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「授乳の時間、死にたいと思った」「授乳がつらくて涙…」D-MERに悩んだ母の話

母親の腕の中で授乳新生児の女の赤ちゃん。
※写真はイメージです
kieferpix/gettyimages

「母乳をあげると不快になる」、「赤ちゃんにおっぱいを吸われたくない」といった感情になったことはありませんか? もしかすると、D-MER(ディーマー・不快性射乳反射)という症状かもしれません。原因はわかっていませんが、この症状に悩むママは少なくありません。

第一子妊娠中からD-MERの症状があったというアヤカさん(仮名)が、当時の症状や気持ちを話してくれました。また、助産師として多くのママの母乳支援を行い、自身もD-MERに悩んだ経験のある川崎麻希子さんに、アドバイスと症状について聞きました。

産後すぐ、母乳をあげると体に異変が発生

妊娠中に乳首のケアをしていた時から、違和感があったというアヤカさん。産後、授乳を始めると気分が落ち込み、「授乳が嫌だ」と感じたそう。

「授乳の時間になると息苦しくなったり、のどがかわいたり、眠たくなったり、吐き気がしたり、トイレに行きたくなったり…。涙が出ることもありました」(アヤカさん)

産後のホルモンの変化が原因で、何日かすれば慣れるだろうと思っていたそうですが、授乳の回数が重なるごとに、ますますつらくなっていきました。

「授乳のたびに、泣くようになりました。『赤ちゃんはかわいいのに、こんな気持ちになるなんて母親失格だ』と自分を責めるようにもなっていったんです。母乳をあげている時以外は、本当に楽しい毎日だったのですが、授乳時間は『死にたい』とまで思うようになりました。ミルクで子育てをする考えが、その時の私にはなかったんです」(アヤカさん)

つらい日々を送りながらも、「母乳をあげるのが嫌だという母親なんて、おかしいと思われてしまうのではないか…」という不安から、だれにも相談できなかったと言います。退院前日に、泣きながら授乳をしているところを助産師に目撃され、思いを打ち明けたそう。けれど、そこではD-MERの症状であることは、知らされなかったそうです。

【助産師・川崎さんから】D-MERの説明がないことも

アヤカさんは、自身の身に何が起きているかわからない不安でいっぱいだったことと思います。D-MERは、専門家の間でも最近知られるようになってきた症状です。おそらく、産院の助産師さんは、D-MERをご存じなかったのだと思います。

外国での症例では、症状の強さや感じ方などは人それぞれと報告されていて、悪心、不安感、いら立ち、焦燥感、めまいなど症状はさまざまです。

仮説の段階ではありますが、D-MERの症状には、ドーパミンが関係している可能性があるといわれています。ドーパミンとは、脳の神経伝達物質で、運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに携わっているもの。研究が望まれている段階ですが、心理的なものではなく、生理的なものが原因であると考えられているのです。“ママが何かをしたとか、しなかった”ということが、発症につながるわけではありません。状況に応じて専門医の意見を聞いてみることも大切です。

自ら調べ、自身がD-MERであることに気づく

産院を退院したあとも、アヤカさんの症状は変わりませんでした。そこで、自らインターネットで原因を探ることにしたのです。

「そこで初めてD-MERというものを知り、『私はD-MERなのかもしれない』と感じたんです。検索を続けると、D-MERの人向けの授乳がラクになる方法が載っていました。“好きなテレビや音楽を見たり聴いたりしながら授乳しましょう”、“十分な休息を取りましょう”などと書かれていて、できる限りのことをしてみました。けれど、一向に症状はよくならず、産院に受診に行ったんです」(アヤカさん)

産院の助産師にD-MERの話をしても、「それってなに?」と聞かれてしまったそう。アヤカさんは、D-MERの認知度の低さを痛感したと言います。次に、医師に症状を相談したところ、「つらければ気持ちがラクになれる方法で授乳しましょう。母乳でもいいし、ミルクでもいいんだよ」とのアドバイスがあり、そこで初めてミルクで育児ができるんだ、という考えに至ったと、アヤカさんは話します。

【助産師・川崎さんから】D-MERは2007年ごろから知られるように

D-MERは、2007年にアメリカのラクテーション・コンサルタントのアリア・マクリーナ・ハイゼさんが特定しました。日本では、助産師や医師・支援者の間で広まりつつある情報です。私が学生のころにはまったく学びませんでしたが、乳腺炎について学ぶのと同じくらい、D-MERの存在を専門家は知っておいたほうがいいと感じています。

また、D-MERの症状は、3段階に分類されていて、D-MERについて知るだけでも症状が軽くなるという、報告もあるんです。これは、その「症状」が正体不明で不安でいっぱいな状態よりも、少しでも原因がわかり、「自分だけではない」という思いによって、気持ちがラクになっていることを示唆しています。不快感を10段階で表して考えます。

【不快感が3程度】
D-MERについて学習することによって、3カ月ごろまでに症状がほとんど消失する。

【不快感が4~7程度】
D-MERについて学習することによって、3~9カ月ほどの期間で、2~5段階程度まで不快感の指標が下がる。

【不快感が7~10程度】
D-MERについて学習しても、母乳育児をやめたい気持ちが強くなったり、死にたいような気持ちになることがある。1年以内に解決しない。

私が助産師として、D-MERの可能性が高いと判断したママには、私自身の経験談を交えてお話しします。すると、驚かれたように同意をされたり、ご自身なりの表現のしかたを始められます。ただ、症状がその日のうちに完全に消失する、という経験はなく、再来された時に症状の変化を教えていただき、どうしていくことがママや赤ちゃん・パパにとってHAPPYなのか、一緒にいくつかの選択肢を考えていくようにしています。

つらさのあまりに母乳をやめたいと思うのなら、それも大切な選択肢の一つです。しかし、迷っているのならば、ぜひ一度、助産師や国際認定ラクテーション・コンサルタント(母乳育児支援にかかわる専門家のための非営利団体)を頼ってみてください。あなたの「最適」が見つかるように、一緒に考えていきましょう。

取材・文/ひよこクラブ編集部

お話・監修/川崎麻希子さん

まわりと比べてしまい、なかなか人に相談しづらいこともある育児。けれど、1人で抱え込むより、信頼できる人と思いを共有することで、心が軽くなることもあるかもしれません。

川崎さんは、国際認定ラクテーション・コンサルタントの1人。授乳に関する一定水準以上の技術・知識・心構えを持つヘルスケア提供者です。ラクテーション・コンサルタントは、日本中にいます。授乳で困ったことがあったら、下記のHPから専門家を探して相談してみましょう。
NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会HP

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