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早口言葉を親子で楽しむと、こんないいことが・・・【絵本専門士・フリーアナウンサー吉田明世さんインタビュー】

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4才の女の子と1才の男の子のきょうだい育児に奮闘中のフリーアナウンサーの吉田明世さん。

吉田さんは保育士や絵本専門士の資格を取得し、大の絵本好きです。毎日の育児に絵本をどのように取り入れたり、読み聞かせをしているのでしょうか。また、吉田さんと夫の共作の絵本も出版。その絵本に込めた思いを聞きました。

赤ちゃんとのコミュニケーションに迷い、絵本に助けてもらったことも

――吉田さんが絵本の読み聞かせに興味を持ったきっかけを教えてください。

吉田さん(以下敬称略)絵本自体は以前から好きだったんですが、読み聞かせに興味を持ったのはやはり「ママ」になってからです。

長女を出産したあと、まだ会話ができない娘とどう過ごしたらいいか、どうコミュニケーションを取ればいいかわからなかったときに、絵本に助けられた場面が多くありました。

――「絵本専門士」の資格を取得したきっかけを教えてください。

吉田 そんな娘との経験をきっかけに、アナウンサーでもある自分が何かできないか考えるように。当時すでに保育士の資格を持っていたため、自分で絵本の読み聞かせのイベントなどを開き、読み聞かせを通して世の中のママやパパ、子どもたちと同じ時間を共有できたら、と思い描くようになりました。

そのタイミングで、絵本専門士という資格があることを知って挑戦しました。

そのとき、すでに娘が1才だったのですが、2カ月に一度、土日丸々講義がありました。講義に向けて事前課題や事後課題をこなさなければならず、子育てと仕事をしながら学ぶのは簡単なことではありませんでした。

ですが、絵本専門士の資格を持っているからこそ、今回の絵本出版につながったり、絵本の選書をさせてもらったりと、仕事や人との出会いが多くありました。
結果、アナウンサーのときとは違う挑戦ができていて、資格取得を頑張ってよかったなと思っています。

早口言葉が楽しめる絵本。ぜひ親子で早口言葉に挑戦してみて

『はやくちよこれいと』の中の1ページ。本の中には楽しい早口言葉がいっぱい!

――出版する絵本について教えてください。

吉田 2019年から、絵本専門士になるべく勉強をスタートし、絵本専門士になったのは2020年のこと。「たくさんのママ・パパ・子どもたちと絵本を読み合う時間を作りたい!」と、読み聞かせのイベントを企画していたのですが、イベント開催直前に新型コロナウイルスの流行が始まってしまい、そのイベントは泣く泣く中止にせざるをえませんでした。

そこからは絵本専門士として思うように活動できない日々が続いていました。以前より自宅で過ごす時間も増え、何か自分にもできないかと悩んでいるときに、絵本制作のお話をいただいたんです。絵本を作ることは、私の長年の夢でした。

そして、完成した絵本が『はやくちよこれいと』です。

『外郎売り(ういろううり)』という歌舞伎十八番の有名な演目を、子どもも大人もみんなで楽しめる“現代版”にアレンジした、早口言葉の絵本です。

1粒飲むと滑舌がよくなるという「外郎」を売り歩く商人が、その効果効能を、早口言葉を交えながら軽快に紹介する、というストーリーを、外郎をチョコレートに、商人をチョコレートの魔人に設定を変えることで、より親しみを持って楽しんでもらえるように工夫しました。

また、絵本の中に出てくる早口言葉も、外郎売りの中に出てくるものを、子どもにとってなじみ深いものや、想像しやすいものにアレンジしています。

とは言っても、この絵本は、早口言葉を上手に言えるようになることを目的に作ったものではありません。

まずは、言い間違えちゃうことを、思いきり楽しんでほしいと思っています。間違えたり、失敗したりすることを、恥ずかしがらないでほしいのです。そして、何回も読んでいくうちに『気がつけば読めるようになったね!』『練習すれば言えるようになるんだね!』といった体験をしてもらえたらうれしいです。

娘は『お星さま』のことを『ほっしゃわぁわぁ』と言い、息子は『牛乳』のことを『にゅうにゅう』と言っていたころがありました。こういった子どもならではの言い間違いも、いつの間にかすっかり上手に言えるようになっていて、ほんの少しの間しか出合えない、かわいくておかしい宝物のような思い出ですよね。

この絵本を通して、一人一人の成長に気づくきっかけになってくれたら、アナウンサーとしても、絵本専門士としても、これ以上の幸せはありません。

イラストを担当してくれたのはアートディレクターの今津良樹(いまづよしき)さん。今津さんによって早口言葉という実態のないものを、とってもかわいく表現してもらい、色使いもポップでおしゃれ、アートとしても楽しめる作品に仕上がりました。

一人でも多くの人に、『はやくちよこれいと』を、チョコレートの魔人を、愛してもらえたらうれしいです。

お話/吉田明世さん 取材・文/たまひよONLINE編集部

「外郎売り」は、アナウンサーや声優など、声のお仕事をしている人のトレーニングでよく使われているそうです。そのため、吉田さんにとってなじみ深いお話だったんだとか。
「チョコレートの魔人と一緒に遊びながら、言葉って楽しいな!日本語っておもしろいな!そんなふうに感じてもらえたら」と吉田さん。

絵本専門士としても活躍する吉田さんのきょうだい育児の日々はまだまだ続きます。たまひよONLINEで連載中の“吉田明世さんの育児エッセイ”もお楽しみに!

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

吉田明世(よしだあきよ)

Profile
1988年生まれ。2児の母。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、東京FM「ONE MORNING」(月~金6時~9時)「THE TRAD」(月・火15時~16時55分)レギュラー。ほかにTV、イベント、モデル、コラム連載など幅広く活躍中。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。2022年12月に絵本『はやくちよこれいと』(インプレス)を出版。

『はやくちよこれいと』

遠い不思議の国からやってきた、チョコレートの魔人。その魔人が持っている「はやくちよこれいと」を1粒食べれば、リズミカルで楽しい言葉遊びのスタート。 親子で楽しめる早口言葉の絵本。吉田明世・カタスケ 作、今津良樹 絵/1540円(インプレス)

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