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娘は父の趣味がきっかけで、競馬記者の道へ。横浜DeNAベイスターズ・三浦大輔監督に聞く、子どもとのほどよい距離感

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現役時代の三浦大輔監督。よく応援にかけつけていた長女・長男にはどんな教育を?

現役時代はエースとして、そして2021年シーズンからは監督として、横浜DeNAベイスターズの「顔」であり続ける三浦大輔監督。日本の少子化、そして少年野球人口の減少など、野球界の将来にも関心が高いようです。三浦監督に「子どもが野球をするメリット」を聞きました。

野球から学べる「小さな社会」

――2022年年末、出生数の減少・年間80万人を割る見込み、というような報道がありました。野球人口の減少にもつながる話ですが、日本の少子化についてどのように考えられますか?

三浦監督(以下敬称略) もちろん気になっています。子どもの数が減って、野球をする子どもたちも年々減っています。裾野の拡大という課題は野球界全体で取り組んでいることです。僕が子どものころよりも野球人口が減っているのは、子どもの数が減っていることもありますが、昔と比べて選択肢が増えたこともあると思います。今は、サッカー、バスケ、卓球、いろんなスポーツに取り組める環境が整っています。その中で野球人口を増やしていかないといけないな、と考えています。

――子どもたちが野球をするメリットは、どんなところにあると思いますか?

三浦 野球はチームスポーツなので1人ではできません。そのチームメイトと力を合わせて目標に向かって進んでいくために、日ごろからの練習がとても大切になります。チームは一つの小さな社会ですし、その中での一体感を経験できることは、野球のメリットだと思います。また、野球をするにはバットやグローブなどの道具が必要で、それには親のサポートが必要ですが、だからこそ、まわりの人への感謝の気持ちを持つということも一緒に学ぶことができます。

――監督自身はどんな少年時代を送っていましたか?

三浦 それこそ日が暮れるまで外で遊んでいるような、田舎の子どもでした。夏はクワガタを取りに行ったり、川で釣りを楽しんだりしていました。野球は小学3年生から始めましたが、学校の休み時間にサッカーで遊ぶこともありました。いろいろな経験が、のちのち野球にも生きてきたのかな、と思いますね。

――野球にどっぷりつかったのはいつごろからですか?

三浦 練習は子どものころからずっと毎日です。その合間に遊んでいたという感じです。少年時代、とくに野球に真剣に取り組んだのは、高校2年の夏に天理高校に負けてからの1年間です。甲子園に行くチャンスはもう来年しかないと思って、あのときは本当にたくさん練習しましたね。

つい熱が入ってしまい、子どもが野球嫌いになりかけた?

スポーツ新聞の競馬記者となった長女の凪沙(なぎさ)さんと。監督になってからも家族が応援に。

――三浦監督の長男も野球をされているようですが、野球は自分から始めたのでしょうか? それとも監督から誘ったのでしょうか?

三浦 野球をやる、という方向に持っていったとは思います(笑)。強引ではないですが、家に帰ればテレビでは野球中継が流れていますし、横浜スタジアムに遊びに連れてくればほかの選手たちとの交流もある。キャッチボールをして遊ぶこともありました。野球がとても身近にあったとは思います。自然と選んだとは思いますが、選ばざるを得ないような環境を僕自身が作ったのも事実だと思います。

――長男に野球をやってもらいたかったのは、どうしてでしょうか?

三浦 野球のことなら教えられる、という単純な理由です(笑)。自分も野球が好きで野球から多くを学んだし、子どもにも同じような経験をしてもらえたらなと思いました。ただ、最初は「うまくなってもらいたい」という気持ちが先走って、息子が僕との練習を嫌がることがありました。僕のほうが息子にうまくなってほしくてテンションが上がりすぎていたんです。「息子が嫌がっている」ということを女房から聞いてからは、いったんほったらかしにしました。するとその後、中学生になって、息子から僕に「スライダーってどうやって投げるの?」と聞きに来るようになりましたね。

――結果的に、自主的に野球に取り組んでいったんですね。

三浦 本人の自由意志でやっているときがいちばん伸びるので、聞きにきたときにはアドバイスはしていました。やっぱり押しつけるのはよくなかったんだなと、過去の自分を反省もしました。高校からはプロアマ規定があることもあって、指導はしていませんが、息子は今も大学野球で楽しんでやっているというのは聞いています。

――野球のこと以外も、子どもさんたちにはあまり「ああしろ、こうしろ」とかは言わないのでしょうか?

三浦 常に気にはなりますけど、あまりこまかいことは言いません。進学先も、僕は決まってから報告を受けるだけでした。子どもから聞かれたら相談に乗るという方針です。

――長女・長男、2人とも成人されていますが、就職の相談などはあったのでしょうか?

三浦 相談されたら一緒に考えますが、それまではこちらからは何も言いません。娘は今、競馬記者をやっていますが、それも本人が好きなことだったからです。僕が競馬好き、馬好きだったこともありますが、娘が中学生ぐらいのときに、僕が馬主となっている馬のデビュー戦を一緒に見て応援したことがあるんです。そのときに馬の目や、走る姿を見てとても感動したようで、そこから競馬にハマっていきました。息子はまだ学生ですが、本人から来ればもちろん相談に乗ります。

――2人とも、お父さんの好きなことの影響を受けながらも、最後は自分で進路を決めていかれるんですね。

三浦 親だからえらいというのではなく、自然体でつき合ってきました。あれこれいうよりも、見守るようにしています。進路も本人たちに任せていますが、相談に来たときは、全力で何かしてあげたい。そういう気持ちは、子どもたちが大人になった今も常にありますね。

お話・写真提供/三浦大輔監督 取材・文/香川誠、たまひよONLINE編集部

三浦監督の話によると、長女・長男に、反抗期らしい反抗期はなかったそうです。もしかすると、野球を途中で「ほったらかし」にしたようなことがよかったのかも。自由にさせながら見守り、困っているときに相談があれば全力で助ける・・・。親子のいい距離感を保つことで、子どもの自主性も育つのかもしれません。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

三浦大輔監督(みうらだいすけ)

PROFILE
1973年12月25日生まれ、奈良県出身。現役時代は投手。右投げ右打ち。奈良県の高田商業高校を経て、1991年にドラフト6位で横浜大洋ホエールズに入団。プロ1年目から始めたリーゼントヘアが話題となり、「ハマの番長」のニックネームでファンに親しまれた。横浜一筋の25年間で通算172勝。最優秀防御率、最多奪三振(ともに2005年)の個人タイトルのほか、21連続シーズン2桁先発(1995年~2015年)の日本記録なども持つ。

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