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わが子が「もしかして発達障害かも?」と感じたら『療育』でできることは?【専門家】

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早くて1才半ごろからわかることもあるという発達障害。子どもの発達の特性に合わせて、生活のしにくさの改善を支援するのが「療育」です。専門家の役割や、どんな活動をするのかを取材しました。

「療育」は「医療・治療」と「教育」を合わせた言葉

乳幼児健診で発達の遅れなどを指摘される、日常生活で少し様子が気になる…など、わが子が「もしかして発達障害かも?」と感じたら、親はどのような行動をとるといいのでしょうか。言語聴覚士の原哲也先生に話を聞きました。
発達障害の可能性に気づいたら、なるべく早く相談をすることが大事、と原先生は言います。

「発達障害とは、発達の特性によって生活上の支障が起こることです。生まれつきの脳の特性が『落ち着きがない』『こだわりが強い』『人とのかかわりが苦手』などの特徴につながり、生活のしにくさが起こります。
それを改善するために行われるのが『療育』です。療育の目的の一つは、生活のしにくさを軽減すること。そしてもう一つは、子どもが家族や仲間への安心感や信頼感を持ち、主体性を持って社会生活を送れるようにすることです」(原先生)

子どもの特性に応じて専門家が発達を促す

発達に特性がある子の場合、親が何度も繰り返し教えたりしかったりしても、伝わりにくいのだそうです。

「発達に特性がある子の特徴は千差万別です。その子の個性を理解し、その子に合ったかかわり方を通じてでないと、言葉や日常生活動作(服を着る、片づける)などが学べません。そのために療育では、子どもの特性に応じて、さまざまな分野の専門家(医師/公認心理師/作業療法士など)がセラピーを行います。

これらの専門家は、その子自身を見て、親から生活の中での困り事や心配事の状況を聞き、『その子にとってどんなセラピーが適切か』を判断します。たとえば、動きたい衝動がある子には、作業療法士が遊具を使いながら日常的な生活をしやすくするための発達を促すサポートをします。人とのかかわりが苦手な子、こだわりが強い子などには、言語聴覚士が子どもの遊びを通じて、人への関心を持つように働きかけます」(原先生)

療育にかかわる専門家とその役割について

療育には、上記のような専門家がかかわります。子どもの特性に応じて、発達を促すサポートをします(※)。

生活のしにくさを感じたらなるべく早く相談を

「療育が必要かどうかも含め、まずは地域の保健センターや、自治体の『家庭児童課』などに相談をしてみましょう。療育機関や発達相談などの支援者を紹介してくれます。

医療機関による発達障害の診断がなくても、専門家に相談の上、療育を受けることは可能です。適切な時期に療育を始めることで、その子に合ったペースでの日常生活のしかたを学べます。また、親が子を理解し、家庭でも適切な対応をすることで、お互いの生活のしにくさが軽減されます。

一方で療育を受けることができる施設や専門家が不足しているのではないかと思われる地域もあります。量的にも質的にも適切な療育を行う事業所が増える必要はあるでしょう」(原先生)

親が子どもを理解することは、子どもにとってとても幸せなこと。それは、子どもが自分らしく自尊心を持って人生を生きていくためにとても大切なことです。療育とのかかわり方を考えてみましょう。

お話・監修/原哲也先生 イラスト/福士陽香 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

発達に特性がある子は、療育で専門家によるサポートを受けることで、生活のしにくさを少しずつ改善することができます。子どもの発達が気になったら、早めに相談をすることが大切です。

(※)参考/『発達障害の子の療育が全部わかる本』原 哲也著(講談社)

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