コロナ禍での妊娠、おなかの張りをセルフチェック! ステイホームだからこそ体の変化に敏感に
妊娠中、おなかがキュッとかたくなる、「おなかの張り」。妊娠中期ごろから感じる人が多くなります。おなかが張っているかどうか、その感覚を知るのは、流産・早産などのトラブルに早く気づくためにも大切。セルフチェックの方法について、産科医の先生と助産師さんに教えてもらいました。
まず、張っているときの感触を知ろう
おなかの張りがどんなものかわからない、という人は、まず、自分の体の部位を使って、張っているときと張っていないときの感触を知りましょう。
二の腕と頬でチェック!
●二の腕を曲げてみよう
二の腕に力を入れていないときのプニプニしたやわらかい感触が、「張っていないときのおなか」。ひじを曲げて、二の腕の筋肉がかたくなった状態が、「張っているときのおなか」の感触に似ています。
●頬を口の中から舌で押してみよう
普段、何もしていないときのやわらかい状態の頬は、「張っていないときのおなか」に近い感触。口の中からぐ〜っと舌で押して、ボコッと出た部分が「張っているときのおなか」に近い感触です。
セルフチェックのやり方を知ろう
おなかが張りやすくなる妊娠25週ごろからは、あお向けになっておなかのかたさをチェックしましょう。すぐにわからない場合は、数分あけて、もう一度試してみて。
あお向けに寝て、上半身をクッションなどで少し起こす
あお向けに寝て、おなかにかかる圧力を分散させるために、クッションや枕などを使って、上半身に45度の角度をつけると◎。
あお向けがつらいなら、横向きでもOK。右向きでも、左向きでもいいので、おなかに負担がかからないようにしましょう。抱き枕やクッションを脚の間に挟んで、ラクにしましょう。頭やおなかの下に置くのもおすすめ。
おなかにやさしく手を当てる
子宮がある場所を手のひら全体でやさしく触ります。手の甲で触ったほうが、かたさに気づきやすい場合もあるので、手のひらと甲と両方で試してみましょう。両手をおなかの左右に置いて触ることで、左右差を感じやすくなります。
おなかが張っている状態とは?
おなかの一部分ではなく、全体がかたくなっているときが「張っている」状態。たとえるなら、バレーボールのような感触が近いです。
張りに気づいたら、まずは横になるなどして体を休め、安静にしても張りがおさまらなかったり、出血や痛みを伴っている場合は、産院に連絡して相談を。
ステイホーム時代だからこそ、 体の変化に敏感になりましょう
新型コロナウイルス感染症の影響で、なかなか気軽に産院を受診できないことも。そんな今だからこそ、「自分は大丈夫だろう」と過信しないで、まずは体の変化に気づくことが大切。これが、おなかの赤ちゃんを守る第一歩になります。
出社・外出する人はこまめに休息を
まず基本は、無理をしないこと。「このくらい大丈夫」と過信せず、疲れを感じたら休息を取って。そして、もし、まだ職場に妊娠報告をしていない人は、早めに伝えておくといいでしょう。
セルフチェックを毎日の習慣にしても
リモートワークなどの場合、おうち時間を活用して、毎日決まった時間に上記のセルフチェックをするのも手。また、仕事に集中するあまり、1 時間以上同じ姿勢でいると体に負担が。終わったら歩くなど、体を動かして。
おなかの張りに自分で気づけることは、おなかの赤ちゃんを守ることにつながります。この記事を参考に、セルフチェックしてみましょう。ただ、心配のあまり、おなかを頻繁に触ってしまうと、その刺激から、かえって張りを長引かせてしまったり、誘発してしまったりすることが。張っているときは体を休め、頻繁に触るのは控えましょう。
参考:『たまごクラブ』2021年2月号「この“おなかの張り・痛み”大丈夫? 受診の目安と対処法」
小林 肇先生
Profile
東京フェリシアレディースクリニック院長。米国のハーバード大学関連病院勤務、外資系企業のコンサルタントなどを経験し、現職。女性、家族、そして地域に貢献できるしくみを構築中。
助産師 岸 由佳利さん
Profile
東京フェリシアレディースクリニック師長。助産師歴20年。豊富な経験に基づく幅広い知識と、明るくフレンドリーな雰囲気で妊婦さんから頼りにされている存在。