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きこえない世界を一変させてくれたムスメに伝えたいこと~耳の聞こえないママは人気育児漫画家~

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ワーキングママとして働きつつ、「耳がきこえないママときこえるムスメ」の子育て漫画日記を描くうさささん。聞こえない夫婦のもとに産まれたきこえるムスメちゃんの子育てには多くの気づきと喜びがあふれています。それはたくさんのパパ・ママの心にも響いてTwitterフォロワー数は1.8万人越え! 今回はうさささんに子育て漫画を描き始めたきっかけや、聞こえないママならではの発見をお聞きしました。

プロフィール/うささ

会社員/エッセイ作家
わんぱくなムスメに振り回されながら子育てに奮闘する、うまれつき耳がきこえない白うさぎを主人公にした子育て日記、きこえないことに関するエッセイをSNSで発信中。
Twitter:@usasa21
Instagram:usasa21
blog:https://usasa21.napbizblog.jp/

聞こえるムスメとのコミュニケーション

――育児漫画を描き始めたきっかけや印象的なエピソードを教えてください。
ムスメが生まれ、あまりのわんぱくぶりにこれは記録に残したいなと、なんとなく育児日記を始めたのが最初のきっかけです。ムスメと身振りや手振りを使ってコミュニケーションが取れて、ムスメの世界と私の世界が繋がったときは、とにかくうれしくてうれしくて……。

「このうれしさを忘れたくない!」と思い、初めてきこえる・きこえない関係の育児漫画を描き上げました。

「パパ」と「ママ」は口の形が似ているため読唇で読み分けることは難しいのですが、娘が指をプルプルさせながら伝えてくれた日のことは忘れられません。

聞こえるムスメが成長するとともに、「聞こえる世界」にふれて多くのことに気づかされました。自分の記録のつもりで描いたものがTwitterで思った以上に反響をいただいて驚いています。聞こえない人が聞こえる人の世界を不思議に思うように、聞こえる人も聞こえない人の世界は不思議に思うものなのだなと実感しました。

コロナ禍……聞こえないママの戸惑い

――コロナ禍での育児には誰もが戸惑いを覚えていますが、うさささんはどう感じていますか?

コロナ禍により聞こえない人のコミュニケーション方法は大きく変わってしまいました。私は生まれつき、重度の難聴です。100dbの音(電車が通る時のガードレール下の騒音レベル)がようやく耳に入るといった感じです。補聴器をつければ音は聞こえるのですが、それは言葉を成しておらずなんて言っているのか? どこから聞こえるのか? はわかりません。状況を見ながら、相手の口の形を読み取り、どの言葉を言っているのか予測しながら会話をします。

そのため、相手がマスクをしていると表情も読み取りづらく読唇ができず、スムーズな意思疎通ができないことが少なくありません。そこで、こえない人間がどんな状況にあるのかを知ってほしくて描いた漫画もあります。知っているのと知らないのとでは大きく意味も対応も異なるので、とにかく知ってもらえればと思います。

育児漫画から広がる可能性

――漫画を投稿したことによる変化はありますか?

育児漫画を上げるたびに共感の声があり、聞こえる・聞こえない関係なく、みんな同じように育児をがんばっているんだなと実感します。また、ムスメと同じように聞こえない両親を持つ方から、「自分の親も同じような気持ちで育ててくれたのかもしれません」といったメッセージをいただくようになりました。私が描く漫画でご両親を思い出す方もいると知り、目頭が熱くなりました。

聞こえない立場からの発見を描いたエッセイ漫画は勉強になるという声が多く、いろんな人の気づきにつながっているのだと認識しました。

――漫画を公開することでご家族や周囲からリアクションはありましたか?

実の両親は幼い頃から絵を描くことが好きだった私をそっと見守ってくれました。今も私の活躍を応援してくれており、やる気につながっています。エッセイ漫画家としては遅咲きですが少しずつ恩返しができたらと思っています。

――漫画を描くうえで心がけていることは何ですか?

何かを伝えたいときは文章なり動画なり、いろんな伝達方法がありますが、もっともわかりやすく伝わるのは漫画だと私は思うのです。なので、「どれだけわかりやすいか」「どれだけ相手に伝わるか?」をつねに意識しながら描いています。

――今後取り上げたいテーマはありますか?

聞こえない人が描くエッセイ漫画はまだまだ少ないように思いますので、今後も発信を続けたいと思っています。また、”聞こえない”をテーマにした絵本など、創作方面でも何か出せたらいいなと思っています。


聞こえないからこそ、ムスメさんとのコミュニケーションや日常の気づきを大切にするうさささん。また、立場や環境が違っても育児は平等に大変で、そしてかけがえのない喜びがあると気づかされました。次回は、うさささんの子育て法や工夫をお聞きします。

取材・文/佐藤 文子

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