0~1才代赤ちゃんの絵本の読み聞かせ ママ・パパの本音5つのQ&A【専門家監修】
赤ちゃんに絵本を読み聞かせることは“いいこと”だとわかっているけれど、実際にやってみると「ちゃんと聞いているのかな?」「言葉もわからないのに意味あるの?」「どんなふうに読んであげるのがいいんだろう?」とわからないことがいっぱい。
そこで、ひよこクラブに寄せられた0~1才代赤ちゃんがいるママ・パパからの「絵本の読み聞かせ」に関する疑問について、保育学・幼児教育学専門家の金元あゆみ先生に聞きました。
※0カ月~3才の赤ちゃんを持つ読者エディター100人のアンケート結果(2021年8月実施)からまとめたものです。
赤ちゃんに絵本を読むときは、どんなふうに読めばいい?(1才1カ月のパパ)
インターネットなどで調べると、赤ちゃんにストーリーがわかりやすいように「感情をたっぷり込めて読んだほうがいい」とか、想像力をはぐくむために「淡々と読んだほうがいい」とか、いろいろなアドバイスを見かけます。どんなふうに読んであげるのがいいでしょうか?
【金元先生から】1才代までは、ストーリーを理解するのがまだ難しい時期です。絵本は赤ちゃんに合わせて自然な感じで読んであげましょう。
0~1才代の赤ちゃんは、まだストーリーを理解することはできません。ただ、赤ちゃんも言葉のメロディーやリズムは感じています。絵本の内容や赤ちゃんの反応に合わせて自然な感じで読めば大丈夫です。赤ちゃんが聞き取りやすいように、自然な感じで抑揚をつけて、ゆっくりと読んであげてください。そうすることで、ママ・パパとのやりとりを楽しんだり、言葉への興味をはぐくんだりすることができると思います。
読んでいる途中でページをめくられたり、別の絵本を差し出されたりする…(1才のママ)
絵本を読み聞かせていると、まだ途中なのに自分でページをめくりたがったり、別の絵本を差し出されたりします。子どもの好きなようにやらせたほうがいいのでしょうか?
【金元先生から】ストーリーの流れは、まだ気にしなくてOK
ストーリーを理解できるようになるのは2才代後半くらいからなので、それまでは気にしなくても大丈夫。お話の途中でページをめくりたがったり、別の絵本を差し出されたりしたら、できる範囲で応じてあげましょう。
絵本をなめたり、かじったりしてばかり…(8カ月のママ)
絵本を読んであげようとしても、絵を見るどころか、なめたりかじったりしてばかりです。それでも、今はやりたいようにさせたほうがいいのでしょうか?
【金元先生から】大人が絵本を楽しんでいる様子を見せてあげて
赤ちゃんは口に入れることで、物を確かめています。絵本をなめたりかじったりするのは、興味を持っている証拠。赤ちゃんに絵本の楽しみ方がわかるように、ママやパパが絵本に興味を持って楽しんでいる様子を見せるようにしましょう。
いつも同じ本ばかり読んで欲しがる…(1才4カ月のママ)
読んで欲しがる絵本がいつも一緒で、マンネリを感じます。もっといろいろな絵本を読んであげるほうがいいでしょうか?
【金元先生から】赤ちゃんの気持ちを優先して
まずは赤ちゃんが絵本を楽しむ気持ちを優先して。赤ちゃんからのリクエストならば、同じ絵本を、何度でも繰り返し読んであげましょう。同じ絵本を繰り返し読むことで、赤ちゃんが喜ぶシーンやお気に入りの言葉が出てきます。そのシーンを一緒に繰り返し見たり、お気に入りの言葉を繰り返し言ったりしながら楽しみましょう。
オーディオブックに頼ってもいい? (1才2カ月のパパ)
絵本を上手に読む自信がないので、オーディオブックに頼ってもいいですか?(1才2カ月のパパ)
【金元先生から】絵本の読み聞かせとは別物と考えて
オーディオブック(音声による読み聞かせサービス)を聞かせることは問題ありませんが、赤ちゃんは、一方的に流れてくる言葉を、音楽と同じようにとらえます。ママ・パパが読み聞かせる場合は、語りかけてくる様子や表情も赤ちゃんは感じ取るので、言葉への興味だけでなく、親子での感情のやりとりもはぐくみます。上手に読もうとせず、自然に、ゆったりと抑揚をつける感じで、できるだけママ・パパが絵本を読み聞かせる時間も作りましょう。
監修/金元あゆみ先生 取材・文/ひよこクラブ編集部
ママやパパも、赤ちゃんと絵本を楽しむつもりで、ゆっくりと自然な抑揚をつけて読んであげるのがいいようです。ストーリーはまだわからなくても、赤ちゃんなりに絵本を楽しむことができるのはうれしいですね。さあ、早速、赤ちゃんに絵本を読んであげませんか。
『ひよこクラブ」2022年1・2月合併号には、おうちの中でも、赤ちゃんに刺激を与えられる遊びや、おすすめの絵本を紹介した、「赤ちゃんの脳と体をはぐくむ おうち遊び大全」特集があります。
※掲載している情報は2021年11月現在のものです。
参考/『ひよこクラブ』2022年1・2月合併号「赤ちゃんの脳と体をはぐくむ おうち遊び大全」