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「祖父母との再会と、赤ちゃんの持つ力」テレ東アナウンサー原田のパパ育休日記 第4回

更新

2021年4月、27歳で一児の父となったテレビ東京アナウンサー原田修佑さん。テレビ東京男性アナウンサーで初めて3か月間の育児休業を取得。この連載では3ヶ月間の育休で感じたことなどを自身の言葉で綴ってもらいます。

連載第4回は、育休中3年ぶりに帰省した時に感じた、“赤ちゃんの持つ力の凄さ”についてお話しいただきました。

3年ぶりの里帰り

育休中の11月初旬の話。

コロナの感染者数が減少したこともあり、僕の地元愛知県に、妻と生後7ヶ月の子どもを連れて帰省することになりました。

親への結婚の挨拶で妻と行って以来、約3年ぶり。

僕の両親は、何度か東京まで孫に会いに来てくれたことがあったのですが、祖父母は会うのが初めて。

ひ孫との対面にどんな反応を見せてくれるのか楽しみでなりませんでした。

そして目的はもうひとつありました。

僕が会っていない間に認知症になってしまった祖父に会っておきたい、というものでした。

「もしかしたら僕のことは覚えててくれてるんじゃないかな・・・」

「テレビ東京は愛知県も映るし、観てくれてたら嬉しいな・・・」

なんて少しの期待を抱きながら、車にて片道5、6時間の旅が始まりました。

公共交通機関ではなく、車を選んだ理由は大きく2つあります。

その1.他の乗客に迷惑をかけたくないし、人目を気にしながら移動するのは疲れそう
その2.地元は車移動が普通で、チャイルドシートを持参する必要があるため

車移動も不安要素がたくさんありましたが、なんということか行きの運転中はほとんどぐずらず、基本睡眠状態。

ミルクや離乳食の時間でサービスエリアに寄ると、スッと目覚めて若干キョロキョロはしていましたが、どちらも完食。

おまけに、とあるサービスエリアで僕の地元のBリーグチーム「三遠ネオフェニックス」の選手たちに遭遇!

190センチ越えの選手たちを前に、口を大きく開けて見上げる娘が可愛くて仕方ありませんでした。

平日の朝9時に出発して、想定通り昼の14時ごろには地元に到着と、なんのハプニングもなく辿り着くことができました。

まだ小さいのに長旅に付き合ってくれた我が子よ、ありがとう。

娘と祖母の初めての対面

そして、待ちに待った祖母と我が子の初対面。

この日、我が子は一生分の「かわいい」という言葉を貰ったのではないでしょうか。

初めてのひ孫にデレデレ。

我が子の頭の匂いを嗅いでは笑顔を見せ、泣いたり笑ったりする我が子の一挙手一投足全てを嬉しそうに見つめる祖母の姿を見て、とても温かい気持ちになりましたし、何より祖母孝行できたような気がして幸せでした。

人を笑顔にする、赤ちゃんの力

そして、もう一つの目的である、認知症の祖父との再会。

会話も言葉もままならず、怒りっぽく、娘である僕の母のことも、妻である僕の祖母のことも覚えていないという祖父でしたが、孫である僕のことは奇跡的に覚えていているのでは?と一縷の望みを抱きながら祖父に話しかけると。

おぼつかない口調で・・・

「どこのお宅の人だね。」

と言われてしまいました。

想定内ではあったもののその一言はやはり苦しくて、コロナのせいで会えなかった部分はありますが、覚えているうちにもっと会って、色んな話をしておけば良かったと強い後悔を覚えました。

しかしその後、奇跡が起こりました。

怒りっぽく生気のない顔をしていた祖父が、赤ちゃんである我が子を見て、突然目を輝かせ笑顔になり、「べろべろばあ」をしてあやし始めました。

僕が小さい頃に見ていた祖父が一瞬ですが、帰ってきたのです。

そして帰る時間になると、昔祖父とお別れする時に必ずしてくれていたように、「気をつけて帰れよ」と言って、玄関前に立ち尽くして、僕たちが乗る車が見えなくなるまで見送ってくれました。

我が子のおかげで、少しですが昔の祖父に会うことができました。

赤ちゃんの可愛さなのか何なのか、理由はわかりませんが、認知症の祖父をも笑顔に、元気にする力を持った赤ちゃんは、本当に不思議な力を持っているなあととても感動しました。

コロナ禍でなかなか帰省できず、会いたい人にも会えない日々が続いていましたが、僕の場合、育休を取ったからこそ時間や心に余裕ができて会いたかった家族に会うことができました。

そしてなにより、長旅に付き合ってくれて、みんなを笑顔にしてくれた我が子に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

■プロフィール

原田修佑(はらだしゅうすけ)
1993年生まれ。愛知県豊橋市出身。2016年、テレビ東京にアナウンサーとして入社。
担当番組は「WBS(ワールドビジネスサテライト)」「シナぷしゅ」スポーツ実況など。
趣味は焚き火とバスケットボール。15歳までに骨折を6回経験したこともあり、モットーは粉骨砕身。
Twitter/@shusuke_harada

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