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たった一つの大切なこと<後編>

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子育ての極意「たった一つの大切なこと」

 子どもを育てる上で第一に大切なのは、「しつけ」でも、たくさんの「○○ができるようにする」ことでも、ましてやそれらを先取りすることでもありません。

 では、子育てで最優先にすべき大切なこととはなんでしょう?
 それは「受容」ということです。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、ざっくりと言えば「かわいがること」です。

 「かわいがる」なんて、「そんなこと当たり前でしょ」「簡単だよ」と思われるかもしれません。でも、家庭の在り方、社会のかたち、子どもを取り巻く環境の変化から、現代では「かわいがること」をきちんと意識しないと子育てが難しくなるケースが増えています。

 多くの人がわが子を大切に思っています。それゆえに「子どもをしっかり育てなければ」と、親が考える「正しい姿」にしようと子どもに干渉する「型にはめるようなかかわり」が多くなりがちです。

 その一方で、日本人は自分の感情や想いを伝えることにシャイな面があって、ただかわいがったり、大事に思っていることを表すのに積極的ではありません。その結果、子育てする上で大切なことの順番が入れ替わってしまっています。

 おむつを早くはずれるようにする、人見知りをしない、友だちとうまく遊べる、モノの貸し借りがうまくできる、食べ物の好き嫌いがないなどは、子育てで第一に大切なことではありません。
 それらを含むたくさんの子育てをする上でのさまざまな課題も、「しつけ」として親が子どもに望むようなこと全ては、かわいがられた子であれば、その子のペースではあるけれども後から自然とついてきます。

 なぜなら、明確に子どもをかわいがることを態度や言葉で伝えていくことで、子どもは現状に安心感を持ち、親への信頼感を高め、さまざまな物事へ取り組もうとするモチベーションや、親の期待に答えたいという意欲を高めていくことができるからです。しかも、そのようにかかわられてきた子は、子どもらしく素直な姿を現せるようになります。大人から見て「かわいい」と思えることが多くなり、子どもとかかわることの負担が大きく減ります。
 つまり、子育てを無理なく楽しくすることができます。

 子育ての極意「たった一つの大切なこと」は、「できる子にする」ことではなく「かわいい子にする」ことただそれだけなのです。

 かわいがるためには、
・体を使う(スキンシップ)
・言葉を使う(コミュニケーション)
・恥ずかしがらない

 ことがポイントです。
 子どもをなでたり、抱きしめたり普段から遠慮なく、恥ずかしがらずに接していきましょう。
 言葉は使っているようで、実はあまり活用されていません。
 心で思うだけで納得しないで、言葉を口にしてみましょう。

 「あなたのことが大好きだよ」
 「あなたが笑顔だとママも(パパも)幸せだよ」

 子どもにとって、言葉にしてもらえたものはかたちになります。それは疑う必要がありません。すると安心できるのです。安心して過ごしていれば、わざと困らせることをして親に振り向いてもらう必要がなくなります。

 相手が赤ちゃんでも、「どうせ言葉はわからないだろう」などと思わずにぜひやってみてください。赤ちゃんは大人が考えている以上にいろいろなことがわかっているものですよ。



須賀義一 先生
子育てアドバイザー

1974年生まれ。公立保育園勤務の後に退職し、現在は子育てアドバイザーとして講演、執筆活動を行なっている。従来の子育てを見直し、個々を尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。 二児の父でもあり、保育士としての経験を生かした子育てブログ『保育士おとーちゃんの子育て日記』が多くの人の支持を得る。難しくなりがちな現代の子育てを具体的に楽しいものにしていける方法を提案している。著書に『保育士おとーちゃんの「心がラクになる子育て」』『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)がある。

「子育ては楽しめるようになるのが一番です。”できる子”を目指すより、”かわいい子”を目指してみてください。きっと子育てが楽しくなりますよ!」

※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。

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