赤ちゃんの急な発熱にあわてないために。ママ・パパが覚えておきたい対処のしかた【小児科医監修】
赤ちゃんが熱を出したとき、どのように対処したらいいか、知っていますか?赤ちゃんは夜中に、突然高熱を出すこともあります。そんなときでもあわてず行動できるように、受診の目安を知っておくことが大切です。
熱があると思ったときにまずすること、38度以上の熱があった場合はどうしたらいいかなど、対処のしかたを覚えておきましょう。小児科医の若江恵利子先生に教えてもらいました。
発熱とは、細菌やウイルスに対する防御反応。まず初めにすることとは
赤ちゃんは平熱が高いので、38度以上を「発熱」と考えます。発熱は、風邪などの感染症にかかったとき、体内に侵入した細菌やウイルスの活動を抑えようとする防御反応の一つ。体温だけにとらわれず、全身の様子を確認しましょう。
見逃さないで!こんなときは、赤ちゃんの発熱サインかも…。
以下のように、赤ちゃんの様子がいつもと少し違ったら、発熱のサインかもしれません。体温を測ってみましょう。
●食欲がない
●ひどくグズって機嫌が悪い
●顔が赤い
●抱っこしたとき、体がいつもより熱い
●おっぱいを飲む口が熱い
●せき・鼻水などの風邪症状がある
赤ちゃんに熱がある!と思ったら、まずすることをチェック
まずは、わきのした用の体温計で正しく体温を測ります
・体温計の銀色の部分を赤ちゃんのわきのしたのくぼみに当てて挟む
・計測の途中で体温計がずれないよう、赤ちゃんの腕を押さえる。わきを締めるのがポイント
体温を正確に測れるわきのした用の体温計を使います。体は熱いのに測ると低い、たびたび体温が違う場合は、うまく測れていない可能性があります。正しい位置に体温計が当てられているか、必ず見て確認してください。
着せすぎを解消し、30分後に再び検温する
衣類の着せすぎやふとんのかけすぎで、赤ちゃんの体温が高いときもあります。その場合は、薄着にして、30分後にもう一度検温しましょう。
熱が38度以上あった!ときにすること(赤ちゃんが3カ月以降の場合)
下記のうち、1つでも当てはまったら、診療時間内に受診しましょう(赤ちゃんの状況や、症状によって対応のしかたを確認するため、電話してからの受診がおすすめ)。
☐発熱のほか、嘔吐や下痢、せき、鼻水などの症状がある
☐機嫌が悪くグズグズする、食欲がないなど、いつもと様子が違う
☐3日以上発熱が続いている
下記のうち、1つでも当てはまったら、診療時間外でも受診しましょう。
※「診療時間外でも受診する」とは、病院の診療時間を待たず、休日・夜間診療、救急外来を受診することです。
☐せきがひどく、赤ちゃんが苦しそう
☐水分を一口飲んでも吐くことが続いている
☐ぐったりしている
☐6時間以上おしっこが出ていない
※おしっこの回数が極端に少ないときは、脱水を起こしていて、点滴が必要な場合もあります。病院に問い合わせてから受診をしてください
下記のうち、1つでも当てはまったら、至急、救急車を呼んで受診して!
☐けいれんを起こした(初めての場合)
※けいれんを起こしたら、まず平らな場所に赤ちゃんを寝かせて、静かに呼びかけ、意識を確認してください。抱き上げる、揺さぶるなどはNG。また、けいれんが続いた時間を記録しておきます。余裕があれば、けいれん時の様子を動画に撮っておいて。
☐意識がおかしく、反応が悪い
監修/若江恵利子先生 撮影/なべ 取材・文/ひよこクラブ編集部
赤ちゃんが初めて発熱したときや、夜中に突然高熱を出したとき、親は不安になるでしょう。いざというときにあわてないよう、受診をする目安やおうちでのケアを知っておくと安心です。
参考/『中期のひよこクラブ』2022年夏号 「受診の目安 おうちケア どうすればいい?赤ちゃんが熱を出した!そのときママ・パパができることは?」
●掲載している情報は2022年7月現在のものです。
『中期のひよこクラブ』2022年夏号には「受診の目安 おうちケア どうすればいい?赤ちゃんが熱を出した!そのときママ・パパができることは?」特集があります。実際に赤ちゃんの発熱を経験したママ・パパの体験談も紹介しています。