【コロナで病院に行けない】流産・早産につながることも!気を付けたい妊娠中の出血
妊娠は、不安なことだらけ。本来でしたら主治医に相談したいことも、今の状況では難しいという人がいるかもしれません。そこで妊婦雑誌「たまごクラブ」は、本誌記事のなかから妊婦さんに役立つと思われる記事をお届けします。
心配のない出血もありますが、おなかの痛みとともに出血があるときなどは胎盤トラブルの予兆の可能性が。色や量をよく観察して、適切に行動しましょう。東京都・昭和大学江東豊洲病院 周産期センター長、教授の大槻克文先生に聞きました。
出血はトラブルの予兆かも。色と量に注意しましょう
少量であれば影響がないこともありますが、性器からの出血はトラブルの予兆の場合があります。量が多く、鮮血の場合は切迫流産(せっぱくりゅうざん)や切迫早産(せっぱくそうざん)、また「常位胎盤早期剝離(じょういたいばんそうきはくり)」の可能性も高く、一刻も早く対処が必要です。
少量でも、ピンクや赤褐色だったり、おなかの張りなどが伴う場合は、切迫流産・切迫早産の疑いがあります。
ただし、妊娠37週以降の少量の出血は「おしるし」といって、お産の予兆の場合が。いずれにせよ、出血したら自己判断せずに、必ず産院に連絡しましょう。
先輩ママ4 1 2 人にアンケート①
Q.妊娠中に出血して、受診したり、受診を迷ったことはある?
75%の人があると回答
4分の1の人が、出血で受診もしくは迷ったケースが。おりものに混ざって少量しか出ないときもあるので、見逃さないようにして。
先輩ママ4 1 2 人にアンケート②
Q.その症状が出たのはいつごろ?
妊娠初期に出血する人が多い?
妊娠初期が多い結果ですが、この時期の出血は赤ちゃんに影響がないものも。ただし自己判断は厳禁。出血したら、産院へ連絡を。
出血の主な原因
出血には「問題ないことが多いケース」「経過観察が必要なケース」「危険なケース」があります。それぞれの原因をチェックしてみましょう。
問題ないことが多いケース
●ポリープ・びらん
子宮頸管(しきゅうけいかん)にあるポリープや、腟内にあるびらん(粘膜のただれ)からの出血は、おなかの赤ちゃんに直接影響がないものがほとんどです。
経過観察が必要なケース
●絨毛膜下血種(じゅうもうまくかけっしゅ)
胎盤形成の過程で、受精卵を包む絨毛膜と子宮内膜の間にできる血のかたまり(血腫)。この血腫が出血として体外に出ることも。
●切迫流産
妊娠22週未満で流産の兆候はあるものの、子宮頸管や子宮口が閉じていれば妊娠を継続できる状態。出血量は多いことも少ないことも。
●切迫早産
妊娠22週以降37週未満で、子宮口が開いていたり、子宮頸管が短くなっている状態。出血のほか、おなかの張りや痛みを伴うことも。
危険なケース
●常位胎盤早期剝離
胎盤の一部、または全部がはがれてしまう状態で、母子共に危険です。出血とともに、強いおなかの張りや激しい痛みを伴うことが。
緊急度の見分け方
出血の量が多い、鮮血やピンク色の場合はとくに緊急度が高いケース。ためらわずに産院へ連絡を。そのほかの場合でも、一度、医師に相談しましょう。
監修/大槻克文先生 文・たまごクラブ編集部
出血があった場合は、産院に正確に伝えられるよう、出血の色と量を必ずチェックします。出たばかりの鮮血だった場合は緊急度が高くなります。
産院へ電話するときは、出血の状況を把握している本人が連絡を。すぐに受診するか、自宅安静をして様子を見るかは産院の指示に従いましょう。
■参考:『たまごクラブ2019年12月号』「冬ニンプにいち早く気づいてほしい赤ちゃんからの危険サイン5」
大槻克文先生
Profile
東京都・昭和大学江東豊洲病院
周産期センター長、教授
昭和大学医学部卒業。昭和大学病院病棟医長、昭和大学医学部産婦人科教室医局長などを経て、2014年から現職。救急搬送の妊婦さんも数多く受け入れています。