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歯周病は早産の原因にも!妊娠中こそ歯の手入れが重要なワケ【産科医】

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miya227/gettyimages

妊娠中はむし歯や歯周病になりやすい傾向に。とくに歯周病は早産の原因にもなる可能性があるので、歯の健康管理は大切です。産科医の杉本充弘先生に詳しくお聞きしました。

妊婦がむし歯や歯周病になりやすいワケ

妊娠中はホルモンの影響や免疫力の低下で、口の中は歯周病菌やむし歯菌が増えやすい環境になっています。つわりで歯みがきがおろそかになることも要因の1つです。

妊娠後期~産後は治療に通うのも大変なので、妊娠中期のうちに歯科検診を受けておくと安心です。

ホルモンの影響で歯周病菌が増加

歯周病菌の中には、妊娠中に分泌が増える卵胞ホルモンを栄養源にする菌がいます。そのため、歯周病菌が増えやすくなります。

免疫力が低下する

妊娠中は免疫力が低下します。口の中も例外ではありません。むし歯菌や歯周病菌に抵抗する力が落ち、歯のトラブルが起こりやすくなります。

歯みがきがおろそかになる

つわりで歯みがきがおろそかになりがち。また、胃が圧迫されるので小分けにして食べる回数が増えたりすると、歯垢がたまりやすくなります。それが、むし歯や歯周病の原因になることも。

知っておきたい歯のトラブル

歯の2大トラブルと言えば、むし歯と歯周病。歯周病の初期段階は歯肉炎、悪化した状態は歯周炎と呼ばれます。

むし歯

むし歯の原因はミュータンス菌。この菌はママから子どもにうつることが多いので、赤ちゃんのためにもママのむし歯予防は大切です。

歯肉炎

歯周病の初期段階で、歯肉が腫れて出血しやすい状態です。予防するには、歯みがきで、歯と歯の間の歯垢を落とすことが大切です。

歯周炎

歯周病菌は歯と歯肉の境目(歯周ポケット)に繁殖します。歯周炎は、歯周病が進行し、歯を支える骨まで炎症が広がった状態です。

歯周病は早産の原因にも!

歯周病の病巣部からサイトカインというタンパク質が出てきます。サイトカインには出産を誘発する働きもあるので、ママが歯周病だと早産のリスクが高くなります。また、重篤な歯周病の菌が子宮内感染を起こし、胎児に影響を与えたり、早産の原因になることもあります。

これは大丈夫? 妊娠中の歯の治療

歯科治療で行われる措置が妊娠経過や赤ちゃんに影響しないか、気になるママもいるでしょう。しかし、妊娠を告げた上で受ける治療は、基本的に心配いりません。

麻酔

歯科治療で使われる局所麻酔は薬の量が少ないので、赤ちゃんへの影響はまず心配ありません。

X線

X線撮影をする口の中はおなかから離れており、防護エプロンも着用するので、心配はいりません。

抗菌薬や鎮痛薬も、妊娠中に使用して問題ないものです。ただ、妊娠していることを医師に告げることは忘れずに。

監修/杉本充弘先生 取材・文/栗本和佳子

参考/『最新! 初めての妊娠・出産新百科』2021年
(ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)

歯の健康はママ自身だけでなく、赤ちゃんにも影響する可能性があります。つわりが落ち着いたら、歯科検診を受けておきましょう。

杉本充弘先生
Profile
東都文京病院院長。日赤十字社医療センター周産母子・小児センター顧問。

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