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世界共通の悩み?!赤ちゃんの“おちんちんの皮”むくか、むかないか問題【ママ泌尿器科医】

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笑顔の若い父親は、自宅で彼のお昼寝を変更しながら、小さな赤ちゃんと楽しみを持っています。
nensuria/gettyimages

ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生の連載第16回。今回テーマは、「おちんちんの皮をむいてあげるべきか問題」についてです。専門家の間でも見解が分かれるこの問題。親はどう判断すればいいのか、ご自身の体験も交えながらアドバイスをいただきました。「お母さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#16。

第2子を妊娠し、「どっちが正解?」と不安になる出来事に遭遇

私ごとですが、今年の夏に第2子を出産予定です。妊娠後期に入った現在、おなかの赤ちゃんがさかご(骨盤位[こつばんい])の状態。病院の助産師さんからさかご体操の指導を受けましたが、実際にやってみると結構ハードですね。

仲間を探そうと、インターネットでさかごについて検索すると、「さかご体操はリスクもあるので推奨しない病院もある」という情報にも出会ってしまい、混乱。

「医学的にぜひやって!」というお墨つきがあるのならまだしも、「逆にリスクも」と言われると、頑張ってやるべきなのか悩んでしまいます。

妊娠・育児中は、子どもの命にかかわる決断をする場面が多々

妊娠から子育てまで、ママやパパは子どもの命や将来に関する大きな決断を、自分でしなくてはいけない場面がいくつもありますよね。自分の判断ミスでおなかの赤ちゃんや子どもに不利益があったら…と、情報を調べまくって逆に混乱&不安になるという気持ち、とてもよくわかります。

「これは絶対にやるべき」もしくは「やっちゃダメ」という根拠のある明確な情報は非常にありがたいですが、「結論が出ていない」「専門家の間でも意見が分かれる」ので「最終的には各家庭の判断を」ということも妊娠・出産・育児においては多々あります。

専門家も保護者も…、意見が分かれる「“おちんちんの皮”問題」

男の子のママが悩む「おちんちんの皮をむいてあげるべきか問題」も同様。現在の日本では「むく必要がない派」の専門家の意見を耳にすることが多いですが、私の講座の参加者の中にも「3才児健診でむくように指導された」「夫の意向で0才からむくようにしている」といった方もいます。

以前、「むくべき派」の第一人者である泌尿器科医の「おちんちん外来」を見学させてもらったことがあります。患者さんは生後数カ月の乳児から小学校高学年の男の子+その保護者で、医師がむきながら正しい方法を本人または保護者に指導していくというスタイル。先生の病院は関東にあるのですが、「鹿児島から夫婦で来ました」という乳児の保護者もいました。

一般論として「むく必要はない」と言われていても、「自分が陰茎のトラブルで苦労したから、子どもには同じ思いをさせたくない」「メリットデメリットを理解した上で、むいてあげたい」など、「むきたい派」の保護者の方がいるのも事実。

そういった方に対して、「むく必要はないですよ」。終わり。ではなく、正しいむき方の指導や、トラブル・困りごとがあった際に頼れる場があるというのは重要だなと思いました。

ただし、子どもの時点で「包茎手術」を行う必要はありません。麻酔のリスク、手術自体のリスクに加えて、傷跡が残ってしまい子ども自身が悩むようになったというケースもありました。病気の治療として包茎手術を行うこともゼロではありませんが、基本的には医師の指示がないのに保護者の判断で子どもに包茎手術をさせることはやめましょう。

「“おちんちんの皮”問題」は、世界共通の保護者の悩み⁉

世界には、宗教的、文化的に「割礼」として、乳幼児の時期に包茎手術を行う国もあります。多文化国家のマレーシアで出産した友人が、「自分が出産した病院では、事前に赤ちゃんに割礼(包茎手術)を希望するかどうかのアンケートを受けた」と言っていました。

そういった国でも、成長してから「自分の意思で決めたかった」という思いを持つ人や、包皮を切除することで性的な感覚が低下するという議論もあり、わが子のおちんちんに関する判断で悩む保護者は日本だけではないのだろうなと想像します。

古今東西のママやパパの悩みに思いをはせながら、取りあえず“「頭は下だよ~」とおなかの赤ちゃんに話しかける”という“リスクゼロのさかご治療”は続けていこうと思います。

文・監修/岡田百合香先生

構成/ひよこクラブ編集部

さまざまな意見があり、日本だけでなく世界のママ・パパを悩ませている(?)、「おちんちんの皮をむいてあげるべきか問題」。最終的には親が判断することのようですが、子どものころに包茎手術をする必要はないようです。
次回も、気になる子どもの性器や排せつに関するお話を、お楽しみに。

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