発達心理学の専門家に聞く「早生まれ赤ちゃんが損するってホント!?」
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早生まれとは、1月1日~4月1日に生まれた子のこと。同じ年に生まれた4月2日~12月31日生まれの子より、1年早く小学校に入学することになります。
このため、1月1日~4月1日が予定日の人は、「早生まれだから大変だね」「保育園入園が不利」なんて言われた経験があるかもしれません。実際のところはどうなのか、発達心理学がご専門の秦野先生にお聞きしました!
保育園は「0才児クラスが入りにくい」のはホント
「日本の保育園は4月に年度が切り替わり、募集定員が発表されます。年度の途中の月では、定員に空きが出た場合に募集されるのみ。1才児クラスの4月入園は、0才児ですでに入園している子が持ち上がるため、募集定員はわずかなケースも。そのため、0才児クラスから預ける人が増えていますが、0才児クラスの4月入園は、園によって『生後57日から』といった規定があるため、早生まれの場合、預けられる月齢に達していないこともあるのです。このような理由から、『早生まれは保育園入園に不利』といわれています」
早生まれだからといって、成長の進み具合が遅いわけではない
「大人になると、早生まれか遅生まれかはほとんど気になりませんが、赤ちゃんのころの『数カ月』は、とても大きいもの。
幼稚園や保育園など、学年で区切られる集団生活が始まると、発育・発達の差が気になるかもしれません。ただし、発達が早いか遅いかは個人差によるところが大きく、早生まれだからといってスピードが遅いわけではありません。ママはあせらず、長い目で見てあげることが大切です」
5才過ぎには学力の差もなくなってきます
「早生まれだから学力が低い、というデータはありません。ただ、遅生まれの子に比べ、勉強や運動面で差を感じることもあるでしょう。バラバラに伸びていた成長が追いつき、まとまってくるのは5才過ぎ。それまでは『できなくて当たり前』と思って、子どものペースに合わせてあげて。一方で、『歯を磨く』『トイレに行く』といった生活習慣は、生まれ月に関係なく、親のかかわりがポイントになります。『早生まれだから遅くていい』ではなく、きちんと取り組んでいくことが大切です」
早生まれが不利かどうかは、とらえ方次第。学年で比べると差が気になることもありそうですが、ほかの子から刺激を受け、いいモデルとして失敗も成功も学べることが多いはず。まずは、生まれ月にこだわらず、赤ちゃんの個性を見守ってあげたいですね。(文・たまごクラブ編集部)
■監修/白百合女子大学 発達心理学専攻 教授 秦野悦子先生
臨床発達心理士。専門は発達心理学で、言葉の発達や子育て支援に詳しい。神奈川県藤沢市の「わかふじ幼稚園」園長で、3人のお子さんのママでもあります。
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