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「アメリカでは乳幼児には布団をかけない」 事故防止のために、今すぐねんね環境を見直そう【米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタント】

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●画像はイメージです
monkeybusinessimages/gettyimages

これから冬に向かって気温が下がっていく季節。赤ちゃんを寝かせるとき「寒くて風邪をひかない?」と心配になるママ・パパが多いのではないでしょうか。「冷えを防ごうと、赤ちゃんに厚手の布団をかけるのは危険です」と話すのは、米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタントの愛波文さん。
赤ちゃんのねんね環境を整えることは、質のいい睡眠を促すためだけでなく、不慮の事故から赤ちゃんを守るためにも大切です。愛波さんに寒い季節のねんね環境の整え方を聞きました。

寒いからと、寝かせるときに厚着をさせるのは逆効果。アメリカでは掛け布団は使用しないのが基本

――寒い季節、赤ちゃんを寝かせるときの服装はどんなものがいいのでしょうか?

愛波さん(以下敬称略) 寒いからといって厚着をさせるのはいい睡眠にとって逆効果です。低月齢の赤ちゃんに厚手の布団をかけるのも厳禁です。
寝かせるときの服装は、肌着+長袖のロンパース+スリーパーを基本に考えるといいでしょう。

1才未満の場合、掛け布団や毛布などの使用は基本的に必要ありません。とくに低月齢の時期は、寝床にぬいぐるみ、掛け布団やまくらなどを置かないことが大切です。


――「掛け布団や毛布などの使用は基本的に必要ない」というのはなぜですか?

愛波 理由は二つあります。一つは窒息事故のリスクがあるからです。

アメリカでは、窒息が赤ちゃんの睡眠時の死亡原因の一つとして問題視されています。そのため、厚手・薄手にかかわらず、赤ちゃんを寝かせるときに掛け布団は使わないよう小児科医・助産師から指導されます。

薄いハンカチが顔にかかったときに取り除けるようになるのは生後6~7カ月以降といわれています。寝ている間に赤ちゃんが手足を動かして、そのはずみで掛け布団が顔にかかってしまっても、赤ちゃんは自分で払いのけることが難しいのです。(※1)

もう一つの理由は「うつ熱」です。うつ熱とは睡眠中の赤ちゃんが着せすぎ・暖めすぎなどによって高体温になった状態です。

赤ちゃんを温めすぎることで、深い眠りにつく可能性が高く、そこから覚醒することは難しくなることがあるという研究結果があります。そのため乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが上がる可能性があることを米国小児科学会は伝えています。(※2)

――掛け布団を使わないと、冷えが心配なときはどうしたらいいですか?

愛波 暖房や加湿器などで、室温・湿度を整えましょう。そのうえでスリーパーを使うのがおすすめです。

1才以上になったら、掛け布団を使ってもいいでしょう。ただし、掛け布団やブランケットは足で蹴って、はだけてしまうことがあります。
夜中にママ・パパが起きて体にかけ直すのは大変なので、2才ごろまではスリーパーのほうがおすすめです。

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冬のねんね環境。室温は20度前後、湿度は40~60%を目安に調節しましょう

――室温は何度くらいに調節するといいのでしょうか?

愛波 質のいい睡眠をとるために寝室の室温は20度前後を目安に調整しましょう。入眠時に部屋や寝床が寒いと、体の交感神経が体温を温めようと作動し、興奮してなかなか寝つけなくなることがあります。

ねんねルーティン後、スムーズに入眠させるために、夜寝かせる寝室は23度くらいに暖めておきます。夜中に18~20度くらいを保てるのであれば、暖房は切って寝てください。室温が15度以下になってしまうと、寒すぎて赤ちゃんが目覚めてしまうかもしれないので、16度以上はキープしましょう。

冬場、赤ちゃんが朝の4~5時に夜泣きをしたり、早朝起きをする場合、室温が低すぎて、寒さで泣いたり起きたりしている可能性があります。寝る前に暖房を切っている場合は、3時台に暖房を入れ、寝室を18~20度くらいに暖めて。タイマーがあればON・OFFに活用しましょう。

――暖房を使うと乾燥が気になりますが、湿度の目安はありますか?

愛波 暖房を朝までつけた状態にすると、肌やのどがカラカラになることがありますよね。風邪などの原因になるウイルスは、乾燥した環境の中で活発になるともいわれています。

部屋の湿度は40~60%くらいに
冬は、何も対策をしない状態だと、湿度40%を保つことは、なかなか難しいと思います。ぜひ、加湿器などを活用し、湿度40~60%くらいを保つように調整しましょう。


監修・お話/愛波文さん、取材・文/たまひよONLINE編集部
※1 小児科医:浦辺智美医師より
※2 参考:https://safetosleep.nichd.nih.gov/research/science/other

「掛け布団を使用することで『窒息』そして『うつ熱』双方のリスクを高めてしまうことがあります。この冬、子どもの安全な睡眠環境を今一度見直してみてください」と愛波さん。寒い季節は、ねんね環境をしっかり整えて、赤ちゃんの睡眠と安全を守りましょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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