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今夏、手足口病が大流行!感染を防ぐには?大人は重症化する?【小児科医Q&A】

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●写真はイメージです
kipgodi/gettyimages

ニュースなどで、2022年の今夏、手足口病が大流行していることを知っているママ・パパも多いでしょう。でも、大人にはあまり見られないことから手足口病がそもそもどんな病気なのか知らない場合も。どんな症状があり、かからないためにはどうするのか、もしかかったらどうすればいいのか…。手足口病の気になるあれこれについて小児科医の黒澤照喜先生に聞きました。

手足口病が大流行していると聞いたけれど、どんな病気?

――今年はなぜ手足口病が大流行しているのでしょうか? この流行は全国的なものですか?

黒澤先生(以下敬称略) 私が勤務するクリニックでは、最近は1日に5人から10人程度(全患者数の十数%)、手足口病の患者さんが来院されます。
新型コロナウイルス感染症の流行などにより、手足口病の流行がこの数年見られませんでした。手足口病の原因ウイルスに対する免疫がない子どもが増えたところに感染が発生したことが、今年の流行につながったものと考えられます。

新型コロナウイルス感染症によって流行時期がずれた感染症もありましたが、手足口病のウイルスは高温多湿下でもっとも活性が上がる夏のウイルスです。今回については夏という時期も流行の一因となったと考えられ、手足口病は夏に流行するという、例年と同じ傾向になりました。
感染地域については、都道府県別で見ると2022年7月下旬時点では関東地方・北陸地方・山陰地方・九州沖縄地方で流行しているようで、地域差があるようです(※)。

――手足口病の主な症状と経過について教えてください。

黒澤 発熱から始まることが多いですが、見られないときもあります。発熱とほぼ同時かやや遅れて手や足に赤みのある発疹が出現します。熱が出た場合には高熱になることもありますが2日程度で平熱になり、その後は発熱しないことが多いです。発疹は広がり続け、口の中にも水疱ができることが多いため固形物をとれないこともあります。せき、鼻水、嘔吐、下痢などの鼻風邪や胃腸炎の症状はほとんど見られないのが特徴です。
発疹は発症から3日目くらいまで増えて、口の中の痛みもピークに。その後は発疹がかさぶたのようになり、5日目には通常通り飲んだり食べたりできるようになります。

――感染しても、軽い症状で終わることが多いと聞いたけれど本当でしょうか? また、一度かかったらもうかからないのでしょうか?何度でもかかるものなのか、ワンシーズンでも何度もかかることはあるのか、など教えて下さい。

黒澤 たとえば発熱しないなど、発熱・発疹・口の症状、それぞれ軽めの症状で済んでしまうことはありますが、「軽いことが多い」とは一概には言えません。一方で無症候性の人や、典型的な発疹が出ないため発熱を風邪と診断されてしまう患者さんもいるとは思います。
なお、原因ウイルスが複数あるため何度もかかったり、ワンシーズンに複数回かかったりすることもあります。ただし、後者はそこまで多くないです。

「手足口病かな…」と思ったらどうする?

――治療はどのように行われるのでしょうか。

黒澤 手足口病には特効薬がありませんがまずは医療機関を受診します。経過観察をして症状に応じた治療をしながら様子を見ます。ごくまれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合があるため、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分がとれずにおしっこが出ない、ぐったりとしているなどの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

――発疹は触っても大丈夫?水ぶくれをつぶして触ってしまったら感染する?かさぶたになるまで慎重にしなくてはいけないのでしょうか?また、発疹の跡は残りますか?

黒澤 水ぼうそうなどの発疹と違い、手足口病の発疹にはウイルスが入っていません。発疹は数日かけて広がり、その後1週間程度でほぼ跡を残さず消失するため、経過中、発疹に対する治療は不要です。強いて言えば、発疹は痛くもかゆくもないのですが、何らかの理由でかきこわしてしまうとほかの発疹と同様にとびひになる可能性はあります。

――口の中の発疹が食欲に影響し、そして飲めないことでの脱水が心配ですが、どんなホームケアが必要ですか?

黒澤 熱いもの、味の濃いもの、かたいものは染みてしまうため飲んだり食べたりが難しくなります。のどごしのいいものを与えることが大切です。また、たとえばオレンジジュースはダメでもリンゴジュースは大丈夫などの食品・飲料によっての多少の差がありますので、いろいろと試してみることが大切です。
のどが痛いのは2~3日程度で改善することが多いので、水分摂取に気を配ってもらえば、そこまで深刻な脱水になることは少ないです。

手足口病を防ぐには?感染を広げないためにできることは?

――感染経路や年齢などに傾向はありますか? やはり保育園や遊び場などで感染しやすいのでしょうか?

黒澤 感染者の9割は5才以下の子どもであり、とくに1~3才くらいが好発年齢です。
もっとも感染しやすい時期は発症直後から見られる「のどの痛み」「食欲低下」「よだれが多い」といった口まわりの所見が改善するまでの間です。手足口病のウイルスは主のどにいます。つまり、コロナのような飛沫感染・接触感染が主な感染経路と考えられます。その間は登園やお出かけは控えて自宅安静の原則を守ることが大切です。
一方で熱も下がって口の症状が消失しているお子さんであれば、たとえ発疹が残っていても一緒に遊んだからといえ感染のリスクは低いです。

――大人が感染すると子どもより重い症状が出ると聞きましたが本当でしょうか?

黒澤 大人に感染するケースも見られますが、重症化することはまずありません。通常の風邪よりも、口の中の発疹などで飲食関係に影響が出るのでつらいと感じることもあるかと思いますが、経過自体は子どもとほぼ同様です。

――効果的な感染対策はありますか?

黒澤 のどにいるウイルスの飛沫感染・接触感染が主であるため、マスク・洗浄剤による手洗いなどいつもの感染予防策が効果的です。なお、手足口病を引き起こすウイルスは胃腸炎のウイルスと同様、アルコール消毒は効かずに塩素系で消毒する必要があるとされています。

――もしかかってしまった場合、熱が下がってから何日、発疹が無くなってから何日など、周囲にうつすリスクが無くなる期間の目安はありますか?

黒澤 発熱についてはほかの風邪同様に解熱後24時間以上経過することが必要です。また、口の症状がある場合はウイルスがまだまだ活動していると考えて登園しないほうがいいでしょう。一方で、発疹は登園基準とは関係ありませんが、発疹がひどいと見かけの問題から登園を控えるように園からお願いされることもあるようです。

なお、ウイルスは何週間か便の中に排出されるといわれますが、そこまでの感染力はないこと、その期間園を休ませて自宅安静することは現実的ではないことから、そこまで気にしなくてもいいと思います。

監修/黒澤照喜先生

取材・文/岩崎緑、たまひよONLINE編集部

熱が出て発疹が出るとびっくりしてしまいますが、落ち着いてまずは医療機関を受診しましょう。もしもかかってしまったら、子ども本人の経過をよく見て、周囲に感染を広げない配慮も大切です。今年の夏は手足口病のほかにもRSウイルス感染症が流行しており、もちろん例年通りヘルパンギーナもはやっています。夏の感染症の対策を行って、乗りきりましょう。

※DWR速報データ 2022年第29週

「定点把握疾患(週報告)、累積報告数、定点当たり累積報告数、都道府県別」

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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