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赤ちゃんがひきつけを起こした!119番に電話するときに知っておきたいこと【小児科医が解説】

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実行救急車
※写真はイメージです
gyro/gettyimages

昨晩、子どもが初めてのひきつけを起こし、救急車を呼んだというお母さん。119番に電話したものの、あわてて頭が真っ白になってしまったのだとか。そこで、いざというときの救急車の呼び方について、陽ちゃん先生がやさしく教えます――。

赤ちゃん、ママやパパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の診察室で起こった、印象深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#32

初めての119番への電話、うまく情報を伝えられず…

「先生、昨日は大変だったんですよ」

そう話すのは、1才半の女の子のお母さんです。

――え、どうしましたか。

「昨日、娘が初めてひきつけを起こして、救急車を呼んだんです。もう、あわててしまって…」

――それは心配されたでしょう。

「はい。いろいろ電話口で聞かれたんですけど、もう自分の電話番号もわからなくなって。いざとなったら頭が真っ白になってしまってしまいました」

――しょっちゅうあることではないですからねえ。

「こういった緊急時の対応を練習する機会もないですしね」

―そうですよねえ。大丈夫、多くの家族がそうだと思いますよ。

救急車は、気軽に呼ぶわけにはいきませんが、必要なときにはためらわず頼りにしたいものです。

まず、電話番号は119。いつもはわかっていても、いざとなると忘れてしまう人もいるようです。

電話をかけると、消防につながり、「火事ですか?救急ですか?」と聞かれます。そうしたら「救急です」と答えます。
早口で言っても、落ち着いて話しても、救急車の到着時間に変わりはありません。正確に伝えることが大切です。

「そこから先がなかなかあわててしまって、何を言えばいいのかわからなくなりました」

――普段いくら気を張っていても、いざとなったらうまくいかないこともありますね。情報を伝える上で理想的な要素は、“5W1H”だと言われます。

「それ、聞いたことがあります。」

――そうですね、いろいろな分野でコミュニケーションとして大事だと言われていることですからね。
5W1HとはWho(だれが)、When(いつ)、Where(どこで)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)を指し示す言葉です。お母さんの昨日の体験を、5W1Hに当てはめてみましょう。

1.Who(だれが):1才の子どもが

2.When(いつ、いつから):今、または1分前から

3.Where(どこで):自宅で

4.What(どうした):けいれんを起こしています、熱が高いです

5.How(どのように):顔色が悪くて、息はしています、意識はわかりません

以上のような内容を聞かれます。Why(なぜ)は、この場合はとりあえず忘れて大丈夫です。

いざというときにあわてないために、事前の備えを

――住所や電話番号を伝えるときも、落ち着くことが大切です。

固定電話で119番に電話した場合、かけるだけで住所がわかります。しかし、コンビニや郵便局など、普段から目印になるものを見つけて、どのように伝えるか考えておくといいと思います。

また、とっさの場面で自分の携帯の電話番号を覚えていなかったり、思い出せなくなる人も多いです。

以前けいれんを起こしたことがあり、ひょっとしたらまた救急車のお世話になるかもしれないなら、住所や電話番号などを紙に書いて、見つけやすいところに置いておくといいでしょう。

「なかなか、そこまで完璧な対応はできませんね…」

――わかっています。でも理想的な形を知っておくことは大切ですからね。

「そうそう、病院についたら一泊入院になったんですけど、何も持っていかなったので困りました。結局、家族に持ってきてもらったんです」

――緊急時にはゆっくり準備をする時間はありませんからね。それだけ早く救急車に来ていただけて、ありがたいのですが。

「もしも、最低限準備するとしたら何を持っていくべきですか」

健康保険証、母子健康手帳、乳幼児医療証(福祉医療費受給者証)、お薬手帳はいつものバッグに入っていますよね。これは普段の受診のときにも必ず必要ですから。
ほかには、紙おむつや、おむつを捨てるビニール袋、哺乳びん、ミルク、少しの着替えなどなど、お子さんの身のまわりのものですね。
あとは、お財布や携帯電話。お子さんと出かけるときにまとめてバッグに入れている人も多いと思います。

「わかりました。今度救急車を呼ぶときには、落ち着いてできるようにします」

――ええ。ただ、今後は救急車を呼ぶような事態が起こらないことがいちばんですけどね。

文・監修/吉永陽一郎先生

構成/ひよこクラブ編集部 

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