「母になっても自分らしく働き続けることを諦めない!」 産後から始まるセカンドキャリアとは
大企業からスタートアップ、ベンチャー企業まで経験したなかで、企業の規模に問わずジェンダー問題を深く感じたことをきっかけに、「自分らしく働き続けるには」を常に考え続けてきた志賀祥子さん。理想のライフワークバランスが実現できる環境を自ら作ろうと決意し、2015年に独立。現在はブランディングプロデューサーとして活躍しながら、企業の女性活躍推進、キャリアデザインサポートにも取り組んでいます。そんな志賀祥子さんが自ら実践する「自分らしく働く!」ための思考術を本コラムでは紹介していきます。
結婚を機に仕事をセーブ。そして見えた「理想のキャリア」
自分のキャリアデザインについて本格的に考えたのは、結婚後。今でこそ子育てと両立しながら仕事をしていますが、元々は専業主婦志向だった私。社会人になって仕事に魅了され、専業主婦志向から一変!働き続ける人生を考え出しました。
大手企業からベンチャー企業までさまざまな規模の企業を経験してきたのですが、そこで多くのモデルケースを見ていく中で「女性が自分らしく働きつづけられる環境ってどんな環境なんだろう」ということを漠然と考え続けていたんです。
そんな中、結婚した26歳の私は、あまり深く考えずに仕事をセーブすることを決断しました。今思えば、「結婚したら仕事はセーブするもの」という無意識の固定観念があったんですね。するとすぐに自分の中で違和感を感じるようになりました。そして自分にとって仕事はとても大事なもので、人生において欠かせないもの。大好きなものであるということを改めて理解したんです。そこから大好きな仕事をもっと続けていきたいという気持ちが爆発しました。
「仕事も育児も、どちらもあきらめない働き方、生き方にはどんな選択肢があるんだろう」と考えたのちに、自分なりに考え出したのが「30歳で妊娠・出産」を仮想定したキャリア設計でした。これをもとに、子どもがいても自分らしく働き続けられるよう「今以上に専門性スキルを高めよう!」そして、「30歳までに身に付けよう」と決意し、今に至ります。
どう働きづつけたい? どう両立していきたい? 自分の声を聞いてみよう
実際に自分が「母親」になったことで、働く女性が抱える課題をより強く感じるようになりました。ある調査によると、時代はこんなにも変化しているのに、昭和のワーキングマザーと現代のワーキングマザーの悩みはほとんど変化がないそうです。
これはどうにかならないのだろうか?いつまでこの同じ悩みと課題を女性が抱え続けなければいけないのだろうか。なぜ働く女性には多くの悩みがついて回るのだろうか。
ネットやSNSの普及により、育児情報は世の中にたくさんあるにもかかわらず、産後の女性たちに役立つキャリアの情報がとても少ないことに気づきます。
ママになった私たち「母親自身」のキャリアの選択肢や可能性について、本当に知りたい情報はとても少ない。実際に働く女性たちがお互いの経験をシェアすることで、自分らしく働き続けるヒントが得られるような、そんなコミュニティを創れば皆同じ壁にぶつからずに済むのではないか。その強い思いから、2018年に「Mrelations(エムリレーションズ)」というコミュニティを立ち上げました。
目指したのは、育児と仕事の両立における知識や経験をお互いに共有する “ナレッジシェアコミュニティ”です。育児情報ではなくて、私たち母親自身が必要な情報をシェアする場所。主語は子どもではなく「私」です。
するとプレママから働くママまで、多くの女性から「こういう場所がほしかった!」という声をいただき、今では全国から参加できるオンラインコミュニティとして運営しています。
ロールモデルは探さない。必要なのは自分にあう「モデルケース」
多様化する現代では、自分やパートナーの働き方はさまざま。また両親など周囲のサポートの有無や子どもの人数や性格など…家庭によって育児と仕事の両立における “条件” は全く違います。
個人的には1つのロールモデルを探すこと、当てはめることは難しいと考えています。
そこで現代の働く母親たちが意識すべきことは、いろんなモデルケースを知ることだと思うんです。何か1つのロールモデルを探すのではなく、たくさんの情報に触れながら自分や家庭にとって参考になること、取り入れられる情報をピックアップしていきます。パズルのピースのように、いろんなモデルケースを組み合わせることで、「自分にとって理想とするイメージ」を膨らませていくことが大切です。
産後のセカンドキャリアを楽しもう!
産後は女性にとっての「セカンドキャリア」だと思うんです。これは、キャリアの現役引退という意味ではありません。子育てしながら仕事をするという新しいライフステージで、仕事も子育てもあきらめない、自分らしい働き方を実現するためのポジティブな意味合いです。
幸せな妊娠・出産というライフイベントを、よりポジティブにキャリアにも影響が与えることができたら素敵ですよね。これからこのコラムではライフ・キャリアに関して様々な視点からお伝えしてければと思っています。
志賀祥子
Profile
1986年生まれ。東京都出身。上場企業からスタートアップまで様々な企業で経営企画・広報に従事。企業規模に問わずジェンダー問題を深く感じ、2015年に将来の育児期を見据えて独立しリモートでのコンサルティング事業を立ち上げる。出産を経て、2019年に株式会社MaVieを創業。ブランディングや戦略コンサルティングの支援を行う傍ら、働く女性を取り巻く社会課題の解決を目指したコミュニティやオンラインラーニングの提供を行う。ブランディングやコーチングのメソッドを取り入れた「自分らしさ」を明確にする独自のカリキュラムは幅広い女性に支持されている。プライベートでは一児の母。
■メディア出演・掲載
日本経済新聞/日経DUAL/日経doors/日経WOMAN/日経xtech/NIKKEI STYLE/
TBSグッどラック!/テレビ朝日 スーパーJチャンネル/Markezine/FNN PRIME NEWS など