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発達障害というレッテルに苦しむママ・パパたちが急増!でも、それって本当に発達障害!?【小児脳科学者】

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スマイリー親子
●写真はイメージです
yamasan/gettyimages

近年、発達障害といわれる子どもたちが増えています。文部科学省の「令和2年度 通級による指導実施状況調査」によると、通常学級に通いながら別の教室にも通っている「通級指導」を利用している発達障害の小中高生は2006年の時点では約7000人でしたが、2019年には7万2000人を超え、2020年には9万6000人を超えています。2006年から15年で約13.7倍にも増えています。
新刊『「発達障害」と間違われる子どもたち』が話題の小児脳科学者 成田奈緒子先生は、「発達障害という言葉に振り回されて苦しんでいるママ・パパが増えている」と言います。そうした背景などについて、成田先生に話を聞きました。成田先生は、脳科学の研究をしながら、小児科医として発達障害が疑われる子どもたちの診療も行っています。

診断はつかないのに、発達障害と見分けがつかない「発達障害もどき」の子が増加

発達障害といわれる子は、2020年には9万6000人を超えていますが、成田先生は、約35年にわたる研究・臨床経験を踏まえても、専門医による診断で発達障害とされる子はそこまで多いとは思えないと言います。発達障害といわれる子の急激な増加の背景にあるのは「発達障害もどき(※)」の子の存在ではないかと言うのです。

――近年、発達障害といわれる子が増えていますが、先生はどのように見ていますか。

成田先生(以下敬称略) 診断やカウンセリングをしていて感じるのは、正式な医学用語ではないのですが「発達障害もどき」の子が増えていることです。「発達障害もどき」とは、発達障害の診断はつかないのに、発達障害と見分けがつかない症候を示すことです。
脳に特性がある発達障害ではないのに、発達障害と見分けがつかないような行動をすることで疑われるケースです。
「うちの子、本当に発達障害?」と悩んでいるママ・パパの多くには、「発達障害もどき」も紛れ込んでいると思っています。

※「発達障害もどき」は、診療を通して出会った子どもたちの症候を診る中で、成田先生が作った言葉です。そうした診断名はありません。

以前なら「少し手がかかる子」だったのに、「発達障害」というレッテルを貼られる時代に

発達障害という言葉が浸透した結果、大人たちは子どもを見る目が変わりました。それにより生きづらくなったママ・パパ、子どもが増えてきました。

――成田先生が代表を務める、子育て支援事業「子育て科学アクシス」にも、発達障害のことで相談に来るママ・パパが多いと聞きました。

成田 ママ・パパたちを苦しめている一つの原因は、発達障害という言葉が広く知られるようになってから、園や学校、保護者間などで発達障害という言葉が子どもを区別するためのレッテルになってしまったことです。

発達障害の診断は医師しかできませんが、集団行動が苦手、こだわりが過度に強い、コミュニケ―ションがうまくできないなど子どもの気になる行動が目につくと、園や学校では「発達障害では?」と疑います。

公園で子どもを遊ばせていてブランコなどの順番が待てない、衝動性が強い、すぐにかんしゃくを起こしてお友だちをたたいたりするなど目立った様子があると、保護者間でも「もしかして発達障害?」という目で見ることもあるでしょう。

以前なら「少し手がかかる子」といわれていた子どもたちが、「発達障害」というレッテルを貼られるようになってしまったのです。

――カウンセリングに来るママ・パパたちの様子を教えてください。

成田 学校の先生たちから、子どもの問題行動を指摘されて落ち込んでいたり、疲れきってしまっているママ・パパもいます。なかには「子どもにあまりにも手がかかる」「これ以上は私には無理」とママ(パパ)が育児放棄をしてしまい、パパ(ママ)が悩んで相談に来るケースもあります。

またママは子どものことをすごく心配して療育に行かせたほうがいいのか悩んでいるのに、パパは「大げさだよ」と取り合ってくれないという相談も受けます。もちろんその逆のケースもあります。そうした考え方の違いから、夫婦仲が悪くなってしまった家庭もあります。おじいちゃん、おばあちゃんに「しつけのせいだ」と言われて、傷ついているママ・パパもいます。

――子どものほうは、傷ついたりしていないのでしょうか。

成田 小学生、中学生になると、まわりと少し違う子をからかう子もいます。
前述のとおり、大人が「発達障害」というレッテルを貼るのですから、子どもはまねをしますよね。

「発達障害もどき」を防ぐ・改善する年齢別のポイント

「発達障害もどき」を防いだり、改善するには、乳幼児期からのかかわり方と規則正しい生活を送ることが重要です。

――「発達障害もどき」について教えてください。「発達障害もどき」は改善できるのでしょうか。

成田 「発達障害もどき」の子は、早起き・早寝をして、3食しっかり食べるようになるだけでも、気になる行動が軽減していきます。
また発達障害もどきを防いだり、改善するには、乳幼児期のかかわり方が重要です。次のことを意識して子どもとかかわってください。年齢別に解説します。

0~2歳代なら、遊びやお世話を通して、親子のスキンシップをたっぷりとりましょう。目を見て話しかけることも大切です。ママ・パパがいるから安心・大丈夫と思える、親子関係を築きましょう。

3~4歳ごろの年少さんでは、園の集団生活になかなかなじめない子もいるでしょう。でも今のこの子の個性と思って、あせらずに温かい目で見守ってあげてください。ずっと続くものではありません。
また「みんなはできるのに、なぜ〇〇ちゃんはできないの?」と心配する必要もありません。

4~5歳ごろの年中さんになると、しっかりしている子が増える分、「園で先生の話が聞けない」など、気になる行動がより目につくようになります。しかし、まわりの子と比べないことが大切です。その子のいいところを見つけて、たくさんほめて伸ばしてあげましょう。

5~6歳ごろの年長さんは、ひらがなの読み書きができない、数が数えられないなどがあると、就学に向けて学習面が気になる時期ですが、ほかの子と比べたり、「先生の話をちゃんと聞いてるの?」としかる必要はありません。
それよりも小学校の登校時間に合わせて、朝起きる習慣をつけることのほうが大切です。たとえば朝6時45分には起きないと、小学校に間に合わない場合は、朝6時45分に起きる習慣をつけましょう。親子で小学校まで歩いて「〇〇くん、この学校に来るんだよ。楽しみだね。お友だちいっぱいできるかな?」と、入学が楽しみになるような会話をいっぱいしてください。時間をかけて、少しずつ準備をすることで、小学校入学後の気になる行動は抑えられます。

「記憶力がいい」など、子どもの特性を伸ばすための早期教育はすすめません

成田先生は、近年の行き過ぎた「発達障害」の見立ての風潮が、子ども、ママ、パパを苦しめる結果になっていると言います。

――発達障害をもつ子どもたちは、ある分野に長(た)けていることがあります。その分野を伸ばしてあげようとすることはいいことなのでしょうか。

成田 問題は伸ばし方です。とくに「記憶力が抜群にいい」「勉強はできる」という特性があると、ママ・パパが過度な期待をして、必死に伸ばそうとする傾向があります。
得意なことを伸ばして、ほかの苦手な部分をカバーしてあげたいという親心でしょうが、近年はこうしたママ・パパが増えているように思います。

――そうしたママ・パパのかかわり方は乳幼児期の成長に影響を与えるのでしょうか。

成田 私はすべての子どもに対して、乳幼児期からの過度な教育はおすすめしていません。
先ほども少し触れましたが、乳幼児期の子育てで大切なのは、早起き・早寝、3食しっかり食べることを習慣化することです。太陽が顔を出したら目覚め、生きるためにしっかり食べて、日が沈んだら眠る。こうした原始人のような生活が、脳の土台を作ります。乳幼児期に脳の土台をしっかり築かなければ、いくら子どもの特性を生かして、早期教育をさせても効果は一時的にしか出ません。逆に問題行動が増えて、いつしか親子ともに疲弊してしまいます。子どもがパンクして、将来、ママ・パパを恨むこともあるかもしれません。

こうした教育の話だけでなく、近年の行き過ぎた「発達障害」の見立ての風潮が、子ども、ママ、パパを苦しめる結果になっていると私は思います。

お話・監修/成田奈緒子

取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

成田先生は「子どもの脳は成長過程にあり、気になる行動があっても、それが永遠に続くわけではない」と言います。「うちの子、発達障害もどき?」と思ったら、紹介したように親子のかかわり方を見直して、早起き・早寝や3食しっかり食べることを実践してみましょう。早いと1週間ぐらいで様子が変わる子もいるそうです。

●記事の内容は2023年4月の情報であり、現在と異なる場合があります。

『「発達障害」と間違われる子どもたち』

子どもたちの間で増えている診断はつかないのに、発達障害のような症候を見せる「発達障害もどき」から抜け出す方法を紹介。成田奈緒子著/1155円(青春出版社)

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