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「顔がパンパンに腫れてぐったりと…」息子の食物アレルギーに後悔した母の話【専門医に聞く】

食物アレルギーに苦しんで、皮膚の発赤の小さな子
写真はイメージです
yaoinlove/gettyimages

国立成育医療研究センターのアレルギーセンター科には重度の食物アレルギーを持つ多くの子どもたちが受診をしています。患者の一人、れんくん(6才)は離乳食を開始した6カ月ごろには、鶏卵、小麦、乳の食物アレルギーがあり、今も乳アレルギーの治療中です。れんくんのママ・清水りささんは、自身の体験から「もっと子どもの食物アレルギーについて知ってほしい」と話してくれました。

3カ月のときミルクを飲んだあと、嘔吐して顔がパンパンに

ミルクでアナフィラキシーを発症した3カ月のころ。湿疹があり顔がはれていました。

れんくんに最初の食物アレルギーの症状が出たのは3カ月のとき。育休中だったりささんは、仕事復帰に備え、生後すぐから母乳とミルクの混合で育てていました。発作は突然やってきたといいます。

「ちょっと機嫌が悪いかな、とは思ったのですがミルク140mlを飲みきった30分後くらいに、そのミルクを噴き出したのです。その後、みるみるうちに顔がはれ、顔の輪郭がわからないくらいパンパンにはれて。さらにもう一度吐いてぐったりしてしまいました。
すぐにタクシーで救急外来を受診したのですがミルクアレルギーかもしれないと言われました。しかしそのとき、とくに医師から具体的な指導はありませんでした」(りささん)

それまでも同じ量のミルクを飲んでいたのになぜ…、とりささんの疑問は晴れなかったと言います。1カ月後、そろそろ大丈夫かもしれない、とミルクを少なめの50ml飲ませてみたそうです。

「また激しく嘔吐してしまったのです。夫とも、これはアレルギーに違いない、と話してミルクアレルギーの診断をした医師を再受診しました」(りささん)

その後、5カ月のときアレルギーの血液検査をすると、乳だけでなく鶏卵と小麦にも食物アレルギーの陽性反応が確認されました。

食物アレルギーの予防には湿疹ケアが重要と知りがく然

血液検査で食物アレルギーがあることがわかりましたが、その医師からは母乳に卵と乳が混ざるとよくないと、りささんに卵と乳を除く食事をするよう指導されました。指示を守っていたりささんですが、症状が改善する兆しはなく……。れんくんにはそのころ、たまに虫刺されのような湿疹も出ていたと言います。

「そんなとき、国立成育医療研究センターで出産した友人が、アレルギー科を受診してみたら、と教えてくれたのです。当時の医師に、アレルギー専門医に相談したいと伝えて紹介状を書いてもらいました。
早速受診すると、保護者向けに食物アレルギーの基礎知識が学べるレクチャーがありました。そこでは、母乳からアレルゲンが感作はしないことがわかってきたことなど、初めて知る内容が多かったのですが、なかでも“食物アレルギーを防ぐには、湿疹の早期コントロールが重要”という話には、本当にびっくりしました。
というのも、れんには1カ月ごろから湿疹がありましたが、最小限のケアしかしてこなかったからです」(りささん)

かゆがっているサインにも気がついてあげられなかった

れんくんの湿疹のケアを最小限しかしてこなかったのには、理由がありました。まず、最初に受診した産科や小児科は乳児脂漏性湿疹という診断であり、アトピー性皮膚炎ではなかったこと、そして里帰り中、りささんのまわりの人たちから「ステロイド剤は強い薬だし、赤ちゃんにベタベタ薬なんて使わないほうがいい」と言われていたためです。

「当時の風潮としてもなんとなく、乳児湿疹については様子を見ていれば治る、という空気がありました。
当時受診した小児科ではステロイド剤を処方されましたが、結果的には最小限しか塗りませんでした。アトピー性皮膚炎という診断であれば、塗っていたのですが…。でも今思えばおむつ替えのときくねくね体を動かすことがあり、背中をかゆがっていたのだと思います。ミルクを飲みながら髪をかきむしることもありました。かゆがっているサインがあったのに、気がつかなかったのは申し訳なかったと思っています」(りささん)

6カ月から離乳食開始。経口免疫療法がスタート

国立成育医療研究センターに通い始めたころ。皮膚の状態がよくなり、機嫌のいい時間が増えました。

国立成育医療研究センターに通院し、6カ月には離乳食を開始することになりました。ようやくアトピー性皮膚炎という診断もつき、ステロイドと保湿剤でケアし、肌はいい状態が保てるようになりました。

離乳食と同時に、経口免疫療法を進めていきました。経口免疫療法とは、原因食物を少量ずつ摂取して免疫をつけていく治療法です。原因食物を少数単位で管理しながら少しずつ、根気よく進めていく必要があります。

「医師の指導のもと、乳は0.0001mlから始め、小麦はゆでたそうめん1mmからスタート、かたゆで卵の黄身を耳かきひとさじから始めていきました。反応があったとき原因食物を特定するため、増量するときは必ず1種類だけにするよう指導がありました。今思えば、気が遠くなるようなスタートでした。
毎月1回受診をし、半年に1回は食物経口負荷試験をおこなっていただきました。

食物経口負荷試験は原因食物をごく少量ずつ増やしながら食べさせ、どこまで食べられるかを図る試験です。ほんの少し量が変わるだけで反応が出てしまうことがあるので、れんだけでなくほかのお子さんも泣いたりいやがったり。子どもに負担がかかるのが申し訳なかったですね。
毎日の食生活の管理、受診、半年に1回の経口食物負荷試験と大変ではありましたが、2才では牛乳1ml、3才にはそうめん8本、卵は1個食べられるようになりました。食べたいだけ食べられるようになれば医師から全解除、という指導がいただけます。ここで卵の食物アレルギーは克服できました」(りささん)

湿疹が出たら早めにコントロールをしてほしい

れんくんが3才のとき、弟が生まれました。

その後れんくんは5才のときに小麦が全解除になり、好きなだけ食べられるように。「このときは本当にうれしかった」とりささん。
乳の治療は続いていますが、1日20ml摂取まで可能になったそうです。

「私、夫ともアレルギーを持っていないこともあり、まさかわが子がアレルギーを持つとは思ってもみませんでした。湿疹が出たとき、食物アレルギーとの関連を誰かが教えてくれていたら、という思いはあります。でも、アレルギー治療の方法はこの数年で劇的に変化しているという話を主治医の先生から聞きました。なので、まずはわが子に湿疹が出たら医師の指導のもと、ステロイド剤で早めにケアしてほしい、と育児中のママ・パパたちに伝えたいです」(りささん)

国立成育医療研究センター・山本貴和子先生より

経口免疫療法はまだ一般治療として推奨されていないので、どこの施設でも実施できるものではありません。
当アレルギーセンターでは、安全第一に、増量期にも維持期にも、体調や生活スタイルにかかわらず副反応ゼロをめざし、きちんと用量設定をおこなったうえで、部分解除による少量維持療法として、個別化治療としています。お子さんが、原因食物を嫌いにならないよう、おいしく食べられるよう、お子さんごとに対応しています。
アトピー性皮膚炎やぜんそくなどのアレルギー疾患のコントロールができていないと症状が誘発されやすくなりますので、アレルギー疾患のコントロールも重要です。
詳細については以下のHPをご参照ください。
アレルギー科を通院中の患者さん・ご家族の皆様へ

お話・監修/山本貴和子先生 取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部

ここ数年で食物アレルギーの研究は進みましたが、育児中のママやパパたちに情報が届いていない場合もあるようです。食物アレルギーのお子さんはたくさんいらっしゃいます。ママやパパがアレルギー体質ではないという場合でも、情報はしっかり集めていきましょう。

山本貴和子先生(やまもときわこ)

Profile
国立成育医療研究センター アレルギーセンター 総合アレルギー科医長。
2003年山口大学卒業。小児科学、アレルギー学が専門。小児アレルギーのリスク因子の同定や予防法の開発研究を行う。

研究成果
※文中の名前は仮名です。

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