36歳の高齢出産。胎児とともに母性も育まれた日々
1歳8ヶ月の男の子を育児中のライター“mimi”です。妊娠が判明したのは入籍して13日目のこと。今でこそわんぱく盛りの息子の育児に奮闘する毎日ですが、子どもを授かったとわかったときは、まだまだやりたいことが多かった時期でもあり、「今後どうやって生きていけばよいのだろうか、自分に子育てができるのだろうか」と、ずいぶん悩みました。
そんな私をおかまいなしに、おなかの子は着実に成長していきます。出産までの日々は母親未満の曖昧な私の心を、母親へと育ててくれた大事な日々でもありました。
<妊娠初期(妊娠4~15週目)> はじまりは小さな小さな穴のようなもの
妊娠初期の経過を、エコー写真で振り返ります。
妊娠8週目 初めての産婦人科にて胎嚢を確認
妊娠検査薬で陽性が出た次の日、夫に付き添われ近所の産婦人科へ足を運びました。この頃は子どもを授かった喜びよりも、生命を宿してしまった不安と恐ろしさが勝っていました。
先生から「赤ちゃんが包まれる穴が確認できます。体は出産に向けて準備をはじめているのですね」と優しい言葉をいただきましたが、ぼんやりとした気持ちで聞くことしかできませんでした。
<妊娠中期(16~27週目)> 徐々に人間のかたちへと成長する我が子に感動
妊娠中期の経過を、エコー写真で振り返ります。
妊娠18週目 頭から足までの全身を確認
心臓が動いて鼓動しているのを確認でき、すくすくと大きくなるわが子。妊娠18週目ともなると、頭から足までしっかりと人間のかたちになっています。医師から、全身が写るのはあとわずかだと教えてもらいました。
不安と恐ろしさでいっぱいだった初めての妊娠も、エコーで見るわが子の成長がだんだんと愛おしく感じます。少しずつ、母親になる気持ちが芽生えてきたと実感しました。
妊娠22週目 股間にアレを確認。性別が判明
夫同伴で定期健診へ行きました。推定体重448gと順調に成長。
「性別はどちらがいいですか」と先生がにこやかな口調で話かけながら、エコーの機械を何度も動かしていました。すると…。「あ! 」と最初に気づいたのは夫。
「ついてますね」「ついているようです」。男同士で笑い合い、何も気づかない私を見てまた笑いました。写真は赤ちゃんを下から見た様子。男の子だったのです。
妊娠24週目 特撮ヒーローに似ている?
妊娠24週目の健診で、いつもはなかなか見せてくれない顔を確認することができました。
男の子だと判明してから、自分の好きな特撮ヒーローの歌をおなかに向かって何度も歌っていた夫。写真を見せると「歌を聴かせすぎたかな。大好きなヒーローに似ている気がする」とうれしそうに冗談を言っていました。
「胸にカラータイマーがついていたらどうしよう?」。そんな心配が私の頭をよぎりました。
<妊娠後期(妊娠28~40週目)> この子と共に家族になっていく。そう決意した瞬間
妊娠後期の経過を、エコー写真で振り返ります。
妊娠35週目 従兄弟と早く遊びたいのかな? よく動く息子
この日も顔を見ることができました。特撮ヒーローとは似ていないことがわかり、一安心。赤ちゃんはすくすくと育ち、推定体重は2300gに。
健診で息子と会った後、数日前に赤ちゃんが生まれたばかりの義姉を訪ねました。生まれたばかりの赤ちゃんを抱く姿を見て、「私たちももうすぐ家族になるんだ」と感慨深い気持ちになりました。息子も生まれる日が待ち遠しいのか、よく動いていました。
破水から病院へ。アクシデントを乗り越えてついに…!
妊娠39週と2日目の早朝、突然破水し病院へ。翌日の深夜3時に体重2924g、身長49.9cmの男の子が生まれました。
なかなか陣痛が始まらず、途中赤ちゃんの心拍数が180から40くらいまで落ち込むなどアクシデントもありましたが、予定通り自然分娩で出産。産声を聞いたときには本当に安堵しました。
数日前までエコーでしか会えなかった赤ちゃんが、自分の腕の中にいる感覚はとても不思議。しっかりとした重さや肌のぬくもりに「これからこの子と生きていくんだ」と実感しました。
[mimi*プロフィール]
1歳8ヶ月になる長男と、音楽家の夫の3人暮らし。出産を機に仕事を辞め、今は子育てに専念中です。季節感のある日々の生活を大切に、子どもと一緒にものづくりの分野で面白いことができないかと、模索しています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。