他人ごとじゃない! コロナ禍、保育園が休園でねんねトラブルが急増中【米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタント】
まだまだ予断を許さない新型コロナウイルス。保育園が休園になって困っているママ・パパも多いことでしょう。私が住んでいるニューヨークは一時期よりも、少し感染が落ち着いてきたと実感しています。
保育園から休園の連絡が入ったり、家族が新型コロナウイルスに感染すると「どうしよう…」と不安と焦りが出てくると思います。
わが家も、長男が新型コロナウイルスの陽性になったときには「ついにわが家にも来た。さて、隔離生活はどうしよう」と、一瞬、頭が真っ白になりました。けれど、「いつかはわが家にも来る。いつなっても大丈夫にしておこう。」と、この2年間、具体的な対策を考え、ニューヨークで生活をしてきました。そのおかげで、ある程度、冷静でいられたと思っています。
長男の隔離生活は1週間。ほかの家族に感染させないよう必死でしたが、夫は無症状で感染。けれど、私と次男はずっと陰性で乗りきれました。実際の隔離生活は、生活スケジュールが大幅に乱れ、睡眠の悩みも出てきて、とても大変でした。
日本人初の米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文さんが、米国NYから情報を発信!
「愛波文さんのぐっすりねんねROOM#35
休園中の赤ちゃんの3大睡眠トラブルって?
新型コロナウイルスの影響による休園、家族の新型コロナウイルス感染による隔離生活などで、現在、私のサイトなどにも、赤ちゃんの睡眠の悩み相談が急増しています。
生活リズムに変化があると、赤ちゃんや家族の睡眠にも影響が出てきてしまうのです。そこで、今、最も多いお悩み3つと、それぞれの解決方法をお伝えします。
【お悩み その1】 昼寝をさせる時間がない・昼寝をしてくれない
ママ・パパが共働きで、在宅勤務の場合、日中は仕事があります。ずっと赤ちゃんと遊んでいることは難しいので、テレビや動画などを見せる時間が多くなってしまうと思います。でも、今は期間限定と割りきって、見せてもOKと考えましょう。
けれど、テレビや動画などを長時間見ていると脳が興奮状態になってしまい、その影響により昼寝ができなくなる、ということも実はあります。
【解決法】赤ちゃんが2歳前なら、日中に、ママ・パパも一緒に昼寝をする
2歳前の赤ちゃんは、日中に昼寝をしないと、おそらく夕方にグズると思います。赤ちゃんがグズグズすると、ママ・パパは仕事を中断して、抱っこするなど対処する必要が出てきます。
夕方のグズグズを減らすためには、お昼休みの昼食後に、赤ちゃんと一緒にママ・パパも昼寝を30分~1時間程度してみましょう。そうすることで、赤ちゃんの夕方のグズりを減らすことができます。また、ママ・パパもリフレッシュできて、仕事の効率がアップすることも期待できます。
【解決法】2歳ごろ以降なら、無理に寝かせず、ひとり遊びタイムを設定
子どもが2歳ごろ以降は、自我も発達し、疲れていないと昼寝をしたくなくなる子も出てきます。昼寝をしてくれない場合、無理やり昼寝をさせる必要はありません。昼寝の時間=ゆっくりする時間と考えればOKです。ただし、テレビや動画は控えましょう。
20分ほどタイマーを設定し、「20分好きなことで遊んでいいよ」と伝え、おもちゃを準備します。ブロック遊び、お絵描き、絵本を読むなど、好きなことで遊んでもらいましょう。
このときのポイントは、“タイマーを使う”こと。タイマーを使うことで、ママ・パパは自分の時間を確保できます。そして、途中で子どもに「ママー・パパー」と呼ばれることが少なくなるのです。
日中に昼寝をしない分、夜は18時半や19時ごろなど、早めに就寝させましょう。もし、ママ・パパのお仕事が残っていたら、子どもが早く寝てくれることにより、子どもが寝たあとに、少し仕事ができる時間も作れると思います。
【お悩み その2】 夜なかなか寝てくれない
休園で子どもが家にいるとき、日中、子どもがたくさん昼寝をしてくれると、ママ・パパは仕事ができていいからといって、寝かせすぎていませんか?
赤ちゃんは日中の昼寝が長すぎると、夜に眠くならず、眠ってくれない…いうこともよくあることなのです。
【解決法】夕方の昼寝を避け、朝はしかり日光浴を
夕方に昼寝をさせてしまうと、夜に眠くなりません。昼寝の時間は、赤ちゃんが1歳6カ月くらいまでは15時ごろまでに、1歳6カ月以降は、14時ごろまでには切り上げましょう。
そして、夜の睡眠を促すために、最も大切なことは朝の日光浴です。朝、日光をしっかり浴びることで、幸せホルモンとも言われているセロトニンを分泌させることができます。そのセロトニンが夕方から夜にかけて、睡眠ホルモンと言われるメラトニンに変化していくのです。これは、赤ちゃんだけではなく、ママ・パパにもいいことなので、日光浴を心がけてみましょう。
また、夕方から夜にかけては明るい照明を控え、少し落ち着いた照明の中で過ごし、夜の睡眠を促してみて。
【お悩み その3】 夜泣きが再発!
在宅で育児・仕事をすると、最初は生活リズムが大きく崩れてしまうことが多いと思います。一度収まった夜泣きに、再度悩まされることも多いです。
【解決法】できるだけ生活リズムを一定に
私は、子どもが家に常にいる中で、1年ほど在宅勤務をしていました。だから、みなさんの大変さがよくわかります。仕事をしようとデスクに座った瞬間に「ママー!」と呼ばれたり、1時間おきに「おなかすいた!」と言われたり…。
私も生活リズムがつかめるまで、爆発しそうなときもありました。けれど、ママ・パパがイライラしていたり、あせっていると、子どもはそれを察知して不安定になってしまうことがあります。
ママ・パパができることは、保育園(もしくは幼稚園など)が休園でも、子どもの生活リズムを整えてあげることです。習慣づけてあげることで、赤ちゃんだけではなく、ママ・パパもラクになっていくはずです。
早起き早寝も大切ですが、夜泣き防止として大切なことは「ねんねルーティン」。寝る前は、毎日必ず同じルーティンで過ごすことで、赤ちゃんは安心して寝てくれるようになります。そのねんねルーティンの中に、ぜひ“肌と肌の触れ合いタイム”を加えてください。「大好きだよ」と言葉で伝えることも大切です。
たとえば、ルーティンの1つとして、
「おふろ→スキンケア→肌と肌の触れ合いタイム→絵本を読んでねんね」など。
同じ流れを毎日繰り返すことが、大切なポイントです。
新型コロナウイルスとの生活は、正直「もう本当に勘弁!」と、私も思うこともあります。自分が置かれている状況を冷静に受け入れ、少しずつでもできることをやっていれば、ねんねの悩みを改善していけるはずです。
こういう日々だからこそ、悩んでいたら、一人で抱え込まないことがとても大切です。大変な今を一緒に乗りこえていきましょう。
文・監修/愛波 文さん 構成/ひよこクラブ編集部
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。