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日本では500人に1人が発症…。妊娠中、口唇裂や口蓋裂だとわかったら!?【専門医】

期待する女性に超音波スキャンを行う医師
※写真はイメージです
AndreyPopov/gettyimages

上唇が割れる口唇裂、口の中の上部に割れ目が生じる口蓋裂は、日本人では約500人に1人の割合で発症するといわれています。エコー技術の進歩で、妊娠中から口唇裂と診断されることもあります。わが子が口唇裂と診断されたとき、ママやパパはどうしたらいいのでしょうか。口唇口蓋裂治療の第一線で活躍してきた土佐泰祥先生に話を聞きました。

エコー検査で、妊娠中に口唇裂がわかることもあります

口唇は妊娠4週から7週目、上あごなどの口蓋は妊娠12週目ころまでに完成しますが、口唇口蓋裂はその時期に何らかの原因で形成異常が起きて発症します。

口唇裂は、上唇が割れている状態。完全型では唇から鼻の床まで割れます。
口蓋裂は、口の中の上部に割れ目がある状態です。約半数の子は、口唇裂と口蓋裂の両方を併せ持っています。

「エコー検査の技術が発達して、妊娠中に口唇裂がわかるようになったのは約40年前からです。
ただし赤ちゃんの顔の向きや、エコー検査中に赤ちゃんが動いたりすると、口唇裂があるかどうかが、わかりにくいこともあります。そのため今でも、出産してから口唇口蓋裂とわかるケースもあります」(土佐先生)

妊娠中に判明した場合は、症状や治療方針について専門医から説明が

妊娠中に口唇裂とわかった場合は、どのような対応がとられるのでしょうか。

「一般的には、ご担当の産科の先生から、口唇口蓋裂の手術を行っている医師を紹介され、その症状や治療・手術方法などについての説明を受ける機会を設けていただけることが多いと思います。私の場合は、産科の先生からご依頼をいただいたときに、ママやパパと直接お会いして、口唇裂の絵を描いたり、写真をお見せしながら説明をしています。
最初は動揺されても、少しずつ時間をかけて、ご夫婦で受け入れてくれるケースが多いです。

口唇口蓋裂児との初対面では、少しびっくりされることもありますが、何といってもわが子はかわいいので、すぐに受け入れてくださいます。口唇裂は生後3~5カ月ごろ。口蓋裂は、言葉が発達し始める1歳~1歳半ごろに手術を行います。妊娠中から口唇裂の可能性を知って心の準備をしておくことは、一つの大切な選択肢だと思います」(土佐先生)

ところがわが子が口唇裂とわかると、自分を責めてしまうママやパパもいますが、それは不要なことです。

口唇口蓋裂発症の原因には、遺伝的な要因と環境的な要因の両方が、複雑に影響しあいながら一定のレベルを超えると発現(発症)すると考えられる多因子遺伝が大半の65~70%で、遺伝因子は25%、環境因子は8%というデータがあります。

環境的な要因として、妊娠初期のお薬(抗けいれん薬など)の服用や放射線被爆、喫煙などがあげられていますが、同じ薬を服用しても口唇裂を発症しなかったママもたくさんいます。発症原因の詳細については、いまだ不明な点が多いといえます。
そのためママやパパは、絶対自分たちを責めないでください」(土佐先生)

日本は、口唇口蓋裂治療の先進国。海外には専門医がいない国も

口唇口蓋裂は、アジア人に多い病気です。日本人では約500人1人の割合で発症するといわれており、日本は口唇口蓋裂治療の先進国です。
そのため土佐先生は、日本の医療技術を海外に伝える活動もしています。

「私が2011年から毎年訪れている、マダガスカル共和国は、約800人に1人の割合で口唇口蓋裂の子どもが生まれているようです。日本のように専門医がいないため、適切な治療が受けられず、心に傷を負って家の中に引きこもっている子どもたちもいます。

口唇口蓋裂の子どもたちや、そのご家族の方々に笑顔でいてほしいし、現地の医師が適切な手術や治療ができるように育成したいという思いから、この思いに賛同してくださった多くの人たちの援助を受けてマダガスカル共和国での医療活動を行ってまいりました。これまでに、子どもたちを中心に191件の手術を実施いたしました。

口唇口蓋裂というと、痛々しい傷あとがずっと残ると思うママやパパもいらっしゃるでしょうが、手術用の糸や針など医療器具の進歩や医療技術の発達で口唇口蓋裂は、ずいぶんきれいに治療できるようになってきています。もし口唇口蓋裂のことで悩んでいるママやパパがいらしたら、納得がいくまで専門医に相談されることをおすすめします」(土佐先生)

取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

お話・監修/土佐泰祥(とさ やすよし)先生

土佐先生は口唇口蓋裂の治療を説明するとき、ママやパパには「一緒にがんばりましょう」と言って、お子さまの周囲の人たちと一緒に乗り越える姿勢を示すそうです。「ママ(パパ)だけで抱え込まないで、信頼関係のあるそれぞれの専門家の人たちと一緒に乗り越えていきましょう。自分の中の殻に閉じこもらないで」と土佐先生は言います。

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