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父親の育児・家事参加への母親の本音について

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「お父さんはまだまだ」

 いまでは、男性の育児参加への動きはずいぶんと当たり前のものとなってきました。しかし、父親が考える育児参加と母親が求めるものには、結構ギャップがあるようです。今回はそのギャップについて考えてみましょう。

 先日、もうすぐ2才のお子さんをお持ちのお父さんからこんな話を聞きました。「自分としては結構頑張って育児に協力しているつもりなのだけれど、どうも妻は満足していないみたいで、なんかこの話題になると不機嫌になってしまうのですよ。どうしたものでしょうか......」

 このような話をいろいろな人から耳にします。実は、ここには男性と女性で育児参加に対しての意識の違いからくる問題が隠れています。

 このご夫婦のように、まだ表面化していなくてももしかすると奥さんは、不満をひしひしと感じているご家庭は少なくないかもしれません。

 当世は女性も男性と同様に社会に出ることが当たり前になり、「女性は家庭への奉仕者である」という考えることはすでに過去のものとなっています。

 そんな女性の意識からすると、「妊娠・出産をして母乳をあげたり、どうしても女性の役割が大きくなることはわかるのだけれど、基本的には父親も母親も同等に子育てを分かち合っていくものよね」といった感覚を多くの女性が持つようになっています。

 男性も育児参加の意識が強くなってきて、育児をする父親が増えているとはいえ、女性の意識からすると、「お父さん、あなたはたくさんやっていると思っているかもしれないけれど、まだまだなのよ!」というのが本音のようです。

 ベネッセ教育総合研究所が20年にわたって子育てする人たちの意識や実態を調査していますが、その2015年の調査報告(http://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=4770)によると、夫婦間の育児の分担は、女性が7割以上を負担していると感じている人は全体の93.5%と非常に高く、多くの女性が「私が育児のほとんどをまかなっていると」感じています。

「協力」の意識はもう古い!

 現在の女性の意識は、「育児も家事も本来は夫も妻も半々よね。でもお父さんのほうが時間がないのは理解しているわ」といったところにあります。しかし、現実は「結局、私がほとんどをしているのよね……。まあしかたがないか」になっています。

 そんな気分を母親は普段から感じているものですから、ときどきお父さんが育児に参加して「協力してやっているぞ」という態度をとったり、どうしてもしかたなくてお父さんに「子どもの面倒を見て」と頼んだときに「え、なんでおれが」といった態度がちらっとでも出てしまうと、普段から感じているもやもやが「カチン!」と音を立ててしまいます。

 子どもは夫婦2人で育てるものです。もちろん夫婦以外の大勢の人もの協力もありますが。だから、「男性が“協力”する」という姿勢だと、女性からするとそれでは育児への意識が全然たりていないわけです。

 「お父さんがちょっとでも協力してくれて、あー助かったわ」というステージに、もはや現代の女性は存在しないのですね。新しいステージから、現代の女性は男性の「育児参加」「家事参加」を見守っています。

 男性が育児にどのように参加していけばいいか。それは個々の状況によるでしょうから、これが正解というのはないと思いますが、直接的な参加ができないのであれば、せめて言葉でねぎらうことは忘れないようにしましょうね。

 ただし、「言葉でねぎらうことができれば十分」ではなくて、いまや最低ラインと肝に銘じて。



須賀義一 先生
子育てアドバイザー

1974年生まれ。公立保育園勤務の後に退職し、現在は子育てアドバイザーとして講演、執筆活動を行なっている。従来の子育てを見直し、個々を尊重した関わり、子育ての仕方を提案している。 二児の父でもあり、保育士としての経験を生かした子育てブログ『保育士おとーちゃんの子育て日記』が多くの人の支持を得る。難しくなりがちな現代の子育てを具体的に楽しいものにしていける方法を提案している。著書に『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)がある。

「子育ては楽しめるようになるのが一番です。”できる子”を目指すやより、”かわいい子”を目指してみてください。きっと子育てが楽しくなりますよ!」

※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。

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