「たかがうんち、されどうんち」、赤ちゃんのうんちのトラブルを防ごう【小児科医】
「小児科外来では新生児から保護者まで、幅広い世代からうんちについてさまざまな相談を受けます」と小児科医の太田文夫先生は言います。
「小児科医・太田先生からママ・パパへ、今伝えたいこと」#6は、赤ちゃん・子どもの月齢・年齢別にうんちトラブルの解決のヒントについてです。
生後1カ月ごろまでの新生児期
うんちのトラブルがあるときには生まれつきの病気がないか小児科でチェックします。胆道閉鎖症の有無は、ママやパパがうんちのおむつ替えのタイミングで母子健康手帳の便色カードを利用してチェックしましょう。1カ月以降もチェックは続けて。
離乳食をスタートする前
毎日何回もうんちする子から1週間も出さない子まで、いろいろです。どの状態でも赤ちゃんが元気なら大丈夫。このころのうんちはネバネバでかたくはなりません。中には10日出なくても平然としている子もいます。出せないのではなく出ないだけです。
踏ん張っているけど出せないようなら綿棒浣腸(かんちょう)を試してもいいでしょう。綿棒浣腸を成功させるには、ちょっとしたコツがあるので、困ったら小児科に相談を。
うんちの回数の多い子は、おしりが荒れやすいので、毎回洗いましょう。
離乳食が始まって、食べるのが大好きなころ
食事が大好きで、おっぱいやミルクの飲む量が減ってくると、うんちがかたくなって出せなくなる子がいます。すぐにお薬を飲ませ始めなくても、水分の摂取量を増やすだけでうんちは出やすくなります。液体を飲むのを嫌がるなら、果物を食べさせてみましょう。多くの果物は90%くらいが水分なので効果があります。ただし、果物をとりすぎると下痢のもとになるので、食べ過ぎにも注意です。
3日間出ないと自力で出せないかたさになります。ママとパパは浣腸液を使った出し方を学んでおきましょう。
おむつはずれ真っ最中で、「トイレが怖い」ころ
洋式便座に座っただけだと足がブラブラして力を入れにくいので、なかなかうんちが出せません。うんちの時だけ自分でおむつに履き替える子もいたりしますが、立ったままだとおしりをすぼめることになるのでこの方法もうんちが出にくいです。洋式便座に足台を使って足を安定させるなど工夫を。時にはおまるを使ってしっかり踏ん張る練習をさせてみるのもいいかもしれません。
「トイレで出せる」ようになったころ
うんちは毎朝出たがっています。朝食後はうんち(朝うんち)の時間です。
うんちは起床時には直腸に届いて出る気満々です。空っぽの胃に朝食が入るとうんちが出たいという反射が起きます。このタイミングを逃さずに出すと、もりもりうんちが出てスッキリ。
便秘の薬を飲んでいても、朝うんちの習慣がつかないとなかなか薬を止められないかもしれません。
保育園や幼稚園に出かける前に、うんちをする習慣をつけたいですね。ママやパパも一緒にトイレに入って応援しましょう。また、早寝しないと早起きはできません。そうしないと余裕をもって朝うんちさせるという生活リズムの確立もできないので、早起き・早寝の生活習慣も大切です。
便秘のママも
トイレでうんちが出せるようになった子どもに朝うんちの大事さを説明していると、なんだかよそよそしい態度のママがいたりします。「あなたも便秘?」と聞くと、うなずく人も。女性は子どものころから便秘の人が多いのです。大人になっても便秘は治せます。タレントの松本明子さんの便秘克服体験を取材した朝日新聞のコラムも参考になると思います。宿便4㎏を解消した感動の物語です。また、体験記の著書も出しています。
構成/ひよこクラブ編集部