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約5%の子どもにDCD(発達性協調運動障害)が…?!スポーツで症状が改善することも【専門家】

日本の遊ぶ子供サッカー
※写真はイメージです
Seiya Kawamoto/gettyimages

映画『ハリー・ポッター』シリーズの主役を演じたダニエル・ラドクリフさんも公表している発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder 以下DCD)は、極端な不器用さや運動の苦手さの症状がある発達障害の1つです。この症状の改善について、運動が苦手な子どもたちのスポーツ指導をしている筑波大学体育系 准教授の澤江幸則先生に話を聞きました。

運動が極端に苦手なのは、DCDという発達障害の可能性がある?

――DCDはどのような症状がある発達障害なのでしょうか?

澤江先生(以下敬称略) DCDは身体機能に問題はないけれど、極端に不器用、体の動きがぎこちない、動作と動作を組み合わせた動き(協調運動)が困難であるという症状が見られる、生まれつきの脳の特性による発達障害の1つです。

DCDの診断基準は、

【A】同じ年齢の子どもたちに比べると、運動発達自体がゆっくりである
【B】運動発達の遅れがあるだけでなく、日常的に支障をきたしている、
こととされています。DCDのある子どもは、運動発達自体の遅れと同時に、運動を学習することにも困難さがあると言われています。

――年齢によってどんな運動が苦手だとDCDかもしれない、という目安はありますか?

澤江 DCDは、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの症状と合わせて現れることも多く、5才以下の幼児期では診断は難しいかもしれません。幼児期の運動発達は個人差も大きいため、何才くらいまでにどんなことができるか、ということはあまり気にする必要はありません。むしろ、上手にできなかったり苦手だったりしても気にせずに、親子でどんどんいろんな運動や遊びができる機会を持ってほしいと思います。

一方で、発達障害があるのかどうかの早期発見のために、2013年からある都市で行われている5才児健診では、約5%の子どもにDCDが見られるとわかっています。日常生活に支障をきたすような症状が見られる場合は、DCDも含め発達全体について、地域の保健センターなどに相談し、専門家の意見を聞いてみるといいかもしれません。

スポーツは子どもに合わせてルールを変えて楽しもう!

――いろいろな運動をさせる、というと、何かスポーツに取り組んだほうがいいのでしょうか?

澤江 スポーツというと、オリンピックで見るような競技を想像する人が多いですよね。でも、ルールやテクニックなどをまったく気にせず、単に体を動かして楽しむことを「スポーツ」と捉えていいんじゃないか、と考えています。スポーツ庁が策定している‟第2期スポーツ基本計画”によると、スポーツとは「体を動かすという人間の本源的な欲求に応え、精神的充足や楽しさ、喜びをもたらすもの」と定義されています。

そう考えるとスポーツは、ルールややり方にこだわる必要はなく、苦手な子どもに合わせて変えてしまっていいのです。サッカーなら、足じゃなくて手でボールを持ってもいい。なわとびなら、なわをまたぐだけでもいい。そんなふうに楽しめれば、たとえ苦手だとしても否定的にならず、将来的にもスポーツを続けられることが多いと思います。

――親は子どもの苦手さを克服させてあげたい、とつい熱心に指導してしまうこともありますが…。

澤江 子どもが泣いて嫌がっていたら無理に練習をさせる必要はないでしょう。無理をさせると、将来的にスポーツに対するイメージが下がり、抵抗感を持ってしまいます。

スポーツは上手にできるかどうかではなく、子どもが自発的に楽しんで取り組めるかどうかが重要です。子どもは楽しいことは何度でもやりますよね。それが脳にいい刺激を与え、動きを発達させることにつながります。

もし親が「ちょっと頑張ってみようか」と励ましながら一緒にやってみたとします。子どもが少しできたときにお母さんが「よくできたね!」と笑顔で喜んだら、それを見た子どもは「もうちょっとやってみようかな」と思うかもしれません。このように、子どもが自分でやってみようと思える声かけならいいと思います。

――では、子どもがやってみてもうまくいかない、つまらないからやりたくない、というときはどうすればいいでしょうか?

澤江 運動が苦手な子は、通常のやり方だと飽きてしまうことがあります。
なわとびを例にしてみましょう。まず1つは、なわに鈴やリボンをつけて遊んでみる。次に、地面に置いたなわの上を渡ってみる。子どもがなわに慣れてきたら、親がなわを地面より少し高い位置で持ち、「なわが近づいてきたよ〜」と子どもに近づけていき、子どもがそれをまたぐ、という遊びもいいですね。なわとびの原理は、なわを越えることですから「またぐ」ことができれば、いずれ「跳ぶ」という運動につながることにもなります。子どもが楽しむ経験を積めるような工夫をしてあげるといいでしょう。

スポーツを楽しむ経験が子どもの可能性を広げる

――楽しく体を動かす経験を続けていくことで、DCDの症状の改善にも影響するのでしょうか?

澤江 はい。ペースはゆっくりでもその子なりの伸びしろはあるので、その可能性をひきだせれば、スポーツ自体を楽しむことができるようになります。また、DCDの子どもの特性に合った形で専門家による指導を受けていくと個人差はありますが症状は改善しますし、学年が低いほど改善しやすいということも指摘されています。

――DCDのある子は、運動が苦手であるために、自己肯定感が低下する、取り組みに消極的になるなどの二次障害が起こってしまうこともあるそうです。そういったことを防ぐためにできることはありますか?

澤江 苦手な運動に目が行きがちですが、ほかの得意な運動を認めてあげることが大事です。親が子どものできるところ、得意なことを認めて「ここがいいね」と言ってあげるだけで、子どもは変わります。「運動したくない」と言っていた子が「運動したい」と言うようになることもあります。シンプルだけど、それは非常に大きな変化です。

自分の得意なことがわかると、子どもは自分で運動をし始めます。大事なのは、子どもが運動やスポーツを身近に感じて、「楽しい」「やりたい」と思えること。親にできることは、その環境をいかに作ってあげられるかだと思います。

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・監修/澤江幸則(さわえゆきのり)先生

健康のためにも子どもにはできれば運動やスポーツを楽しめるようになってほしい、と願うママやパパは多いでしょう。そのためには上達を求めすぎず、子どもが楽しめるようなかかわりや工夫をすることが大切です。

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