育休復帰直前のママたちへ スムーズに仕事復帰するための心構えとは【専門家のアドバイス】
産休、育休を経て4月から仕事復帰のママは、そろそろ復帰の準備も佳境ですね。
今回のテーマは職場復帰前の準備についてです。
職場によっては、復帰前に研修があるところもありますが、それは果たしてマストなのか、どうしても都合がつかずに参加できなかった場合はどうしたらいいのか…口コミサイト「ウィメンズパーク」のママの声とともに、保育園に子どもを預けて働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」代表で、保育ジャーナリストの専門家の普光院亜紀さんのアドバイスを紹介します。
復帰前研修に参加したくても、子どもの預け先に悩むママも
――まずは、あるママの相談の声から紹介します。
「4月から職場復帰予定の3人の子の母です。私の職場では、子どもは誰かに預けて、母親のみで復帰前に体や感覚を慣らすという研修があります。
たまたま研修の日に上の子の病院の予約があり、その研修は参加できませんでした。その後、準備するものを取りに職場に行くと、『復帰前に慣らしで仕事しにきてもいいよ』いうと声がけがありました。子どもを預ける先もないので難しいのですが、これって必ず受けなければいけないものでしょうか?」
この声に、多くのママがアドバイスしました。
■ どうしても出られる条件が整わなかったら仕方ないのでは?
「私がその立場なら、今回は欠席で、追加での研修も仕事もしないです。
出勤中の子どもの安全が確保されてないのと、すでに何度も研修を受けていて内容を把握しているということもあるので。
しかも、欠席の理由が半年前から決まっていた通院なら、致し方ないかなと。
復帰前研修、最近増えてますよね。会社によっては、任意でパートナーの同席を求める会社もあると聞きます。復帰後の両立のためにはパートナーの意識改革も重要なので、悪いことじゃないし、妻から言われるより妻の会社から言われる方が効果はありそうなので、そういう会社もあっていいと思います」
■ 私なら「参加は難しい」「ならし保育が始まれば半日とかなら」と答えます
「正直、面倒くさい制度ですね。何するんでしょうか?
私なら預け先が見つからず難しいので、慣らし保育の後半の午前中なら行けなくもないです…と答える感じでしょうか。
参加したいと思うかは、内容によりますよね。行ったほうがいいと思うなら、夫に有休を取ってもらって行きます。
私の勤めてる会社は1時間ほど、任意で復帰前面談というものがあります。慣らし保育の時に行く予定です。子連れでも大丈夫だそうです。上の子たちの時には夫に預けて行きましたが、社内規則などが変わっていて、それを知る機会にもなったので行ってよかったです」
■ 内容は参加しなくてもよいと思いましたが、上の人がどう判断するか…
「私の場合、内容は実習+心構えを発表し合う、みたいな感じで、特に新しく変わった何かを伝えるものではなかったです。復帰してからで十分な内容だな、と思いました。
ただ問題なのは、参加しないと上司などがやる気がないと三行半を押しそうな予感…。
あとは夫ですね。夫の有休が余裕で取れそうなら行こうかなと思います」
■ 仕事の感覚が鈍っていると思うから、私は参加したい
「私なら参加したいです。産休・育休で2年も職場を離れていたから自分自身がちょっと心配。やっぱり感覚的なものは鈍っていると思うので、短時間でも慣らしがあるなら参加したいですね。でも、そういうものは復帰してからやっても良いんだと思いますが、そこは会社によりけりだと思います」
■ 復帰後に研修を受けました。後は夫に休んでもらっては?
「うちの会社ではそういうのはないですが、似た感じで、復帰後すぐに研修のようなものはあります。復帰前に行ってもオッケーだけど、みんな復帰後初日か翌日に受けますね。
ただ、社内のいろいろな研修は全てオンラインでやってるので、今はオンラインでやれるんじゃないかな。
私は2回経験していますが、内容は2回とも違いました。1年も休めばいろいろと会社の中が変わっているので、夫に仕事を休んでもらって行こうと思います。
夫についても1日くらい仕事を調整できないなんて、今後が思いやられるのでその慣らしのためということでもあります」
内容や実施方法を聞いてから判断してみては
仕事復帰する前の研修へのみなさんのスタンスが少しうかがえますね。
そもそも、復帰前研修への参加はマストなのか、参加できない場合はどのように伝えたらいいのかなどについて、職場復帰事情にくわしい普光院亜紀さんに解説いただきました。
「国は、子育てと仕事の両立を支援する施策を進めていて、子育てサポートを頑張っている企業に『くるみん認定』を付与したり、育休復帰支援プランを策定している中小企業に助成金を出したりしています。
そういった支援策の中に育休復帰前研修なども含まれていて、広く実施されるようになっています。
とはいっても、企業によってやり方や内容は違っていますし、子どもを預けられるかどうかなど社員の側の事情もさまざまですから、あまり『ほかの人がどうしているか』に気を取られすぎないほうがよいでしょう。
まず、人事に内容や実施方法(対面、オンライン、保育の有無)を確認して、受けられるか(子どもの預け先など)、自分が受けたいか、必要があるかなどを考えてみてください。
会社としては、多くの社員に参加してもらって支援の実績をつくりたいというのがホンネかと思いますので、問題なく参加できるのであれば、前向きに考えることをお勧めします。
対面で行われる場合は、他の育休者と会えてつながりができるかもしれず、そうなれば復帰後も何かと心強いものです。
けれども、子どもを預ける先がない、自分の心身の状態が万全ではないという場合には、無理をすることはありません。多くの場合、仕事の勘を取り戻すのは復帰後でも間に合います。
参加しない場合は、上司に『参加したいけれどできない』理由を伝えることが必要です。『面倒』『気が進まない』というのではなく、子どもの保育や自分の体調など、明確な理由を伝えたほうがよいと思います。
どうしても復帰前に習得してほしい内容があるということであれば、オンラインで提供してもらうなど、方法について上司や人事と相談してみるとよいでしょう」
(お話/普光院亜紀さん)
もし、参加を希望しているのなら、会社側に参加できる方法を相談してみるのもありですね。スムーズに仕事復帰できることを願っています。
(取材/文・橋本真理子)
※文中のコメントは口コミサイト「ウィメンズパーク」の投稿を再編集したものです。
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
普光院亜紀さん 著書『後悔しない保育園・こども園の選び方』(ひとなる書房)

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