SHOP

たまひよ会員

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 赤ちゃんの病気・トラブル
  4. 【小児科医リレーエッセイ 40】 赤ちゃんのお誕生に際し、妊娠中からかかりつけの小児科クリニックを決めましょう

【小児科医リレーエッセイ 40】 赤ちゃんのお誕生に際し、妊娠中からかかりつけの小児科クリニックを決めましょう

更新

妊娠中の女性が彼女の夫にタブレットを示す笑みを浮かべてください。
※写真はイメージです
Wavebreakmedia/gettyimages

「日本外来小児科学会リーフレット検討会」の先生方から、子育てに向き合っているお母さん・お父さんへの情報をお届けしている連載です。今回は、大阪府門真市・松下こどもクリニック院長の松下享先生です。松下先生は「出産準備の1つとして、赤ちゃんのかかりつけとなる小児科クリニックを妊娠中から決めておくことをおすすめします」と言います。

出産準備の1つとしてかかりつけ医を決めましょう

赤ちゃんを授かった時から、生まれてきてからの準備に心が弾みます。衣類、おもちゃ、入浴グッズ、ベビーベッドに収納棚、など考えるだけで楽しくなりますね。一方で退院して自宅に戻ると、急に子育てに不安を感じたり、赤ちゃんのちょっとしたしぐさに病気ではないかと心配になったりもします。また生後2カ月から始まる予防接種についても、出産後の多忙な日々を過ごすうちに時間がたち、十分な情報収集や準備が整わないうちに接種時期を迎えてしまいます。
そこで出産準備の1つとして、赤ちゃんのかかりつけとなる小児科クリニックを決めておくことをおすすめします。出産までに、候補となる小児科クリニックを訪問されるのもいいですね。

小児科クリニックの選び方にはポイントがあります

まずは、アクセスを確認しましょう。小さい赤ちゃんを連れて受診するのはなかなか大変です。徒歩、自転車、自家用車、公共交通機関の利用など、実際にお母さん・お父さんなどが赤ちゃんを連れて受診する状況を考えておきしょう。
クリニックのハード面やソフト面についても事前に確認をしておきましょう。クリニック内の設備は子どもや保護者に気配りされたものか、車で通院される場合の駐車場の位置や広さ、診療は予約制を採用しているか、予防接種や健診などは感染症で受診する子どもと時間的・空間的に区別されているか、などはポイントとなる項目です。クリニックのホームページなどを参考にしてみてください。
クリニックの標榜科や医師の資格も参考になります。標榜科が「小児科」だけのところは、小児科専門医が診療していることが多いようです。一方で、「〇〇科、△△科、小児科」と他科が小児科よりも先に表示されているクリニックでは、小児科専門医が担当していないかもしれません。ただし、地域によっては担当医が小児科専門医以上に子どもの診療に熟練していたり、当該日だけ他病院から小児科医が派遣されている場合もありますので確認しておくのも1つです。
小児科の専門性については、日本小児科学会と日本専門医機構が「小児科専門医」を、日本小児科医会が「地域総合小児医療認定医」を定めています。いずれも小児科学に精通した医師や小児の日常診療を専門としている医師に与えられる資格ですので、クリニック選びの際には参考になるかもしれません。

小児科医は子どもの総合医で、水先案内人です

成人では、循環器科、呼吸器科、消化器科など臓器別の専門科に分かれていることが多く、自身で自分の症状に合わせて受診する科を選ぶことになります。しかしながら、小児科の場合はそうではありません。小児科は「子どものすべてを診る科」であり、小児科医は「子どもの総合医」です。何か心配される症状があれば、まずは小児科を受診して相談されることをおすすめします。もちろん、1人の小児科医がすべての病気に専門性をもって対応できるわけではありませんが、相談の内容に応じて適切な受診科を紹介させていただくことができます。お母さん・お父さんの判断で受診する科を決めないで、まずはかかりつけの小児科クリニックで相談してみてください。小児科医は子どもの病気の「水先案内人」といえます。
さらに、子育てなどへの不安や心配事なども小児科で相談してください。「小児科=子どもの病気」と考えがちですが決してそうではありません。小児科クリニックは子どもの健やかな成長を見守り、子育てを応援し種々の相談にも応じるところでもあります。どんなささいなことでも安心して相談できる小児科クリニックに巡り合えるといいですね。

受診に際して大切なこと

出産後は、いろいろ心配なことも多くなります。何か気がかりな症状や相談したいことがあれば、以下のようなことに注意して受診してみましょう。
1)受診の予約
とくに新生児~生後数カ月であれば、受診される前には電話などでクリニックに相談されることをおすすめします。新型コロナウイルス感染症の流行も懸念される中、いろいろ配慮すべき点がありますので、クリニック側にとっても対応しやすくなります。
2)症状の経過と質問内容
初めての受診は緊張しますね。あわててしまって、伝えたいことがうまく話せないことも経験します。せきや発熱など症状の経過は診断の際にも重要となりますので、「どんな症状がいつからどのようになったか」などは簡潔にまとめておくのがいいでしょう。最近ではスマホを利用して記録を残したり、湿疹や便などは写真で保存しておけば有力な情報として役に立ちます。また、担当医に聞きたいことをあらかじめメモしておくのも有用です。聞きたいことは簡潔に整理しておくこと、そしてどんな簡単(単純)なことでも決して遠慮せずに言葉にして伝えることが大切です。

信頼関係を築くことが重要

担当医の診察や説明を受けて、子どもやご自身と「合わない」と感じられる場合があるかもしれません。医師の側にも、同じ思いが生じることがあります。いい関係を構築するには、お互いに心を開いて接することが大切です。これは医師側にも患者さん側にも言えることです。かかりつけの小児科クリニックを決めたあとは、以下の点も参考にしてみてください。

【参考1】
クリニックの評判(口コミ)などが掲示されているサイトもあるようですが、評価されている側としては必ずしも正しい評価と言えない場合もあります。かかりつけ医の決定には、他人の評価に惑わされずお母さん・お父さん自身で決められるのがいいでしょう。

【参考2】
かかりつけのクリニックを決められたら、通常の診察や予防接種、乳幼児健診もすべてを同じクリニックで行うようにしましょう。時々、通常の診療と予防接種を別々のクリニックで受けられるお母さん・お父さんがいますが、これは決しておすすめではありません。とくに予防接種は、健康な時も病気の時もお子さんの状態をよくわかっている医師が判断することが重要であり、そのことが子どもにとって最も安全で確実な接種につながります。

【参考3】
一度かかりつけ医と決めれば、しばらくは通院してみてください。時々、同じ症状でいくつもの医療機関を受診され、多くの薬を処方されている子に出会うことがあります。医師は、「病気の経過」を診たいと考えています。前回受診からどんな症状がどのように変化したか、それを踏まえて次のステップに進みます。すぐには結論を出されず、担当医にも時間を与えていただければと思います。

さあ、小児科クリニックに行ってみましょう。そして病気のことだけでなく、子育てに関する不安など何でも相談をしてみましょう。保護者と医師で良好な関係を築くことができれば、子育ての強い味方を得たのと同じです。小児科医は子育てのパートナーです。

文/松下享(まつしたとおる)先生

■おすすめ記事
毎日の「遊び」に5つのことを取り入れて「学び」を伸ばそう

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング

関連記事

赤ちゃん・育児の人気テーマ

新着記事

ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。