【保健師監修】体型、腰痛、尿もれ…助産師ママが見た! 産後の【あるあるギャップ】解消法
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産後のママの体は、妊娠前とは状態が異なっています。妊娠前と同じような感覚でいると、変化に戸惑い、ショックを受けることも。そんな産後ママたちの“あるあるギャップ”と解消法について、助産師の平田かおり先生に聞きました。妊娠中のママは心構えとして、産後すぐのママは今すぐできるケアについて、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠前に着ていた服が入らない
産んだらおなかは引っ込むから、妊娠前の服が着られるようになるはず…と思っていたら大間違い! 10ヶ月かけて大きくなったおなかは、産んだらすぐに元どおりというわけにはいきません。
「とくに、タイトな服やデニムなどのかたい生地は、着てみたもののファスナーが上がらない…なんてことも。また、妊娠前に着ていた服だと、ママのバストの変化によっては、胸まわりがきつくて苦しいこともあります。授乳がしづらいタイプの背中にファスナーがついているトップスや、授乳口のついてないワンピースも、しばらくは出番がないかも。
あとは、お宮参りの日に久しぶりに礼服に袖を通してみたら、きつくて入らなかった…というママの声もよく聞きます。当日、あわてないためには、念のため余裕をもって試着をしておくことをおすすめします。個人差はありますが、体形が戻るには2ヶ月ぐらいかかると思っているといいでしょう。体形戻しには、まずは骨盤を整えるのが効果的。無理なダイエットは禁物です」
腰が痛くて動けない
出産では、骨盤を緩めて赤ちゃんを子宮から体外へ出すため、産後すぐはママの骨盤と、骨盤内の内臓を支える骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)が最も緩んだ状態に。そのため、骨盤まわりに痛みを感じやすくなるそう。
「産後1ヶ月健診くらいまでは、立つ、座る姿勢は短時間にしたり、家事はなるべく控えて、横になって骨盤を支える骨盤底筋群を回復させてあげましょう。重いものを持つと、骨盤底筋群と腹直筋というおなかの中心の筋肉に負荷がかかり、痛むことがあります。産後2ヶ月間は、なるべく重いものは持たないようにして。妊娠前と同じようなペースで動き回ったり、家事をするのは難しい時期です。今はママの体を休ませてあげて、骨盤まわりに負担をかけない生活をしましょう。あとは、骨盤をこれ以上ゆがませないために、活動するときは骨盤ベルトで骨盤を締めるのがおすすめ。ゆがみが最小限に抑えられますし、腰痛予防になります!」
産後の尿もれに悩むママは約9割
骨盤がゆがむことにより、尿道、腟(ちつ)、肛門(こうもん)が緩むので、産後はくしゃみやせきをしたときなどに尿もれすることがあります。膣の緩みによって、これまで便秘ではなかったママが便秘や痔(じ)に悩まされたり、入浴で膣内に入ったお湯がだらだらと出てきてしまったりすることも。とくに、産後の尿もれは約9割のママに発生するとも言われています!
「実は、産後1~2ヶ月は骨盤が固まりにくい時期なので、この時期にあせって骨盤矯正のために整体などに通っても、効果は出にくいもの。骨盤ケアは、産後すぐから始めてもらうといいですが、しっかり矯正ができるのは骨盤が固まり始める産後2ヶ月以降。それまでに少しずつ、骨盤がこれ以上ゆがまないように骨盤ベルトで締めつつ、腰を回すなど、筋力をつけていくことは大切です。
トイレで便座に座りながら、膣や肛門をキュッと締めるトレーニングは、1日1回続けるだけでも、その後の効果が違うので、できることから始めていきましょう。トイレで尿の排出を自分でコントロールするのが困難なほど、緩んでいると思いますが、筋力が整えば、できるようになりますので、あせらず、少しずつ行っていくといいでしょう」
産後のママの体は、妊娠中~出産時のダメージを抱えています。出産したらすぐに妊娠前の状態に戻ると思っていると、さまざまなギャップに戸惑うことが多いそう。前もって、産後のママの体の状態だや、起こりうるトラブル解消法を知っておくと、あわてることがなくて安心ですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
初回公開日 2017/12/26
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