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知ってた? おちんちんの皮は「戻す」 男の子育児の大問題・ママ泌尿器科が伝えたいこと

アジアの少年の背景に座って母中朝のベッドで寝ています。
allensima/gettyimages

男の子のお世話でよく聞かれるのが「おちんちんの皮をむくかむかないか?」問題。ママであり泌尿器科医でもある岡田百合香先生は、「実は、むき方よりも大事なことがある」と言います。それはいったい⁉悩む母親が集う「お母さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#5。

専門家によって意見が分かれる「むく・むかない」問題

今回は、みなさんの関心が非常に高い「おちんちんの皮(陰茎の包皮)を親がむいてあげるべきでしょうか」問題について考えてみましょう。

ちなみに「むく」といってもバナナの皮をむくようなイメージではなく、靴下を脱ぐようなずり下ろすといったイメージです(女性の中には「そもそも陰茎の皮をむくってどういうこと⁉」という疑問を持つ人もいるので)。

結論から言うと、この問題についての明確な答えは出ておらず、私は「むくべき」「むく必要はない」どちらかを推奨することはしていません。
最近は「むく必要はない」と考えている小児科医・泌尿器科医の意見を目にすることも多いですが、専門家の間でも意見が割れているのが現状です。

この議論のポイントは、幼少期にむくことで亀頭包皮炎(おちんちんの先端で菌が繁殖して炎症が起こる状態)や、思春期以降の陰茎トラブル(真性包茎など)を予防できるかどうかになります。

赤ちゃん時のケアで、おちんちんのトラブルを回避できるかはわからない

まず、生まれたばかりの赤ちゃんのおちんちんは100%が真性包茎(おちんちんの先端まで皮がかぶっていて、亀頭が見えない状態)です。そして、思春期になると陰茎が大きくなり、皮も自然にむけやすくなっていくことが多いです。日本人成人男性の約80%が仮性包茎(普段は皮がかぶっているけれど、むけば亀頭が露出できる状態)で、仮性包茎は正常な状態です。

早期からむいて洗ってあげることで、亀頭包皮炎や思春期以降の真性包茎を予防できるかについて、いくつかの研究がありますが「関係ない」という報告もあります。

つまり、親が特別介入をしなくても、性器トラブルなく成人になる人もいるし、逆に性器トラブルを起こしてしまったからといって、それは必ずしも親が適切なケアをしなかったせいだというわけでもないということ。その因果関係を証明することは困難です。

たとえば、私の男性親族は遺伝的に薄毛であることに危機感を抱き、20代から頭皮ケアに非常に熱心に取り組んでいました。
60代になった現在も薄毛には該当しない頭皮を維持していますが、それが彼の努力(頭皮ケア商品等の効果)によるものなのか、はたまた仮に何もしなかったとしても同様の状態を維持できていたのか、証明することはできません。

「むかない」場合でも、性器の情報は伝えて

少し話がそれました。

今回の記事では、詳しいむき方や、困ったときの対処方法については触れません。
私が伝えたいことは以下の3つです。

1.「むかない=性器に関してはノータッチ」ではない

幼少期からわが子の陰茎の皮をむくかどうかは、各ご家庭で決めればいいと思います。決めるための知識や情報はぜひわれわれ医療者に相談してください。

ただ、むかないという選択をした場合も、子どもの性器について放置していいということではありません。

たとえば、小学生以降になって自分で自分の体をおふろで洗うようになったら、正しい洗い方を必ず伝えてあげてくさい。
男の子なら、陰茎や陰嚢(たまたま)の溝部分に汚れがたまりやすいのでしっかり洗うこと。また、陰茎の皮はむけるところまで自分でむいて優しく洗う、そして必ず戻すこと。

成長に伴って自分の性器に興味を持つことは自然なことです。そんなときに、興味の状況に応じて正しい知識を伝えてあげてくださいね。伝え方に悩んだ際は、前回の記事でおすすめの絵本を紹介したのでぜひ参考にしてみてください。

2.専門家の間でも意見が違う

これは本当に、保護者の方は混乱してしまいますよね。
みなさんのかかりつけ医師がどのような立場かはわかりませんが、現時点では「明確な答えは出ていない」ということをまずは知っておいてください。

その上で、自分たちはどうしていくか。

亀頭包皮炎や包茎で悩んだ経験のあるお父さんは「子どもにはつらい思いをさせるまい!」と、早くからむいてあげたくなるでしょうし、何もしなくてもとくに困らなかったお父さんは「ほうっておけばいいんじゃない?」と思うかもしれません。「うちの子、炎症起こしちゃった!」という体験談を身近な人から聞かされたら、「予防のために何かしたほうがいいんじゃ?」という気持ちになるのは当然です。

むくこと、むかないことのメリット・デメリット、むき方・戻し方などについて気軽に学んだり相談したりできる場所がもっと増えるといいですよね。そんな場をひろげていけるよう頑張ります!

3.必ず戻す!

むき方より、まずは戻し方を学んでもらいたいくらい、「むいたら戻す」は大切です。

頑張って皮をむき下げていったはいいけれど、戻らなくなったらどうなると思いますか?
狭くなった包皮に締めつけられて、陰茎がむくみ、最悪の場合壊死してしまうこともあります。もしも「戻らない!」「なんだかむくんできた⁉」と思ったら、陰茎をグッとつぶすように圧迫してゆっくり皮を戻していきます。(陰茎は強く握っても痛くないので大丈夫です)。それでも戻らなければすぐに病院に行ってくださいね。

小学生以降になって、自分で皮をむいてみたけれど、戻らなくなってしまい病院を受診するケースも割とあります。
「入浴時には、むけるところまでむいて、優しく洗う。洗ったら必ず戻す」
ママやパパが必ず頭に入れて、お子さんにもしっかり伝えてあげてください。

今回の記事で「むく・むかない、どっち⁉」に関する疑問が少しでも解消されればうれしいです。

次回も、よくあるお悩み「うちの子のおちんちんが小さい気がして…」を取り上げます。

文・監修/岡田百合香先生 構成/ひよこクラブ編集部

「おちんちんの皮をむいたら戻す」。案外知らない人もいたのではないでしょうか? 次回のテーマ「おちんちんが小さい気がして…」も、気になりますね! 楽しみにしていてください。

岡田百合香先生(おかだゆりか)

Profile
泌尿器科医 愛知県在住。総合病院の泌尿器科に勤務する傍ら、乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。現在2歳男児の子育て中。

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