在宅勤務、ラッシュ時のあの通勤がないのになぜかグッタリ… これって私だけ?
今回のテーマは、在宅勤務疲れについてです。在宅勤務が推奨されて2年が経とうとしています。働き方が多様化する中で、口コミサイト「ウィメンズパーク」から働くママたちの家事・育児・仕事に関する声を紹介するとともに、女性のキャリア支援をしている弓ちひろさんにアドバイスをいただきました。
ずっと家で仕事をすることに、うまく順応できてる?
――まずは、ママたちの声を紹介します。
■ 在宅仕事、最初は通勤がないことに喜んでいたけど、最近はストレスで
「私は在宅勤務になるまでは往復3時間通勤でした。在宅になり、当初は時間に余裕ができて大喜びでした。ただ、在宅勤務が1週間すぎたあたりから何だか不調がチラホラと。
通勤で30分歩いていたのがなくなり、運動不足で体重増加。ダイエットでジョギングを始めたら、開始早々、足を痛めて運動不足に拍車がかかりました。寝るのが早くなったのはいいけれど、長すぎて3時頃起きてしまうし、集中力が続かないです。
もともと炊事が大嫌いだったので、家族4人分の食事を3食用意することがストレス。
来週はどうしても1日出社しなくてはならないのですが、何だか楽しみなくらい」
■ 家で仕事する環境がないから、体に不調が出た
「もともと家に仕事をするスペースがないので、長時間座っても疲れない椅子がないんです。リビングや寝室、いろいろなところで仕事をしたり、オンラインの打ち合わせをしていますが、そうなると、仕事で使う書類や筆記用具をあちこちに持っていくことになり、何となく、あちこち汚れます。会社にいると、人に呼ばれたり、上司との打ち合わせ、プリンターに行く、ランチなど、席を外す機会が何かとありますが、家での仕事だと、あまりそれもないので、ずっと続けて仕事をしてしまいます。仕事ははかどるものの、気づいたときには肩や背中が固まって『イタタタタタ』となりました。強制的な休憩って必要だと思いました。
週末にジムへ行っているので、すごい運動不足は感じませんが、通勤の分の運動量は確実に減っているし。ちなみに、私よりずっと家での仕事が増えた夫の毎食の支度も負担だし、かなり食費も増えました」
■ テレワークになっても生活リズムを変えないほうがいい
「私はもともと週に2回のペースで、在宅勤務をしていました。在宅勤務は集中できる分、本当に疲れます。そのため、細切れでうまく休憩を入れるようにしました。
1時間仕事したら、10分休憩として、以下のことをスキマ時間に行います。
・一部屋だけ掃除機をかける。
・食事の下準備をする。
・布団を干す
・洗濯物を取り込む
・洗濯物をたたむ
など、細切れ家事を取り入れてみたら、いい気分転換になりますし、家事も細切れで短いと苦痛じゃなく進められます。オススメですよ」
■ 1時間仕事したら10分休憩をすることにしました
「往復3時間通勤です。しかも激混みで座れない電車で通勤していました。
都内に緊急事態宣言が出てから、やっとテレワークになりましたが、私は快適です。
またあの殺人的なラッシュで通勤するのかと思うとゾッとします。通勤ラッシュのストレスって、戦場で闘う兵士に匹敵するらしいです。
ただ、テレワークになったからと言っても、私は朝起きる時間は変えていません。
5時過ぎには起きて、洗濯して子どもたちを起こして、朝食を食べて、部屋を片付けて、掃除機かけて、と業務時間になる前に一通りの家事を終わらせてしまいます。
それでも1時間くらいは就業開始時間まで余裕があるので、子どもと遊んだりもしています。
テレワーク前は、業務時間1時間前には出社して、上司の雑用を振られて、自分の仕事を後回しにせざるを得なかったのですが、そういったこともなくなったので、業務時間内でキッチリ仕事が終えられて、家庭のために使う時間が増えて嬉しいです。
テレワークをうまくやるポイントは、プライベートな時間と仕事時間をキッチリ分けることだと思います。朝は早く起きてちゃんとした服に着替えるだけでも気持ちが引き締まりますよ」
オフィスでの環境や時間などを変えないことが在宅勤務のコツ
一部のこととはいえ、会社勤めの人が家で仕事をする選択ができるようになったのは、コロナ禍の中でのいい影響の1つですね。でも慣れないだけに、ペースが掴めなかったり、かえって疲れるという声も。働く環境について、日頃からアドバイスをしている弓ちひろさんに、在宅勤務をスムーズにするコツを伺いました。
「在宅勤務の相談でまず多いのが、せっかく家にいるのに家事をしないことに関して罪悪感があるという意見です。
在宅勤務では多くの人が家で仕事をしていますよね。そうすると、散らかった家の中が目に入るし、手の込んだ料理ができないと『また手抜きな家事をしちゃった』と、すごく罪悪感を持つのだそうです。
でも在宅勤務というのは、働く場所がオフィスから自宅になっただけなので、今まで以上のことをする必要はないのです。
どうしても家の中のことが気になるというのなら、通勤時間分だけを使って、家事をすると決めてもいいと思います。
家のことも仕事のこともやらないとと思うと、2つのことが頭の中で整理されずに混在して、とても疲れてしまいます。
もしご家族が、家のことをしないのはまずいんじゃないかと言っても、そこは耳をかさなくていいと思います。
とにかく、リズムを変えないことが一番です。
普段のこれまでの働き方と変えないこと。それが精神面でも体調面でも、変わらずにいられるコツです。
家で仕事モードになかなか入れないときは、たとえばスーツまで着なくても、着替えをして仕事に臨みましょう。
畳んでいない洗濯物やテレビが目に入ると、仕事に集中できないので、仕事場所は、テレビや洗濯物などが視界に入らない場所に確保するといいでしょう。
始業時間になったら、スマホのタイマーなどでアラームを鳴らして、『これから始業』と切り替えます。このときに、『これから、仕事をスタートします』と声に発するともっといいですね。
これは、心理的にとても意味があって、視覚も聴覚も触覚も使うことでメリハリがついて、プライベート時間との切り分けがしやすくなるからです。
また、小さいお子さんが家にいるのなら、きっとここで、『ああ、おかあさんのモードが変わったな』と気づくと思うのです。
そういったルーティンを決めるのもひとつですね。
在宅勤務は人の目がないので、そもそもメリハリがつきにくいという性質があります。就業のタイミングも難しいですよね。
だから、アラームも始業だけでなく、お昼休みのはじめと終わりや終業時刻などでもセットしておくと、時間が無理にでも区切られて、けじめなく仕事をするようなことを防ぎます。
ワンルームなどで集中して仕事をするスペースが作れずに、仕事に集中できないという方は、テーブルの上に置ける折り畳みの簡易な仕切りが売られているので、そういったものを活用するといいでしょう。
会社で使っている文房具と同じものを家でも揃えている方もいます。オフィスでの仕事と同じモードになりやすいのでいいとおっしゃりますね。
また休憩については、『60分やったら10分間休憩しています』という方がいましたが、私も同様に時間を決めて、休憩をとるようにしています。
気をつけているのが背中、とくに肩甲骨が固まったり、ストレートネックになったりしやすいので、肩甲骨をほぐすグッズを買って近くに置いておき、休憩になったら、その器具を使って背中を動かしたり、ストレッチをしたりしています」
(お話/弓ちひろさん)
生活感のあるものが目に入らない場所を仕事スペースにすること、時間は強制的に切り分けて、オフィスで働くリズムと変えないようにすることが、テレワークのいいやり方なんですね。
(取材・文/橋本真理子)
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
弓ちひろさん
PROFILE
1級キャリアコンサルティング技能士、公認心理士(国家資格)。キャリコンサルタントのスーパーバイズとともに、企業に向けてのカウンセリング室、ダイバーシティ推進のコンサルティングを行っている。
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