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妊娠線だけじゃない!シミ・黒ずみ…避けて通りたい妊婦の皮膚トラブル【産科医】

更新

アジアの女の子の美しさの概念.スキンケア。
metamorworks/gettyimages

妊娠に伴い、肌にもさまざまな変化が表れます。ちゃんとケアすれば予防できるものもあるので、妊娠中に起こりやすいトラブルを知っておきましょう。産科医の杉本充弘先生に詳しくお聞きしました。

妊娠線だけじゃない⁉ 皮膚トラブル

妊娠中の皮膚の変化は、妊娠線だけではありません。黄体ホルモンなどにはメラニン色素沈着を促す作用があるので、シミができやすく、乳頭・乳輪や外陰部が黒ずむことも。肌が乾燥する人もいます、かゆみなどがある場合は、産院で薬を処方してもらいましょう。

かゆみは、妊娠性皮膚搔痒(ひふそうよう)症や妊娠性痒疹(ようしん)かも

妊娠中はホルモンの影響でアレルギー症状を起こしやすくなります。体中がかゆくなる妊娠性皮膚搔痒症や、赤みがかったブツブツができる妊娠性痒疹などは、比較的多い症状です。これらの症状のほとんどは、出産後、自然に治りますが、かゆみがひどかったり、発疹がある場合は産院を受診して。妊娠中も使える薬を処方してもらえます。

妊娠中はシミ・ソバカスが増えやすい!

妊娠すると分泌が盛んになるホルモンの影響で、色素沈着が強くなります。そのため、シミやソバカスが増えることも。産後は薄くなりますが、完全に消えるとは限りません。外出するときは帽子や日傘、日焼け止めなど使って、紫外線対策をしっかりしましょう。曇り空のときでも紫外線は意外と強いので、怠りなく。暑い季節は肩や腕の紫外線対策も忘れずに。

皮脂が増えて、ふきでものが出ることも

ホルモンバランスの変化が影響して、肌が荒れたり、ふきでものができたりすることも。皮脂が増えて毛穴が詰まると、そこに菌が繁殖し、ふきでものができます。石けんでごしごし洗うと余計に悪化するので、洗顔は泡で包むようにやさしく。基礎化粧品は低刺激のものを使いましょう。基本的なケアをしても改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。

乳頭が黒くなったり、大きくなることも

妊娠中は乳頭や乳輪部のまわりも色素沈着が強くなります。そのため、乳輪部が広がったように見えることもあるでしょう。色素沈着は赤ちゃんの吸う力に負けない皮膚づくりが進んでいる証拠だと受け止めて。産後は徐々に薄くなります。また、妊娠中から乳房の乳管が発達するため、乳頭が大きくなるといった変化も見られます。

おなかの真ん中に正中線ができる人も

妊娠中は、みぞおちの下から恥骨上部にかけて黒ずんだ線がくっきりと表れることがあります。これは「正中線(せいちゅうせん)」と呼ばれるもので、人によってはメラニン色素が沈着して、かなり目立つこともありますが、産後は少しずつ薄くなります。また、正中線に沿って体毛が濃くなるケースもあります。いずれも妊娠期特有の現象です。

でべそになっても、産後は戻ります

子宮が大きくなるとおなかの筋肉が伸びて、ほとんどのママたちが、でべそになったり、おへそが平らになったりします。産後、子宮が小さくなれば、おへそも元に戻りますので、心配しなくても大丈夫です。

監修/杉本充弘先生 取材・文/栗本和佳子

参考/『最新! 初めての妊娠・出産新百科』2021年
(ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)

保湿や紫外線対策など、肌トラブル予防は妊娠初期から始めましょう。また、かゆみなどの症状は我慢しないで、産院に相談を。妊娠中にも安心して使える薬を処方してもらえます。

杉本充弘先生
Profile
東都文京病院院長。日赤十字社医療センター周産母子・小児センター顧問。

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