妊婦健診の尿検査、タンパクが出るのは腎機能が低下が原因、水分の過剰なとりすぎにも注意 産科医・北島米夫
健診の尿検査で、タンパクが+という結果に。妊娠経過や、おなかの赤ちゃんに影響ありますか?
モヤモヤがスッキリ晴れる助言をくれる、と妊婦雑誌「たまごクラブ」編集部員からも絶大な信頼を寄せられる北島米夫先生が、ニンプさんのお悩みをズバッと解決! 悩めるニンプさんに愛あるアドバイスをお届けします
尿検査でタンパクが+に。何が原因?
健診で2回続けて、尿タンパクが+でした。担当の先生からは何も言われていませんが、どういう場合にタンパクが+になるのですか?
ちょっとおりものが多くなってきているので、そのせいでしょうか?
今後、気をつけたほうがいいことがあれば教えてください。(妊娠4カ月のニンプより)
尿タンパクが出るのは腎機能が低下しているから
妊娠すると、循環する血液量が増え、おなかの赤ちゃんの老廃物もママが排せつしなければならないため、腎臓への負担が大きくなります。尿から、普段出ないタンパクが出るのはそのためです。ご相談のニンプさんは、尿タンパクが+だったとのことですが、タンパクの濃度が濃くなると、++(2プラス)や+++(3プラス)というように数値が上がっていき、数値が上がるほど腎機能が低下していることを示します。
腎臓への負担を減らすには、妊娠中に限らず言えることですが、塩分の少ない食事を心がけるのがいちばんです。外食は塩分が強いので、たまにならいいですが、できるだけ自炊をしましょう。味がものたりないなら、柑橘類(かんきつるい)の酸味や薬味などを上手に取り入れるといいでしょう。
腎臓に負担をかけないよう水分の過剰なとりすぎに注意
もう一つ気をつけたいのが、水分のとりすぎです。もちろん、水分をとらないのは、脱水症状を引き起こすのでダメですよ。でも、かといって、とりすぎると腎臓に負担がかかってしまいます。「ちびちび小まめに飲む」のが理想ですが、暑いときは、コップの水を一気に飲み干してしまうことも…。そこでおすすめなのが、氷をなめることです。氷なら、体に必要な水分を入れつつ、腎臓への負担を抑えることができます。
このニンプさんは、おりものが多いとのことですが、採尿カップの中におりものが入ると、尿タンパクが検出されるので、採尿前はよくおりものをふいてください。
腎機能の悪化は、妊娠高血圧症候群につながることも。塩分のとりすぎにはくれぐれも気をつけて。
先生から最後にひと言
尿タンパクが出るなら、塩分と水分のとりすぎに注意。腎臓への負担を減らして!
監修/北島米夫先生
イラスト/花くまゆうさく 文/たまごクラブ編集部
いかがでしたか? 北島先生の相談室は「たまごクラブ」で好評連載中です。
北島米夫先生
Profile
産婦人科医。日本におけるマタニティスイミング創始グループの一員。ユーモアたっぷりの優しいアドバイスで、ニンプさんからの信頼がとても厚い先生です。