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接し方を間違えると自己肯定感が低下?!発達障害DCDに寄り添うかかわり方とは【専門家】

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日本の男の子のスライド
※写真はイメージです
ziggy_mars/gettyimages

極端に運動が苦手な子どもや、人並み外れて不器用な子どもは「発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder 以下、DCD)」という発達障害がある可能性があるそうです。子どもが運動やスポーツが苦手と感じたり、やりたがらなかったりするとき、親はどのようにかかわればいいのでしょうか。筑波大学体育系 准教授の澤江幸則先生に話を聞きました。

子どもから人生の楽しみを奪わないで

――運動やスポーツが極端に苦手というDCDの症状は、どうして起こるのでしょうか。

澤江先生(以下敬称略) DCDは、身体機能に問題はないけれど、極端に不器用、体の動きがぎこちない、動作と動作を組み合わせた動き(協調運動)が困難であるなどの症状がある、生まれつきの脳の特性による発達障害です。なぜそのような障害が起こるかの原因はよくわかっていません。

DCDのある子は、動作を学ぶときの脳への情報の入力・処理・出力のいずれかに問題があると考えられています。そのため、子ども自身はもっと体を動かしたいと思っていたとしても、運動やスポーツに対して「わからない」「できない」「やってみたくない」と感じてしまうことが多いのです。

――子ども自身は一生懸命でも、うまくいかないことが続くとやりたくなくなってしまうのですね。

澤江 もともと子どもは体を動かすことが大好きです。けれど、動作を見てもやり方がわからない、やり方がわかってもやってみるとできない、できないだろうからやってみたくないという経験が積み重なってしまうと、運動やスポーツに対して苦手意識が強まり、抵抗感を持ってしまいます。さらに、何事に対しても否定的になることや、自己肯定感の低下につながってしまうことも。

子どもが運動を嫌いになってしまう大きな要因は、人と比較されたり「下手」と言われたりする経験からです。DCDがある子は、本人は一生懸命やっているのに「下手」と言われてきた子がとても多いのです。子どもが運動やスポーツを嫌いになってしまうことは、人生の楽しみが1つ減ってしまうことになります。

大事なのは苦手をカッコ悪いと決めつけないこと

――では、子どもが運動嫌いにならないために、親はどんなことに気をつければいいでしょうか?

澤江 大事なことは「上手下手にこだわらないこと」「苦手なことをカッコ悪いと決めつけない」こと。幼児期は、運動をしていること自体を受け止めてあげてほしいなと思います。

たとえば、子どもがテレビ番組の体操をまねするときに、手足の動きがバラバラで、上手にまねができていないように見えたとします。しかし子ども自身は体操のお兄さんと同じような気持ちでやっているのです。一生懸命やっているけれど、体がついていかないのはDCDの特徴です。
親がそれを見て「ふざけてるの?」などと言ってしまうと、子どもはまたやりたいとは思えなくなってしまいます。「はりきって体操しているね」などと認めてあげれば、子どもは楽しく運動を続けられます。

どんな格好でも全然構わない、苦手でもいいから、いろんな遊びや運動を楽しむ機会を作ってあげましょう。

――DCDの子は公園の遊具などで遊ぶことも苦手なことがあるそうです。一緒に遊ぶときはどのようにサポートしてあげればいいでしょうか?

澤江 もしすべり台が怖いなら、始めは下のほうからすべってみて、少しずつ距離を長くしてみるという方法もあります。すべり台に登ったけれど、怖くて手が離せないなら、親が下で「ここだよ〜!」と手を振って笑顔で声をかけてあげると「手を離してみようかな」と思うかもしれません。ちょっと勇気を出して、すべってみて楽しかったら、それは「できた!」という成功体験になります。

また、すべり台は上体が後ろに倒れてしまうと前に進みません。親がすべり台の横に立って、子どもの背中を軽くおさえて上体を少し前に倒しながら押してあげると、子どもはスーッと前に気持ちよく進むことができます。
こんなふうに励ましながら、子どもが笑顔になる工夫をしてあげるといいと思います。

さまざまな運動の楽しい経験が子どもを伸ばす

――子どもがDCDかもしれないと気になったら、子どもの年齢によってこんな運動をやってあげたほうがいいということはありますか?

澤江 年齢や内容に関係なく、子どものペースに合わせて、その子が楽しめる経験をたくさんさせてあげることが大事です。家の中で親子で体を使った遊びをするのもいいですし、公園の遊具などで一緒に遊ぶのもいいですね。たくさん経験する中で楽しめることがあれば自分から繰り返し行うでしょう。運動発達は個人差が大きいですが、繰り返しの経験によって少しずつ身についていきます。

一方、一緒に遊ぶ中で子どもの様子を見ていると、とくに難しそうだな、という動作に気がつくことがあります。たとえば、ジャングルジムを登るときに、棒をつかもうとして手が外れてしまうことが多い、ブランコに乗りくさりをつかもうとしてもなかなかつかめない、など。このように遊びの中で共通してつまずくことが多いと気づいたら、専門家に相談してみるといいかもしれません。

DCDの子どもの特性に合った形で指導を受けていくとDCDの症状は改善します。また、年齢が低いほど改善しやすいことも指摘されています。地域の保健センターや療育センターがある病院、日本DCD学会などに相談してみるといいでしょう。

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・監修/澤江幸則(さわえゆきのり)先生

運動の苦手さを克服させようと思うあまり、親が一方的に指導してしまったり、ほかの子と比べてしまったりすることは、かえって子どものやる気をそいでしまいかねません。子どもの興味やペースに合わせて、親も楽しみながら一緒に運動をしてあげましょう。

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