【専門家監修】ワーキング妊婦さん注目! 育休明けにしたいお金の手続き
今回のテーマは、「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」。
少し難しいですが、これは将来の年金受給額について、働くママが不利にならないための制度。つまり、会社員などで働いていて、厚生年金に加入しているママに関係する制度です。
お金のプロ・ファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生に聞いて、お得な情報を紹介します。
時短勤務などで給与が下がっても、年金額が不利にならない制度があります
妊娠中や産後すぐ行うお金の手続きの情報は、「たまひよ」をはじめ雑誌やネットなどでもよく目にしますが、これは、産後、仕事復帰してから行うもので、紹介される機会が少ない手続き。
まず、厚生年金の保険料は、毎年4月、5月、6月の3カ月分の給料(残業代などを含む)を平均※し、その金額を「標準報酬月額」という31段階の等級に当てはめて計算されています。この納めた金額によって、将来受け取る年金の受給額は変わってきます。
しかし、産後仕事に復帰するときは、時短勤務制度を利用する方も多いはず。時短勤務にすると、出産前より給与がダウンすることが多く、厚生年金に関係する標準報酬月額の等級もダウンします。
すると、将来受け取れる年金額も減ってしまうことに。
そこで、子どもが3才になるまでは、時短勤務中でも将来受け取る年金が減らないように、出産前と同じ等級とみなしてくれるのが、この「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」なのです。
将来受け取れる年金額は出産前の等級で計算してくれるのに、支払う厚生年金保険料は、時短勤務時の(下がった)等級の金額でOK。
年金額は高めに計算してくれるいっぽうで、支払う厚生年金保険料は少なくて済むという、ママにとっては有利な制度なんです。
※定時改定の場合
申請書はママが勤務先に提出。提出時期は会社に確認しましょう
この「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」の適用には、産後、仕事に復帰してから、「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申請書」を提出しなければなりません。
書類は、日本年金機構のWEBサイトからダウンロードできます。また、提出には、戸籍謄(抄)本や住民票などの書類も必要。
提出先は各地の年金事務所ですが、勤務先を通じて行うのが一般的です。提出時期や必要な書類は、できれば産休に入る前に勤務先に確認するのが安心。
なお、この制度で対象になる養育期間は、3才の誕生月の前月まで。2年はさかのぼって申請できますが、忘れないようにしましょう。
「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」のポイントをまとめると
1 「みなし措置」が関係するのは、厚生年金に加入している人
2 時短勤務中に等級がダウンしても、受給額は、休業前の厚生年金保険料を払ったとみなして計算してくれる
3 勤務先を通して申請書を提出。提出時期などは産休前に確認を
(文・たまごクラブ編集部)
■掲載の情報は2019年11月時点のものです。以後変更になる場合がありますのでご注意ください。
初回公開日 2020/01/24
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