があり、担当の保健師や助産師は、夫に『妻の具合はどうですか?』など話しかけるようになっています。妊娠出産期はホルモンのバランス等で妊婦本人は心身不安定の可能性もあるため、妊娠出産の責任者は本人以外で日常を共にする夫であるからです。そのため夫は自ら進んで勉強をするようになるとか。特にフランスでは、男性は産む性ではないので、そもそも親の自覚が養われにくいという前提で妊娠出産期の仕組みが組まれているそうです。
日本の男性は意識が低いというのは簡単ですが、フランスのように、そもそも男性は自覚が養われにくいのだから、そこを環境や仕組みでサポートし、その自覚を妊娠期から養っていくほうが、合理的ではないかと思っています。」
妻は、夫の忙しさを忖度してしまうこともあるでしょう。夫婦で子育て、ママ・パパを楽しむこともとても大事です。まず、繰り返し夫に自分の希望を伝えることから始めてみてはいかがでしょう」(塚越学さん)
今は、外部のサポートや宅配サービスなどもいろいろあるので、里帰りしなくても乗り切れるという意見もありましたね。この機会を夫婦で子育てするチャンスにしてみるというのもいいのかもしれません。(文・酒井範子)
■文中のコメントは、「ウィメンズパーク」の投稿からの抜粋です。
初回公開日 2019/12/30
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