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15人に1人に疑い?!発達障害の子どもを支援する「療育」って何をするところなの?

ビルディングブロックで遊ぶ子供
※写真はイメージです
chachamal/gettyimages

2012年の文科省の調査(※)では、通常学級の生徒の6.5%、15人に1人に何かしらの発達障害の疑いがある 、という結果が出ています。発達障害のある子を専門家が支援する「療育」とは、どんなものか知っていますか?療育について気になることを、発達障害のある子の家族を幸せにすることをテーマに活動している言語聴覚士・社会福祉士の原哲也先生に聞きました。

療育はいったいどんなことをするの?

「療育」は「医療・治療」と「教育」を合わせた言葉。発達障害のある子は、生まれつきの脳の機能特性により「視覚優位(目からの情報が入りやすい)」や「体の使い方がぎこちない」などのさまざまな発達の特徴があり、コミュニケーションや言葉、日常生活の動作などで「生活のしにくさ」が起きるそうです。それを改善するために支援をするのが療育です。

「発達障害の『障害』とは、本人が生活面で困っているということです。発達障害は早くて1才半ごろからわかることもあると言われています。療育では、生活のしにくさを軽減し、子どもが安心感を持って家族や仲間とかかわり、主体的に社会生活を送れるようになるための支援を行います。

発達障害の症状はひとり1人異なるので、医師や臨床心理士、公認心理師、作業療法士、言語聴覚士などの専門家が、その子の特徴を把握し、その子に合った対応をしながら発達を促します。早めに適切な療育を受けることで、少しずつ言葉や生活のしかたを学び、将来に備えることができます」(原先生)

「療育」について知りたい!Q&A

発達が気になる子のママやパパたちの「療育」に関するさまざまな疑問について、原先生に聞きました。

Q活発すぎる子の受診の目安は?

【原先生より】
活発すぎるというと、たとえば、保育園の部屋や家の玄関から急に飛び出すといった行動が頭に浮かびます。「飛び出し」に限らず「不注意」(集中力がない)・「多動性」(落ち着きがない)・「衝動性」(何も考えずに行動する)などがADHD(注意欠如・多動症)の症状であることがあります。このような行動が複数の場所(家でも園でも)で一定期間見られ、それによって生活のしにくさ(飛び出しなど命の危険のある行動をするので外出が大変など)や対人関係の問題が顕著に見られる場合、受診を検討していいと思います。

Q子どもが発達障害かもと思いつつも、周囲の目が気になって、受診をためらっています

【原先生より】
周囲の目を気にして医師の診断を受けることをためらうケースをよく聞きます。しかし発達障害のある子は、その子の特性を理解した上で、その子に伝わる方法で教えないと物事を学べません。子どもが周囲にとって「困った行動」を繰り返すのは、その特性が理解されず、適切な対応をされないからです。

療育によって、子どもはさまざまなことを学べるようになり、親も専門家のアドバイスにより、子どもを理解し、適切な対応ができるようになります。そうすることで子どもとの暮らしが穏やかになり、親子関係がよくなり、親自身も生活しやすくなります。受診しなくても児童発達支援事業所などでの療育を始めることはできます。受診を迷っていることも含めて、保健センターなどへ相談することを、ぜひ考えてみてほしいです。

Q発達障害かも、と思ったら書籍やSNSで独学して、親が対応してもいいのでしょうか?

【原先生より】
インターネットの情報は「一般論」や「よその子の場合」であって、目の前にいる子どもにその情報が当てはまるかどうかはわかりません。それをよくわかった上で情報を利用すべきだと思います。発達障害はひとり1人状況や症状は千差万別で、適切な対応も千差万別です。やはり、専門家に実際に子どもの状況をみてもらうのがいいと思います。

コロナ禍によって、対面での療育や相談が難しくなる中で、オンライン相談を行っている機関や施設、専門家もいます。対面でないと難しい場合もありますが、お子さんの普段の様子を動画で送るなどの方法で効果的な支援が可能なこともあります。そのような方法も含めて、保護者をサポートしてくれる専門家を見つけてほしいと思います。

Q子どもが急に大声で泣いたり叫んだりする理由がわからず、接し方がわかりません

【原先生より】
大きな音で泣く、暗いところを嫌がる、湿ったにおいの場所を怖がるなど、聴覚過敏・触覚過敏・視覚過敏などの感覚障害によって子どもがストレスやつらさを感じて泣いている場合があります。何が嫌かは定型発達の人にはなかなかわからないものですが、まずは子どもを静かに観察して、嫌な刺激や感覚を見つけて取り除き、安心できるようにしたいです。

もう一つは「わからないから不安で泣く」場合です。自閉スペクトラム症の場合「手を洗おう」と言っても言葉はその場で消えてしまってわからないけれど、「手を洗う」絵を見せるとわかる場合があります。身ぶりを加えるのもいいですね。どういう方法だと「わかる」かを探して「わからなくて不安」を「わかって安心」にしてあげたいです。

また、感覚過敏や「わからなくて不安」な状態を「周囲の人が理解してくれない」ことで「泣く」場合もあります。つらさや不安をすぐに取り除いてあげることはできなくても、「嫌だったね」「ドキドキするよね」などの共感的な言葉をかけてあげることで落ち着くこともあります。もしその時には落ち着かなかったとしても「理解してくれようとしている」ことが伝わることはとても大事です。


取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・監修/原哲也先生

「発達障害がある子は、人とのかかわりが下手であったり、かかわり方がわからなかったりする中で、親を含めて人を信頼できないでいることがあります。『この世に信頼できる存在がない』ことはとても心細く不安なことです」と、原先生は言います。
発達が気になる子の暮らしにくさを軽減するためにも、子どもが人を信頼し安心して生きていけるようになるためにも、適切な時期に「療育」を受けることは大事だとのことです。

※文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(2012年)

発達障害の子の療育が全部わかる本
発達障害のある子を育てる保護者の「どうすればいいの?」にこたえ、「療育のすべてがわかる」本。発達障害のある子に必要な情報を幅広く掲載しています。(講談社)

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