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【女優・加藤貴子】「子育てが苦手かも…」と相談できなかった…。産後の不安、どうすればいい?

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女優・加藤貴子さんの新連載の第2回目。2人の男の子のママである加藤さんが気になる育児関連の悩みや気がかりについて、専門家に聞きます。今回のテーマは“産後うつの相談先”について。「なんか気分があがらない」「赤ちゃんがかわいいと思えない」など産後に不安な気持ちになったらどうすればいいのでしょうか。精神科医の蟹江絢子先生に聞きました。

産後の不安な気持ち、だれに相談すればいいの?

加藤さん(以下敬称略) 私は不妊治療をしてやっと子どもを授かったものの、実際の子育てがすごく大変で、苦手だな…と感じていた時期がありました。でも苦労して、しかも幸運にも授かった子どもなのに「育児が大変」なんて言ったらぜいたくだと思い、だれにも相談できませんでした。
乳幼児健診などでは保健師さんたちが親切に「どうですか」と聞いてくれるのですが、「子育てが苦手です」とはすごく言いづらかったんです。子どもはかわいいけど、いまだにほめ方もしかり方も全然わからないのが正直なところです。

蟹江先生(以下敬称略) 健診などで「子育てが苦手」と相談すると虐待する親と思われるのが心配という声はよく聞きます。ただ、保健師さんはママの味方になってくれる人ですから、きっと助けになってくれるはずです。そこから行政のサポートにつながることもあります。
保健師さんじゃなくてもいいんです。パパやお友だちなど状況を理解してくれる人に話すだけでも心が少し軽くなることもあるでしょう。
加藤さんのような女優さんが「子育てが苦手」と発信してくれることで共感して安心できる人も多いと思います。

加藤 性格的にけっこうオープンな私ですら言いにくかったので…。ほかのママのブログがすごくキラキラして見えたり、カフェでおとなしく抱っこされている赤ちゃんを見たりすると、「大変なのはうちの子だけ? 私の育て方が悪いの?」と、どんどん悪いほうに考えてしまうことがありました。そういうとき、どこに相談に行ったらいいんでしょうか?

蟹江 もし毎日のように落ち込んでいる、泣いてしまう、眠れない、食欲がないなどが続くようなことがあれば、精神科を受診するほうがいいと思います。私の経験では、家族が様子の変化に気づいて連れてきてくれることも多いです。
すぐに精神科受診というのがハードルが高ければ、保健師さんに相談をするのもいいでしょう。保健師さんがママと赤ちゃんの状態を見て、精神科医に判断を求めにくることもあります。

加藤 実際、精神科を受診して産後うつ病と診断されたら、カウンセリングや投薬など、具体的にどのような治療を行うのでしょうか。

蟹江 必要だと診断されれば抗うつ薬を内服することもあります。人によっては抗うつ薬を飲んでいるときには心配だから授乳をやめる場合もありますが、抗うつ薬の母乳への影響はかなり少ないと考えられています。授乳を続けながら治療をすることが可能です。

また、私は「認知行動療法」というものを専門にしています。認知行動療法というのは、加藤さんのように「やっと授かったから大変なんて言ったらぜいたく」と考えてしまう気持ちを、「やっと授かったけど大変だって言ってもいいじゃない」と、少し気楽な考え方に変える治療法です。

世の中に完璧な親なんていません。上手な面も苦手な面も持ちつつ、ほどほどの親だって子どもはちゃんと育ちます。初めて子どもを持ったら、親になるのはみんな初めてだし、苦手でもわからなくても当然ですよね。育て方を知らない、慣れていないだけなので、少しずつ勉強したり慣れていけばいい、という考え方になるようにカウンセリングしていきます。

産後の子育てや授乳のことをもっとオープンに話したい

加藤 子育てってすべてのことが初めてで、困ったときにどうしていいか、だれを頼っていいのかもわからないことばかりでした。とくに乳腺炎に対応してくれる「母乳外来」というものがあることも知りませんでした。

蟹江 乳腺炎はすぐに対処しないとひどくなってしまうから、母乳外来のことは広く知ってほしいですね。それに母乳育児の場合、赤ちゃんの授乳時間が2〜3時間おきで、1回の授乳が30分くらいかかると、実質1時間くらいしか眠れないっていう…こういうリアルな情報って、なかなか少ない気がします。

アメリカのドラマでは「授乳が大変で全然眠れない」とか、産後のママが「乳汁で服が汚れちゃった!」とか、オープンにされていますけど、日本では産後に胸が張ってしまうことも言いづらいから、情報が得にくいですよね。

加藤 たしかに。働くママとしては、仕事中に搾乳をしなくてはならないケースもあると思います。どういう搾乳方法がいちばんやりやすいか、とか知りたいですよね。

蟹江 女優さんって、実際はどうしているんですか?

加藤 授乳中に仕事復帰した私は、ロケ現場では休憩のたびにトイレやマネージャーの車で搾乳していました。時間がないのですぐ着脱できるように、ラップタオル(プールの着替えなどで使う巻きタオル)をかぶって搾乳していました。

蟹江 私も産後に7〜8時間かかる試験を受けないといけないことがあって、トイレで紙おむつに搾乳したことがありました。もっと女性が発言しやすくなって、仕事中や試験中でも堂々と搾乳の時間が必要だとか、搾乳用の場所が必要だと言えるようになるといいと思います。まだまだ女性がひっそりと隠れて処理している現状ですよね。

加藤 そういう小さなストレスをいくつも1人で抱えてしまうことが、産後うつ病の引き金になるかもしれませんね。大変だという事実を周囲に共有して理解を求めることが解決の1つでもありますよね。

産後ケア事業や、一時預かりなどを利用する方法も

加藤 私は産後に、子どもとどうやって接していいかわからなくなってしまった時期がありました。そういうときは、子どもをだれに預かってもらったほうがいいんでしょうか。私が出産したときは親が76才で頼るわけにもいかなくて…。

蟹江 大体どの自治体でも一時預かりがあるはずなので、利用してお子さんと数時間離れる時間があるといいかもしれません。保育園に通っていなくても利用できます。結婚式に出たいとか、美容院に行くとか、お茶を飲みたい、という理由でも利用していいんですよ。

加藤 それは知りませんでした!

蟹江 子育て支援サービスが利用しやすい地域とそうでない地域もあるので、意外とどこに住むかも重要だったりします。産後に利用できる児童館や、ファミリーサポート、病児保育や小児科の場所なども事前に調べておくと安心です。

また、ここ数年で自治体の産後ケアサービスがかなり充実してきました。利用方法は各自治体によって違いますが、デイケアでは授乳のしかたを教えてもらったり、赤ちゃんを預かってもらい少し休めたり。ナイトケアは、夜に赤ちゃんのお世話を手伝ってもらいながら宿泊することもできます。そういった産後ケアには助産師さんがいるので、相談もできると思います。

加藤 そういうサービスで、ただおしゃべりするだけでラクになったり、自分の考えが整理できることもありそうですね。子育てを視野に入れて不妊治療していたつもりでしたが、実際の子育ては、睡眠不足、体力の問題、子どもが急に病気になるなど、想像をはるかに超え、いろんな大変なことが次から次へと起こって休む間もありません。不妊治療中や妊娠中にも、準備できることがあると知ることができてよかったです。

お話/加藤貴子さん 撮影/アベユキヘ 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・監修/蟹江絢子(かにえあやこ)先生 

産後の不安な気持ちをだれかに少し話すだけでも、心が軽くなることもあります。ママだけでなくパパも、産後うつ病の相談先や産後ケア事業などを知っておくと、いざという時にサポートできるでしょう。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

加藤貴子さん(かとうたかこ)

PROFILE
1970年生まれ。1990年に芸能界デビューして以降、数々の作品に出演。代表作として『温泉へ行こう』シリーズ(TBS系)、『新・科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)、『花より男子』(TBS系)などがある。

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