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子どもの不慮の事故、死因第1位は交通事故。年齢別の注意点と伝え方

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歩行者横断歩道交通停止信号。
※写真はイメージです
VICHAILAO/gettyimages

日本の子どもの死因の上位は不慮の事故が占めていて、中でも1~4才の不慮の事故の死因第1位は交通事故です。そのため、早い時期から交通安全教育を行う必要がありますが、子どもがどのくらいわかっているのか、理解しているのか、子どもの発達に合わせて教えることが大切です。子どもの事故防止や安全教育などを研究している、東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科准教授内山有子先生に、子どもの心に響く交通安全の伝え方を聞きました。

横断歩道以外は渡らない。その日々の行動が子どもの交通安全意識を高める

(厚生労働省:令和元年人口動態統計より内山先生作図)

2019年の厚生労働省人口動態統計をもとに、子どもの死因を年代別に見てみると、0才の3位、1~4才と5~9才の2位は不慮の事故でした。「不慮の事故」とは、不注意によって予期せずに起こる事故のこと。溺死、交通事故、窒息、転落などが該当します。
さらに、不慮の事故の内訳を見てみると、0才代の2位、1~4才の1位、5~9才の2位が交通事故でした。つまり、交通事故は子どもの死因の大きな原因となっているのです。

「とくに1~4才は自分で歩けるようになり、なんにでも興味を持ち、活発に動き始めるという、この時期の発育・発達の特徴と大きく関係していると考えられます」(内山先生)

たしかに、1~4才の子どもは歩くのが大好きで、好奇心旺盛な時期。興味があるものを見つけると、その瞬間に駆け出していくので、交通事故にあうリスクが常につきまといそうです。子どもを交通事故から守るために、ママやパパはどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

「子どもはママやパパのまねをするのが大好きで、ママやパパがすることをとてもよく見ています。『急いでいるから』『車がいないから』と横断歩道のない場所を渡ったり、信号無視をしたりすると、子どもは『していいことなんだ』と理解してしまいます。

子育て中は常に忙しいので、ちょっと離れた場所の横断歩道や歩道橋まで行くのは面倒かもしれません。でも、その回り道が子どもの命を守ることにつながります。外出時は横断歩道以外の場所を渡らない、赤信号は待つなどの姿を日々見せることで、子どもの交通安全意識を高めることができます」(内山先生)

交通安全教育は0才代から必要。理解力に合わせて楽しく教えよう

(厚生労働省/令和元年人口動態統計より内山先生作図)

内山先生が作成した「交通事故の年齢別割合」のグラフを見ると、0才代以外はどの年代も歩行時の事故が圧倒的に多くなっています。
内山先生によると、ママやパパが交通ルールを守る姿を見せるとともに、子どもの理解力に合わせた言葉かけや説明をすることで、より子どもの危機管理能力が高まっていくそうです。
そこで、年代別の効果的な働きかけについて教えてもらいました。

【0才代】「わからない」と考えず、交通ルールに関する言葉かけを始めて

「0才代の交通事故の大半は、自動車に乗っているときに起きているので、1才以降の交通事故とは意味合いが異なります」(内山先生)

しかし、交通ルールに関する働きかけは0才代から必要と内山先生は言います。

「『まだ何もわからない赤ちゃんだから信号を無視しても大丈夫』と考えるのはNG。子どものお手本になるのは0才代から始まっています。『信号は青になったら渡るんだよ』などと話しかけながら、交通ルールに即した行動を取ってください。それが習慣になると、以降の年代の交通安全教育がスムーズに行えるようになります」(内山先生)

【1~2才】危険な場所と安全な場所での行動を具体的に示す

自分で歩けるようになったとはいえ、足元がおぼつかないうえ頭が重いので、体のバランスが悪い時期。転びやすいため、外を歩かせるときはしっかりと手をつなぎましょう。

「外を歩くときは必ず手をつなぐ、というのを徹底してください。そして『車にはねられないように、道路では絶対に手を離さないよ』『公園は車が来ないから1人で歩いていいよ』と、子どもが危険な場所と安全な場所での行動の違いを理解できるように、具体的に説明することが重要です」(内山先生)

【3~4才】危険な理由と、危険回避のための“正解”をセットで説明

道路での歩き方などの交通ルールは、1~2才と同様に説明を続けます。言葉の理解力が高まるので、さらに具体的に説明することを意識しましょう。

「『ここは道が狭いのに車がたくさん通るから、あっちの広い道を歩こうね』などと、危険性の認識と、だからどうすればいいのかという〝正解〟もセットで教えるようにしてください」(内山先生)

【5~6才】危険を回避する方法を自分で考えさせてから正解を説明する

行動範囲が広くなり、家の近くであればお友だちの家に1人で遊びに行く機会も出てくるでしょう。お友だちの家までどの道を通っていけば安全が、一緒に歩いて確認してください。

「『この道は車が多くて危ないね。どうしたらいいと思う?』などと質問をし、子ども自身に考えさせることも大切。子どもが出した答えが間違っていたとしても否定するのではなく、『そんな方法があったか~、よく考えついたね!』と認めつつ、安全に歩くための“正解”に導いていきましょう」(内山先生)

外出の機会が減っても、外出のたびに教えれば危機管理能力は育っていく

新型コロナよって外出する機会が減っている今、外を歩きながら交通ルールを教える機会も減っていると思います。経験が減ることで、子どもの交通安全への理解が進まないのではないかと心配です。

「コロナ禍でもまったく外に出ないわけではないので、外に出るたびに働きかけをすれば、子どもの危機管理能力は育っていくので大丈夫です。また、交通安全を意識した絵本を読むなど、家にいてもできることはありますよ」(内山先生)

感染予防のために、地域によっては公共交通機関ではなくマイカーで移動する人が増えている傾向にあり、それが子どもの交通事故につながる可能性があることを内山先生は危惧しています。

「今までペーパードライバーだった人も運転するようになっているようですから、交通事故が増えるリスクがあります。外出が増える土日は、とくに運転に不慣れな人の車が増えているように感じています。子どもと外を歩くときは十分に注意してください」(内山先生)

取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

お話・監修・図版提供/内山有子先生

0才代から交通安全に関する働きかけを続けることで、子どもの危機管理能力が育っていくようです。子どもが“正解”にたどり着けるように、楽しく交通ルールを教えていきましょう。

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