「わかる!」の声多数、妊娠・出産を描いた『君に会えたら何て言おう』作者ねむようこ氏インタビュー
妊娠・出産のことを描いたマンガ「君に会えたら何て言おう」が注目を集めています。作者のねむようこさんに、現在妊娠中のたまごクラブ編集長小山田がインタビューしました。
自分の実体験をもとに妊娠中のことをマンガにしました
小山田(以下小):私は妊娠中なので、マンガに出て来るシーンに「わかるー!」ってたくさん共感しました。ストーリーは、ねむさんの実体験がベースになっているんですか?
ねむさん(以下ね):実体験が多いですね。性別がわかる前後のシーンなんかは、夫に「そのままやん」って言われました(笑)。妊娠中に母が手術をしたことも、“健診が終わったら食べたいもの“のことばかり考えていたのもそうです。「食べることってこんなに楽しいんだ!」って、妊娠して初めて思いました。でも、食べすぎたらダメなのが理不尽…。
小:わかります! 今、まさにその状況なので、このマンガを読んでからごほうびに食べたいものを考えるようになりました(笑)。キリちゃんがキラキラした気持ちになりきれないのもリアル。夫との気持ちのギャップで悩むところもわかるなぁ。だんなさんとぶつかったら、どうやって乗り越えましたか?
ね:自分でも妊娠中の体のことがわからなくて不安なんだから、夫はわからなくて当然ですよね。自分の気持ちを言う努力と察する努力をお互いにしていった感じです。乗り越えるには衝突を繰り返すしかないのかなと思います。
出産するママはみんな偉い!ほめてほしいですよね
小:私が好きなのは出産シーン。感動して号泣しちゃいました。ねむさん自身は、無痛分娩の予定だったのが、自然分娩になってしまったんですよね?
ね:そうなんです! 夜間は麻酔科医がいない産院だったので、陣痛が始まった時間の都合で麻酔が使えず…。産院を決めるときに、もっと調べておけばよかった! 出産や産後のことも、あまり勉強していなくて後悔しました。たまごクラブも読んでいたんですけど、育児グッズのページが楽しくて、そればっかり見ていて(笑)。出産のときにわからないことだらけで、陣痛を耐えながら「今、何を待っている時間ですか⁉」ってなりましたもん。
小:あはは(笑)。予習しておくことは大事ですよね。安産でしたか?
ね:かかったのが4時間ぐらいで、安産だと言われました。でも、つらかったから自分では「どこが安産!?」って思いますね(笑)。
小:初産だと10時間以上かかる人が多いんですよ。
ね:えー! すごいなぁ。みんな偉い! この頑張りをほめてほしいですよね。
小:最後に、妊婦のみなさんにメッセージをお願いします。
ね:頑張ってー! でも、無理はしないでほしい!!
小:ねむさんは、妊娠中、無理をしてしまったんですか?
ね:いつものようにできると思っちゃって、仕事を頑張っていましたね。でも、妊娠30週ごろ自宅安静になったことがあり、反省しました。本当に無理は禁物! 今妊娠している方は、外出が不安だろうし大変なこともあると思いますが、健やかでいてほしいです。
文/たまごクラブ編集部
参考/「たまごクラブ」2020年8月号「カバーインタビュー」
『君に会えたらなんて言おう』は、子どもを持つか迷っていた主人公が妊娠し、出産するまでを描いたマンガ。妊娠中のみなさんに、おすすめの一冊です。
ねむようこ
Profile
マンガ家。2018年に出産し、その実体験もベースになった『君に会えたら何て言おう』が2020年3月に刊行。現在は、『こっち向いてよ向井くん』『神客万来!』を連載中。
たまごクラブにねむようこ氏イラストが!
2020年、たまごクラブ8月号はねむようこ氏描きおろしイラストが表紙!